あの商品は定番か否か
2014年12月8日 未分類 0
先週、話題となったのが、セレクトショップによるコピー問題を扱ったこのブログである。
【ファッション業界の方々へ一読ください】コピー商品について
http://mori.blog.houyhnhnm.jp/entry/2014/12/02/114530
C6という新進バッグブランドの代理店となっている方が書いておられる。
C6の特徴あるリュックのデザインをそっくりそのまま某セレクトショップがコピーしている。
ファッションアイテムなんて所詮、中韓だけではなく日米欧もコピー合戦みたいな側面があるのだが、この方が主張したかったのは次の部分である。
オマージュと言う形でブランド展開から定番化して、誰もが知る商品の良き部分を取り入れることはよくあること。洋服のブランドでもなんでもやはり名品は何年経っても名品。私もそれは理解しています。ですが、オマージュはそれをさらにデザイナーの解釈などで新たに機能を付加させて昇華させる。
大前提として「定番」であること、
デザイナーの解釈で「昇華」させることがオマージュなのだと私は認識します。
でも、日本に入ってきて1年も経たない知名度の低いブランドを全くの同じ仕様で作り、さらには本物よりも安い値段でコピー商品を展開する・・・これは、もはや元のブランドの存在すら蔑ろにし、ひいては本物を殺す行為であり、オマージュでもなんでもありません。
とある。
定番のコピーはよくある話である。というか定番のコピーがなくなるのであれば、現在のファッション業界は成り立たない。
問題は何を持って定番と定義するかである。
このC6は間違いなく定番ではない。定番となるには日本に入ってきて日が浅すぎる。
リーバイスの501は定番だろう。
これのコピーを否定するならほとんどのジーンズブランドはなくなってしまう。
しかし、尻ポケットの弓なりのステッチをコピーすることはルール違反である。
ところが先日、多くの人が定番だと思っていたあのブランドが訴訟を起こした。
米コンバース、31社を提訴=靴の意匠権侵害
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201410/2014101500234
米スポーツ用品大手ナイキ傘下の靴メーカー、コンバースは14日、同社の主力商品「チャックテイラー・オールスター」に類似した靴が製造、販売され、意匠権が侵害されたとして、日米など6カ国の31社をニューヨークの連邦地裁と米国際貿易委員会(ITC)に提訴したと発表した。
提訴されたのは、米小売り最大手ウォルマート・ストアーズ、米高級ブランドのラルフローレンなど。日本のノーウェア(東京都渋谷区)も含まれている。
問題としているのは、靴の先端がゴムで覆われている部分やシューズの周りのストライプなどコンバースが登録したデザイン。コンバースによると、2008年以降、こうしたデザインの類似品が多く出回るようになったとしている。
とのことである。
多くの人が定番だと思っていたコンバースがオールスターに対する意匠権侵害で31社を提訴した。
もし、これが認められれば、今まで定番だと考えられていたブランドが次々と提訴する可能性がある。
またコンバースは、もう一つの定番「ジャックパーセル」への意匠権侵害を提訴するのではないだろうか。
裁判の行方は分からないが、事の成り行きによっては、ファッション業界における「定番」の概念が崩れ去るかもしれない。
さて、どうなるのか、しばらく興味深く経過を見たい。