メルカリの構成比から見るホビー品の需要増大と衣料品需要の減少
2024年8月1日 トレンド 2
7月20日、映画「ガンダムシードフリーダム」に(チラっと)登場した機体である「デュエルブリッツガンダム」のHGプラモデルの発売日なので、例によってママチャリを漕いで国道沿いのジョーシンへと向かった。
その1週間前のHGコマンドクアンタ発売日には一人しか並んでいなかったので、ガンプラの過熱人気も終了したのかどうかがわかる発売日だった。
結果としては、当方はいつもよりさらに早く9時45分に到着したにもかかわらずすでに20人以上が並んでいた。聞いてみると、この日はトミカ(トミーのミニカー)の発売日らしく、それが目的の人も10人前後すでに並んでいた。当方が並んだ後にも10人くらい並んだので、総勢30数人というところだった。
暑い日差しの中、我慢して並んでいると、1人の若い男性(20代後半~30代前半に見える)がやってきて並んだ。開店までの数分間暇だったので、少しばかり話をしたところ、目当てはトミカのトミカプレミアムとのことである。
ザックリというとトミカの中のレア商品的な立ち位置らしく、この日はオレンジ色に塗装されたランボルギーニのプレミアムが発売だったという。
何でも、自宅から2軒ハシゴしてきて、2軒とも品切れだったので、このジョーシンへ流れてきたとのことだった。
世間ではガンプラ過熱人気がクローズアップされているが、トミカ人気もなかなか過熱している。
誰も期待していないだろうが、結果から言うと、HGデュエルブリットガンダムは18個入荷しており、当方が最後の1個を買えた。当方の後ろに並んでいた男性数人には気の毒なことをしてしまった。8月にも再販されるという情報があるのでがんばってもらいたい。
そして、かの男性もトミカプレミアムのランボルギーニを無事に買えた。こちらは男性が買った後もまだ3~4個残っていた。
ガンプラの過熱人気はまだまだ続きそうだし、トミカの人気も地味に継続しそうだ。
毎度書いているが、当方は郊外に住んでいるのだが、その郊外のジョーシンでさえ毎週この争奪戦が行われており、5月に梅田のヨドバシカメラに並んだ際には300人くらいの人が並んでいた。
衣料品でも行列ができたという記事や報道がいまでもたまにあるが、店舗数の多さから考えると、家電量販店全店と特定のブランド店や都心旗艦大型百貨店で全く違う。家電量販店全店(地方も含めて)で毎週行列ができていることを考えるとホビー品人気の高まりは凄まじいものがある。
もちろん、その中には少なからぬ転売ヤーも含まれているだろうが、多数の転売ヤーが群がるということは、見込み違いの人間も含めて「ホビー品は需要が多い」と広く認識されているといえる。
個人的な体感では、ファッション衣料品よりもホビー品の方が転売も含めた需要が高いのではないかと感じている。
そこで「転売」といえば「メルカリ」である。
当方はメルカリで売買したことが無いし、今後もするつもりはないが、広く一般的に転売御用達のサイトになっているのは周知の事実で、新札発行時には新札が多数並ぶほどの無法地帯にもなっている。
メルカリでも取扱比率の1位は現在はダントツでホビー品となっている。すでに23年7月にはホビー品が1位となっており、24年7月はさらにその比率が高まっている。
まず、23年7月の記事から見てみよう。
「メルカリ」サービス開始から10年 ブランドランキング1位は「シャネル」から「ユニクロ」へ | 繊研新聞 (senken.co.jp)
最も取引されるカテゴリーはファッションからエンタメ・ホビーへと変化している。14年のカテゴリー別構成比はレディス(37%)とメンズ(16%)で約半数を占めていたが、23年はレディスが18%、メンズが16%となり、代わりにエンタメ・ホビーが14年の11%から23年は28%に伸長した。
とのことで、エンタメ・ホビー品の構成比は28%にまで高まっており、レディース服は18%へと低下、メンズは16%と比率が変わっていない。
これが24年7月になると、エンタメ・ホビーの構成比率はさらに高まる。
メルカリで最も取引されるカテゴリーは? 11周年記念のインフォグラフィックス公開|ECのミカタ (ecnomikata.com)
「メルカリ」の取引件数のカテゴリー別シェアでは「キャラクターグッズ」や「タレントグッズ」「トレーディングカード」などを含む「エンタメ・ホビー」カテゴリーが「メルカリ」の取引件数の4割以上を占めていることが判明した。
とのことで、以下にこの記事からグラフを転載させてもらう。
このグラフによると、エンタメ・ホビーの構成比率は41%まで高まっており、逆にファッションは22%にまで低下している。
転売市場での需要は圧倒的にエンタメ・ホビーが伸びていることがわかるだろう。転売市場で伸びるということは、需要があると思われている、もしくは需要があるといえ、逆に低下しているのは、需要が無いと思われているということになる。
実際、去年あたりから身の周りの業界人数人からは「要らなくなったブランド服をメルカリで販売してきたが、そんなに売れない」もしくは「なかなか売れない」という声をよく聞くようになった。もともとメンズ服は一部の転売人気ブランドを除くと売れにくかったが、今はレディース服も同様になっているようだ。
10年前の2014年にはレディースとメンズを合わせた構成比が50%を越えていたが、24年には半減以下の22%にまで低下しているのは、転売市場では如実にファッション衣料品の需要が減少していることを物語っており、彼らが「売れなくなった」と感じるのは極めて当然の結果といえる。
個人的にはこの傾向は今後ますます強まるのではないかと思っている。
comment
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とおりすがりのオッサン より: 2024/08/01(木) 2:14 PM
やっぱ、服はサイズ感とか分からないのがネックっすよね。あとは、色合いとか質感とかも写真だと現物と違って見えたりしますし。
メルカリでは安いジャケットとか買ったことありますが、当たり外れは結構ありました。あとは、高級革靴もメルカリで買いましたが、こちらも写真だと状態がよく分からず、当たり外れはデカかったですね。そんで、サイズ感も服より同然ながら難しいですから、分かってるラスト(木型)の靴以外は博打ですねw
その点でいうと、ホビー関係はそんな変なのは出てないから買いやすいのはありそう。でも、ニセモノというのはあるのかな?そういやガンプラなんかは中国あたりでニセモノ造れそうな気もしますが、バンダイのハイテクは再現不可能なのかなぁ?
余程の安物で無い限り、服は意外と丈夫で長持ちしますし、デザイン的にも劣化しない物がほとんどです。
こだわりブランドが無ければ、ユニクロやGUで充分なので。
ホビー品は機会を逃すと、後から手に入れるのは難しいですね。
グレンダイザーの新ジャンボマシンダーとか、欲しい人は多いんじゃないですか。
また服が以前のように売れるようになるには、一度ほとんどの人の財産が焼失する世界的な出来事が必要じゃないでしょうか