いつの間にか東京は大阪よりも温暖なくらいの気候になってしまっていたという話
2024年7月4日 天候・気候 0
7月~9月の3カ月気象予報が発表された。
一言でまとめるなら「高温多雨」傾向が強いのだそうだ。
1か月ごとに見ると、7月は高温で多雨、8月は高温だが少雨、9月も高温多雨という感じになるらしい。
で、今回のこの解説動画で気になったのが、8月は西日本よりも関東圏や長野当たりの方が高温になる確率が高くなっているという点である。
当方は汗っかきで、真夏は当然のことながら秋冬でも暖かい日にはうっすらと汗をかくことが多い。そのため、毎日天気と気温をチェックしている。何なら一日に何度もチェックする。
雨が降るなら雨用のワークマンの防水スニーカーを履ねばならないし、秋冬なのに暖かくなるなら薄着をしなくてはならない。
真夏でも30度ギリギリくらいなら綿100%Tシャツを着られるし、30度を越えると当方自慢の吸水速乾Tシャツコレクションに活躍してもらわねばならない。
なぜ関東圏の方が西日本より高温傾向になることが気になるのかというと、10年くらい前まで東京の方が大阪よりも涼しいというのが定説だった。たしかにその頃までは、毎日の天気予報をチェックしていても東京の方が最高気温が低かった。
また、90年代末ごろまでは大阪も冬は寒かったが東京はそれ以上に寒くて、仕事関係の人と話していても雪が降る日も大阪より格段に多かった。
大阪の夏は昔から暑かったが、天気予報を見ていると、大阪が猛暑の日でも東京は32度くらいにおさまっている日が多く羨ましくて仕方がなかった。
しかし、2010年代後半から東京の最高気温は如実に上がり始めたと記憶している。何の気なしに天気予報をチェックしていたら、大阪と同等か大阪よりも暑い日が格段に増えていた。
何日間増えたとは数えていないので言えないが、体感的に2000年代前半に比べると格段に増えた。
冬は全国的に暖冬傾向だが、東京の最高気温が大阪よりも高いという日が格段に増えていて、直近だと今年の2月は東京の方が気温が高かった。
もちろん、当方は東京には住んでいないので、温度の数字を見ることでしか判断してない。気温の感じ方というのは気温以外にも湿度、日差しの有無、風力の強さなどで左右されるから、気温の高低だけでは単純には論じられないということは分かっている。
だが、あの東京がここまで暑くなるのか、と長年天気予報を見てきた当方からすれば驚くほかない。
いろいろと考えてきた結果、洋服の売れ行きというのは気温に左右される要素が大きいと判断するに至っている。というのも何度も書いているが、当方がそういう買い方をするようになっており、いくらカッコイイデザインでも真夏に防寒着は買わないし、真冬に涼感素材服は買わない。いくらカッコヨクても暑くて着られない防寒着は不要だし、寒くて着られない涼感服も不要なのである。
それこそムダ金でしかない。
最近は、天候情報をこまめにチェックしているアパレル企業も増えたと耳にしている。過剰な売れ残り在庫を作らないためにも天候情報のチェックは必要不可欠だと思う。
ただ、東京の気温が大阪よりも高いくらいになっていることを気付いていない人が、業界には、まだそこそこおられるのではないかと危惧している。
もう2000年代前半までの東京の気温とは異なってしまっているから、かつての東京気温を基準としたマーチャンダイジングでは役に立たないどころか、売れ残り在庫を増やしてしまいかねない。
例えば、今回の長期予報が的中するのであれば8月の東京はかなりの高温で大阪や名古屋よりも高くなるから、これまでのように「お盆を過ぎたら秋物を前面に押し出して」なんていう商品構成では売れにくくなることが予想される。
先日、このYouTube動画で長期予報として「夏は猛暑、冬は寒冬」になりそうだという予想が発表されて、それについてブログでも書いたことがある。
予報が的中するなら、今冬は久しぶりに防寒アウターやセーター類などが好調に動きそうだが、卸売りベースや小売りの商品企画段階では懐疑的な声も多く聞こえているという。
もちろん長期予報なんて博打みたいなところもあるし、この10年間の暖冬傾向を見ていたら、容易に信用することは難しいだろう。
あるシルバー、ミセス向け小売店が秋冬の仕入れにまわったところ、今冬の寒冬予想はそこそこ認知されていたが、どのメーカーも懐疑的で防寒アウター類の仕込み数量は特段増やされていなかったそうである。
防寒アウター類、特にダウンジャケット類の製造発注はすでにとっくの昔に終わっているから、寒冬予想が発表される前に終わってしまっていただろうから反映されるはずもないし、これまでの暖冬傾向から控えめな数量を発注していたと考えられる。
実際に2023年秋冬シーズンも各社ともに相当防寒アウター類の仕込み数量を抑えていたと聞いている。2024年秋冬もそれと同じ感じの数量に抑えていると考えられる。
ただ、これは外野の無責任な意見なのだが、もし博打をうつつもりで、防寒アウター類の仕込み数量を増やすメーカーやショップがあるなら、予報通りに寒冬になったときに一人勝ちできるだろう。
当方とてそんな博打は怖くてとてもできないが、もし仮にそういう腹の座った人がいるなら、今冬は勝負してみても面白いのではないかとも思っている。本当に無責任な外野の意見なのだが。