月別: 1月 2018 (1ページ / 2ページ)

我が国のアパレル市場はさらに寡占化が進む

現代ビジネスにニトリの社長の2018年経済予測記事が掲載された。

ニトリ会長が2018年の日本経済を大予測!「今年はズバリ…」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54073

ニトリの似鳥社長の経済予測はよく的中するのだそうだ。

日米の株価は今より下がる、インバウンド需要は息切れする可能性がある、などちょっと悲観的な予測が並んでいる。
個人的にいえば、インバウンド需要なんていつまであるのかわからないという見方には賛同だ。
現に一度2015年末には落ち込んでいる。
中国や東南アジア諸国の海外旅行ブームだっていつまで続くかわからない。かつて日本だって海外旅行ブームがあった。
そんなあやふやな需要にすがっている百貨店は本当にこれから厳しくなると思う。

似鳥社長のこの記事の中でもっとも賛同したのがこの部分である。

一言で言えば、いまアメリカで起きているのは『寡占化』です。強い企業は業界の垣根を越えてよその業界も侵食しながら、さらなる巨大企業へと膨れていく。
勝ち残れるのはそのトップだけで、ほかは市場からの退場を余儀なくされる。業界が丸ごと消えてしまうところも出てくる



これはアメリカの流通がAmazonとウォルマートの2強に寡占化されていることを指してのことだが、これに近い状態には我が国でもそうなるだろうし、すでにその兆候は表れていると感じる。

我が国の衣料品業界でいうと、Amazonの脅威もあるが、ユニクロとジーユーを擁するファーストリテイリングの寡占化はさらに進むと感じる。逆に、しまむらは厳しいのではないかと思う。
しまむらの苦戦については、ようやく他の記事でも触れられるようになったが、ビジネスモデルの転換による過渡期という部分と、それによってユニクロと同じ土俵で戦うことになったことが挙げられる。

これまで、しまむらはPBを含みながらも多品種小ロットの売り切れごめん体制で好評を博してきた。
しかし、しまむらが増益に転じるきっかけとなった保温ズボンは100万枚の売れ行きがあった。

100万枚の保温ズボンを仕入れで賄えるはずがなく、これは自主企画商品であり、それを100万本という大量生産・大量販売を行ったということである。
それまでの「しまむらモデル」からの転換で、ユニクロと同じスタイルだということになる。
自社のモデルの転換はなかなか上手くはいかない。場合によっては定着せずに撤退する可能性も高い。
ライトオンが「仕入れ型」と「SPA型」を何年かずつ交互にやってみて、やっぱりだめだと言って行きつ戻りつしているのがその好例である。

そして100万枚の低価格保温ズボンはユニクロとまったく同じ土俵での勝負ということになり、このスタイルを継続することではユニクロに一日の長があり、しまむらはそれをどのように考えているのだろうか。

これはいち早く、OEMを手掛ける当方の友人が指摘していたことでようやくメディアにも同様の指摘が掲載されるようになった。

先日、久しぶりに天王寺界隈で店舗巡りをしてみた。
当方が利用する店は天王寺にほぼ集結していて便利なのである。

店舗巡りの感想はまた別途まとめてみるが、例えば、ジーンズメイトは鳴り物入りでデビューした新PB「メイト」の冬物商品が大幅値下げされている。
今回はあくまでも、趣味のメンズ商品を見ての感想として読んでもらいたい。

店頭の積み上がり具合からすると投入量が多すぎたのだと思う。
これは取りも直さず、MD(マーチャンダイジング)の失敗だから担当者は、マサ佐藤氏に教えを乞うてもらいたい。

メイトのメンズは、30代~40代向けのトラッドベースのアメカジと当方には見える。
この市場はユニクロのメンズとほぼバッティングするし、商品のテイストもほぼ同じである。
価格はユニクロの方が安い。商品の品質はユニクロの方が高い。
商品のデザインは好き嫌いベースで判断すると悪くはないが、ベーシックなので決め手に欠け、これもユニクロとバッティングする。

商品のことだけでいうなら、ユニクロの圧勝といえる。
なぜなら、テイストやベーシックさが同じで、価格が安くて品質が良いのなら、ほとんどの人がメイトよりもユニクロを選ぶ。
メイトを選ぶのは、よほど「ユニ被り」を気にする人くらいだろう。

どうしてユニクロがメイトよりも高品質低価格が実現できるのかというと、根本的には資本力の差である。
今や資本力の差は圧倒的だ。
だから、仕組みやシステムも作れる。

同じ土俵で勝負するならユニクロ以上の商品を作らないと勝ち目はない。
そしてそれは今のジーンズメイトの資本力では不可能である。
ジーンズメイトに限らず、並みのアパレル企業の資本力では不可能である。

そうなると、商品は今のままだとしても、勝負する切り口を変える必要がある。
というか、切り口を変えなくては生き残れない。

もっとウェブを強化するとか(販売だけじゃなく)、もっとイメージを高めるとか、もっと面白い販促企画を連発するとか、もっと単品に特化するとか、そういう切り口を変える必要がある。

すべてユニクロと同じ土俵でやったって勝ち目はない。

例えば、靴下のタビオの店はどうか。
最近、冬用のウール混靴下が半額になっているので何足か買った。
定価は900~1500円くらいだが日本製だ。これが半額になっている。

先日は1000円の半額品と900円の半額品を1足ずつ買った。合計は950円だ。

赤が1000円の半額、茶色が900円の半額

また後日、別の店舗で900円の半額品と600円の半額品を1足ずつ買った。合計は750円だ。

ブルーが900円の半額に、ネイビーが600円の半額に

先に買った方は何度か履いているが具合は良い。
それなりの満足感はある。

靴下はファッションアイテムとは言いながらも消耗品の側面も強い。

試し履きしてみて良ければ、定価で何足も買うのはつらいが、セールなら2,3足は買える。
当方はどのブランドにとってもセール客でしかあり得ないから、参考にはならないかもしれないが、ユニクロで3足1000円の靴下もあるが、それとは異なるウール混日本製靴下が、ユニクロよりは高いが手ごろな値段で手に入るなら買ってみたくなる。

メイトもこの路線を狙ったのだろうが、ちょっと伝わりにくい。
タビオの場合は、明確にユニクロにはない「色・柄」と「ウール混素材」がある。

そして靴下という1アイテムに絞り込んでいるからわかりやすい。まあ、売っている方は大変だろうけど。

トータルアイテムで、単に「日本製ガー」「高感度ガー」「カジュアル感覚の~」なんて言っていても消費者にはピンとこない。
それこそ、初期の鎌倉シャツがシャツに特化したくらいのことは必要ではないか。

そうしないと、ますます寡占化が進む大資本ユニクロには勝てるはずもなく、消費者からしても存在する意味合いが見いだせない。
ランチェスターの法則に照らしても、小資本の採るべき戦略は「一点突破主義」のはずだ。
何かの切り口で「尖った」部分がない小資本は大資本には勝てない。これは鉄則だ。

並みのアパレル企業からすると「当社の商品の高感度ガー」とか「当社のこだわり~」とかそういうのが「尖った」部分だと思っているのだろうけど、それはまったくの思い違いで幻覚に過ぎない。

靴下なんてユニクロや無印で3足990円で売っているのに、なぜタビオが小なりといえども複数の店舗を運営して生き残れているのか、苦戦するアパレルは研究する必要があるのではないか。
今のままなら、ユニクロとジーユーによるアパレルの寡占化はさらに進む。

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メディアの「何でもユニクロ病」「何でもゾゾ病」はミスリードを引き起こすだけ

仕事らしい仕事にもなっていないのに、一応、衣料品関連の記事は目につく限り読むようにしている。

繊維・アパレル業界はそれはそれなりに混迷し続けているが、記事を読んでいるとメディア側も相当に混迷している。
というか、メディア側は少なくとも20年前から混迷していて、ステレオタイプの紋切り型の報道が多い。

今のメディア側のトレンドでいうと、「なんでもユニクロ」「なんでもゾゾ」である。
業績好調な新興アパレルがあれば「第二のユニクロ」、衣料品のネット通販関連なら「第二のゾゾ」とか「ゾゾと比べて云々」である。

少し前まではストライプインターナショナル(旧社名クロスカンパニー)も成長途中はずいぶんと「第二のユニクロ」とか「ユニクロを追撃」なんて報道があったが、ストライプインターナショナルのどこが第二のユニクロなのか当方にはさっぱりわからない。

メンズ服をほとんど手掛けないストライプと、メンズ服の売上構成比が大きいユニクロは土台がブランドスタンスが異なる。
どこぞの経済記事で、「ユニクロはなんとメンズ売上高が4割を占める」というのを見たが、昔から知っている人たちからすると「何を今更」だし、逆に「メンズ売上高が4割まで低下したのか」と驚かされる。

ユニクロは元々メンズ服の方が強かった。
2005年ごろでさえメンズ服の売上高が6割強あったとも聞いている。

低価格・高機能性・高品質というユニクロのキーワードは、レディースよりもメンズの方が響きやすい。
ユニクロというブランドは極めて男性的な思考で構築されていると思う。
だから、当方はユニクロが好きなのかもしれない。

感性だとか共感だとかカワイイだとか雰囲気だとかそういう女性的な判断基準のブランドは当方の好むところではないからだ。

手の届く範囲の価格でそれなりの見え方をする洋服を提供するというところは共通しているかもしれないが、それなら、コックスもパレモもキャラジャも第二のユニクロといえる。
低価格でそれなりの見え方をする洋服を提供しているSPA型企業は全部「第二のユニクロ」ということになる。

第二のユニクロ、どんだけあんねん?!

20年前後、記者会見に出席してきた経験からすると、業界紙や業界雑誌ではなく、朝日・読売・産経・毎日などの「大手一般紙」(部数が激減しているのでそろそろ大手でもなくなりそうだが)の記者は、会見の場で見ている限りにおいては、繊維・ファッション業界に詳しくない人が多く、質問が的外れなことが多い。

これも以前に書いたが、グランフロント大阪のオープン会見に出席したときのことだ。

記者会見場では質疑応答の際、記者は所属会社と名前を述べてから質問する。

読売新聞経済部の若い記者が質問をしたのだが、その質問内容に驚かされた。

「グランフロント大阪にはアウトレットモールに入店しているブランドが多数入店していますが、グランフロント大阪の競合相手はアウトレットモールでしょうか?」

という質問で、傍から聞いていて失笑を禁じ得なかった。
これに冷静に丁寧に回答されたグランフロント大阪側の人は流石に大人だと感心した。
当方なら、アホらしすぎて質問を却下しただろうから。

この記者は正規店とアウトレット店の関係すら知らないのである。
デスクによる手直しがあるとはいえ、こういう記者が記事を書いている。

だから、一般紙のファッション記事がおかしいのは仕方がないとして、業界紙・業界雑誌・経済誌・経済紙と呼ばれる媒体が、一般紙よろしく「何でもユニクロ」「何でもゾゾ」という報道姿勢はいかがなものか。

このブログの改装でもお世話になり、ウェブ関連の仕事でもお世話になっているスタイルピックスの深地雅也社長がこんな記事を書いている。

メディアはわかりにくい指標を使わないでください
https://note.mu/fukaji/n/n3eacc37e63a0

これは先ごろWWDのウェブに掲載された

ユークス ネッタポルテの2017年通期決算 売上高2800億円で「ゾゾ」に拮抗か
https://www.wwdjapan.com/536735

という記事に対しての意見である。

ユークスネッタポルテというのはリシュモン傘下(そこからの売却が先日発表されたが)で、ラグジュアリーブランドECの最大手企業である。当然、国内企業ではない。

一般にECには直販型とモール型があり、さまざまなブランドをテナントとして入店させているゾゾはモール型である。
早い話がファッションビルといえ、それぞれのテナントから出店料やら手数料やらを徴収していて、それがゾゾの「売上高」である。
テナントの売上高合計は「取扱高」として表される。
当然のことながら、仮に「取扱高」が1兆円を越えようと、それはゾゾ自体の売上高にはならない。おわかりだろうか。
1兆円の何%かがゾゾの売上高ということになる。

一方、ユークスネッタポルテは今のところ直販型である。
そうすると売上高は直接的な売上高であり、取扱高ではない。

しかも取り扱いブランドがまったく異なる。
方や欧米ラグジュアリーブランド、方や国内ファッションブランド(一部に量販ブランドも含む)。
当然、顧客層も客単価も販売価格も異なる。

これでどうして「ゾゾに拮抗」などという見出しを付けるのかまったく理解できない。

顧客層やらなんやらは置いておいたとしても「取扱高」と「売上高」を並べて「拮抗した」と報道することに何の意味があるのか、いや、ない。(反語的表現)

これこそ、グランフロント大阪とアウトレットモールを並べて論じようとした読売新聞経済部記者と同じレベルといえる。

ゾゾはもしかしたらユークスネッタポルテもベンチマーク対象としているかもしれないが、おそらくユークスネッタポルテはゾゾを歯牙にもかけていないだろう。ラグジュアリーからするとジーンズメイトやタカキューまで入店しているゾゾはまったくの競合相手ではないからだ。

これを知ってて混同させたならWWDの編集方針はおかしいし、知らなくて混同してしまったのなら業界メディアとも思えない。

メディアの「何でもユニクロ」「何でもゾゾ」病は本当に根深く、百害あって一利なしでしかない。

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ユニクロUの2018春夏物で値下がりしたら買ってもいいかなと思う商品はこの2つ

1月26日にユニクロからクリストフ・ルメールとのコラボライン、ユニクロUの2018春夏物が発売された。
半袖シャツ、半袖・長袖Tシャツ、半ズボン、サンダルなどの盛夏向け商品は後日発売なので、それ以外の商品の発売である。

27日の土曜日に店頭で見てきたのだが、本来なら人ごみが嫌いなので混雑する土日に見に行くことはない。
今回はたまたま、夜に仕事の打ち合わせがあったのでそのついでである。

で、今回は「見てきた」商品の感想を書いてみる。
もっとも、このあたりの商品レビューは、人気ブロガーMB氏が有料メルマガでやっておられるので、詳細を知りたければそちらを購読された方が良いだろう。

ファッション業界人はいまだに「ユニクロはファッションじゃない」なんてお高く止まっている者もいるが、その割にはユニクロで新商品が発売されたら必ずチェックして、あまつさえ複数買っていて、言っていることとやっていることが乖離しまくっている。
意味のない高すぎるプライドが邪魔をするのだろうか。(笑)

当方の「感想」はあくまでも売り場で見て触っただけの感想であり、なおかつ、当方の好き嫌いと独断であり、値下がりしたら買っても良い(個人的に)という観点での評価となるので、多くの方が納得できる基準ではない。

それでは、個人的に良かったアイテムを挙げてみる。
あくまでも基準は「値下がりしたら買っても良い」である。

当方は基本的にユニクロUスタート時からパンツよりもトップスを気に入っている。
なぜパンツをあまり気に入らないかというとストレッチ混ではないからだ。
ポリウレタン弾性繊維は数年で劣化・断裂するため、ポリウレタン弾性繊維混のストレッチ生地が嫌いだという人がいるが、当方は別に嫌いではない。細身パンツの厚手綿100%生地とか厚手ウール100%生地なんて履いていて窮屈で不快だからどんなに高級素材が使われていても買わない。夏向けの薄手生地のワイドパンツは別として。

気に入ったのはこの2つ。

・コットンクルーネックセーター3990円
http://www.uniqlo.com/jp/store/goods/407087-35

・コットンカシミヤカーディガン3990円
http://www.uniqlo.com/jp/store/goods/407083-68

である。

これは期間限定で1000円値引きされたら買っても良いかなあと思う。
もちろん、それ以下に下がれば絶対に買う。

まず、コットンクルーネックセーターだが綿100%でかなり肉厚な生地に編んでいる。
近年、ここまで厚手でガッシリした生地の綿セーターはお目にかかったことがない。
原料代だけで相当に高価だろうと思う。

当たり前のことだが、厚手生地にするということはそれだけ綿花を多く使用しているということになり、その分、生地の値段は高額になる。
これは高密度織物も同じだ。
糸の本数をたくさん使って、密度を高くしているわけだからその分、糸の使用量が増える。従ってそれだけ生地の値段も高くなる。

原則的には。

PC画面の画像で見ると、それはあまり伝わらないが、売り場で実物を触ってもらえればわかる。
薄くて軽い素材に親しんだ今の人からするとちょっと好きにはなれない素材感かもしれない。

厚手で綿100%なのにどうして評価するのかということになると、セーターは編み物なので、基本的に編み物はストレッチ素材が入っていなくても伸縮性がある。だからこれも綿100%でも伸縮性があるからだ。(初心者に向けて)

色は、白・グレー・黒・ブラウンの4色だが、ブラウンが一番売れ残ると思うが、この色は着こなしが難しいのでいくら値下がりしても買うことはない。ほかの3色なら買う。

ウェブサイトの画像では背景の白と同化していて見えづらいが、実物を見た感じでは白が一番良いと思う。
グレーと黒は白い糸がミックスされているので、そこが好き嫌いが分かれると思う。当方はあまり好きではない。

白が1000円下がったら絶対に買おうと思う。

これより薄手の生地なのがコットンカシミヤカーディガンである。
普通はVネックがほとんどで、一部に往年のアニエス・ベーよろしくクルーネックがあるが、これは珍しくポロ襟付きである。
ジャケットの下に着る際にはちょっと襟の始末が難しく、中級者から上級者向けのデザインではないかと思う。
初心者にはジャケットインは難しいだろう。

色は、黒・ネイビー・オリーブ・赤の4色あるが、色のトーンから見て、個人的には4色とも良い色彩だと思う。
黒かネイビーのどちらか1枚と赤を買おうかと思っている。くどいようだが値下がりしたらである。
オリーブも値下がりすれば買っても良いかなあと思っている。

惜しむらくは、画像で上手く伝わるかどうかわからないが、プラスチックのボタンが少し安物臭いところである。

ちょっと安物臭いボタン

マメな方がおられたら高額なボタンを買ってきて付け替えてみてはどうだろうか。
見た目のグレードはさらに上がる。

あと、ブロックテックコートだろうか。
これはめちゃくちゃ値下がりしない限りは買わないだろうけど。
なぜなら2016年秋冬のブロックテックコートを5990円で買ってしまっているからだ。

http://www.uniqlo.com/jp/store/goods/405941-34

今春のは形が2016秋冬モデルとは少し異なる。
今春のはバルカラー(ステンカラー)で、2016秋冬のはダブルブレストである。
また、袖は今春はラグランスリーブだが、2016秋冬は普通のセットインスリーブである。
裾はセンターベントだが、2016秋冬はノーベントだった。

2016秋冬物のネイビーを買っているのでめちゃくちゃ値下がりしたらベージュ系を買おうと思う。
2016秋冬物に不満は1つだけあってノーベントであるところだ。2017秋冬のユニクロUのコートもノーベントで、ノーベントはやっぱり動きづらい。そこに不満がある。

ズボン類はストレッチ混素材ではないから、あまり買おうとは思わないが、ワイドテイパードシルエットが充実していて、そういうシルエットが好きな人は購入しても良いのではないかと思う。
あと、デニム生地を使ったパンツが以前より増えている気がするが、そのデニム生地のどれもが、「タテ落ち感」「ヒゲ」「アタリ感」を押さえたモヤっとした色落ちをするビンテージジーンズブーム前のデニム生地調であることが、印象的だ。

ビンテージジーンズブームの後で作られたタテ落ちデニム生地を使ったジーンズ

80年代~90年代前半の空紡糸デニム生地で作られた古着のリーバイス

96年のビンテージジーンズブームによって、縦方向に細かく筋が入ったような色落ちをする「タテ落ち」が重視された。
これは綿糸をストレートに引けなかった時代に節くれだった糸を使ってデニム生地を織っていたからで、紡績機の高性能化でストレートな糸が引けるようになった80年代以降は市場からは消えていた。

ところがビンテージジーンズブームによって懐古ブームとなり、デニム生地の好みもも80年代以前に懐古したのである。
わざわざ「今の技術」を使って「昔の生地」を作っていたのが、タテ落ちデニム生地といえる。

それが20年間スタンダードとなってきたが、それがいよいよスタンダードではなくなったというところが、個人的には印象的である。
タテ落ちにこだわっているのは、オッサン世代と一部マニアということになるだろう。

技術は進歩するし、人の好みも移り変わる。
「本物」とか「昔ながらの」にこだわるマニアとか愛好家はいつの時代にもどんなジャンルにも存在し、それに向けた対応はある程度は必要だが、何十億円・何百億円というマスに向けた衣料品ビジネスを展開したいなら、マスの好みに合わせなくてはならない。
それをせずに「本物ガー」とか「昔ながらのー」にばかりこだわっていると、和服業界のように衰退するが、実際のところ、洋服業界のメンタリティも極めて和服業界に近しいと感じる。だから国内アパレルは斜陽産業になっているのではないか。

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「作るだけ」ではデザイナーズブランドは運営できない

今日はちょっと風味を変えて。

現在、漫画を読む層は30代~50代くらいのオッサン(オバハン)世代だと言われていると、何かの統計にあった。
昔、漫画は子供や若者の物という印象が強かったが、その統計によると最近の若い人は漫画離れだと言われている。
たしかに専門学校の生徒と話すと、「漫画を読んだ」というよりは「アニメを見た」という声の方が多いような気がする。

自分で読み進めなくてはならない漫画よりも、自動的に進んでくれるアニメの方が見やすい。
そういう意味では漫画を読むというのは、アニメを見ることに比べると大変な労力を要するといえる。
人間は便利な方を使う生き物だから漫画よりアニメという選択になるのも当然といえる。

当方もオッサン世代、というよりそろそろジジイ世代なので、漫画は好きで、よく読む。
それでも昔よりは読む量が減ったし、買う単行本も減った。

で、今でも週刊少年マガジンだけは買っているが、これも楽しみにしている漫画が減ってきた。
今だと野球漫画「ダイヤのA」とサッカー漫画「Days」くらいだろうか。
そういえば、長らく読んできたボクシング漫画の「はじめの一歩」だが長く続きすぎてグダグダになって、ついに今週号では引退してしまった。
ライバル対決も世界チャンピオンへの挑戦も果たせないままの引退である。

しかも引退の原因となった敗戦相手は、今までからの因縁のある登場人物でもなんでもなく、ポっと出のモブキャラみたいなフィリピン人ボクサーで、主人公とは何の因縁も絡みもない。
実際の人生なんてそんなものかもしれないが、フィクションである物語において、この伏線のなさはちょっと呆気にとられる。
構成としては素人以下で、これでまだ最終回を迎えていないのだから驚くとともに呆れる。

それはさておき。

その週刊少年マガジンに、ファッション業界を扱った「ランウェイで笑って」という漫画が昨年5月から連載が始まった。

女子高生がパリコレを目指す漫画、「週刊少年マガジン」で連載開始
https://www.wwdjapan.com/423066

ファッションを扱った漫画は珍しいと思った人もいるだろうが、ファッション漫画は昔もパラパラとあった。

例えば「こっとん鉄丸」。
どんな内容かというとかなりぶっ飛んでいる。
「包丁人味平」のファッション版というべきだろうか。

詳しくはこの紹介記事をご覧いただきたい。

パクリ度ゼロ! デザイン業界激震の独創的すぎるファッションマンガ『こっとん鉄丸』
https://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20150923/Cyzo_201509_post_19017.html

連載は87年というから今から30年前だ。
そんな荒唐無稽な「こっとん鉄丸」とは異なり、いわゆるデザイナーズブランドをけっこう真面目に描いている。

ファッション業界からもそれなりに評価が高い。
当方も「良く調べて描いているなあ」と思う。
ただし、当たり前だが、フィクションとしてそれぞれの段階が美化されているのは多少割り引かねばならない。
あまりにも「作ること」が美化されすぎているし、百貨店のバイヤーはあんなにスマートで切れ者でイケメンではない。(笑)

今週号(1月24日発売)では、文化服装学院とおぼしき大手ファッション専門学校のファッションコンテストの審査が描かれている。

それぞれの提出作品はそれぞれ、審査員からボロクソに批評される。
「ダサい」だとか「おっさんのポロシャツみたい」だとか「ウエストの位置を高くすべき」だとか、そんな感じである。

それを踏まえた上で、2時間だけ批評を元に手直しできる時間が与えられる。
手直しするために動き始めた生徒は失格で、手直ししないことを選んだ者が合格になった。

その理由は「ダサい」とか「かっこいい」とか「イケてる」というのは個人の主観で、主観はそれぞれ違う。
デザイナーズブランドとして提案する限りは、そういう批評も受けるし、かといって批評をすべて受け入れて修正していては、意味のわからないブランドになってしまう。またトレンドや大衆の好みも変化する。その変化を起こさせるのがデザイナーだから、手直ししないことを選んだ人が合格というワケだ。

ちなみに当方は、ヴェトモンのデザインがちっともかっこいいとは思わない。
でも世の中にはファンがそれなりにいる。
ファッションなんてそんなものだ。

どんな裁定が下されるのかと興味深く読んでいたが、なるほどと唸らされた。
良く調べてそして消化されて描かれていると思う。

しかし、その一方で、今の専門学校や専門学校のデザイン科の生徒は喜びそうで危険だなあとも思う。

審査の基準はまさにその通りなのだが、今のファッションビジネスはそれだけでは不十分だ。
デザイナーズブランドはカネを回してブランドを運営しなくてはならない。
そのために金融だとかファンドだとかのことはさておき、まず、商品(作品ではなくて)を売らねばならないのである。

特定の人からボロクソに批評されようと、特定の人からは強烈に支持されなくてはならない。
当方がちっとも良いと思わないヴェトモンのように。

金融だとかファンドのことは重要だが置いておくとして、デザイナーズブランドを続けるためには、まず、「売ること」と「強烈なファンを作ること」も物作りと並行してできなくてはならない。
これができないなら専門学校生と変わらない。

ファッションは作ってそれだけで「おしまい…。」ではない。
作った限りは売れなくてはならない。

それ故、専門学校では「売ること」「強烈なファンを作ること」も教えねばならないのに、それができていない。
だから「作るだけバカ」みたいな学生を量産しているのだが、そもそも専門学校の講師からして「作るだけバカ」が多いからどうしようもない。

良く調べられて描かれているこの漫画だからこそ、最終的にはそこまで踏み込んで描いてもらいたいと思う。
そうでなければ、単に「作ること賛美」のステレオタイプだし、「作るだけバカ」を増やしてしまう可能性も高い。
そのあたりを今後期待したい。

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グローバルブランドが各国で等しく支持されるわけではない

ZARAやH&M、GAPなどのグローバルSPAブランドのことになると「その良さがわからない。世界基準なのにそれがわからない」というような反応を見ることがある。

はっきり言って当方にもわからない。(笑)
正確にいうなら、わからない商品が何割か常に含まれている。

当方は別にグローバル志向でもないし、グローバルでありたいとも思っていない。

実際のところ、グローバルに展開しているブランドだからグローバルにまんべんなく受け入れられているわけではない。
例えば、デマンドワークスの齋藤さんが以前に書かれていたことがあるが、ZARAはアメリカに進出して20年になるが、それほど店舗数は増えなかった。最近では増加に転じたという報道があったが、そうなるまでに20年以上を必要とした。

一方で、H&Mはアメリカでは好調に広がった。

同じグローバルブランドがアメリカに進出してもこれほどの差が出る。
もちろん、各ブランドのビジネスモデルの組み立て方の違いもあるだろうが、それほどに各国・各地域で人間の嗜好性には差があるということである。

日本人がZARAやH&M、GAPの商品でその良さがわからないと思うのは何の不思議でもない。

低価格ブランドではないが、スペインのデシグアルというブランドがある。
日本ではどう見ても売れてない。
デザインの色柄が激しすぎるからだ。チェック柄の上に刺繍とプリントをさらに施すような過剰な柄付けを行い、そしてその色彩は常に派手である。こんな盛り盛りの服を好む日本人はかなり少ない。

あべのHOOPの2階のグリーンレーベルリラクシングの跡地にオープンしたが、すぐさま閉店になった。
客が入っているのを見たことがないほど閑散としていたから当然だろう。
ちなみにそのスペースはいまだにテナント入店がなく、空き家になったままである。

デシグアルと多少のかかわりがあるという日本人から聞いたことがあるが、本国は日本での不振が信じられないと言っているらしい。
本社の言い分としては「スペインでこれほど好調なのになぜ日本で売れないのか」というものらしいのだが、色柄のセンスが日本人に合っていないからであり、それを早く認識した方が良いのではないかと思う。

世界各国で変わらず支持されるようなブランドなんて存在しない。
ユニクロはアジアでは強いが、欧米ではイマイチだし、オールドネイビーは米国では売れたが日本からは撤退した。
そんなもんである。

先日、こんな記事も掲載された。

欧州発ファストファッション、米国で伸びない訳
ネット通販しないプライマーク、一部店舗は縮小へ

http://jp.wsj.com/articles/SB11636997194453903320304583596910111609112?mod=searchresults&page=5&pos=17

ところが近年、米国の数都市を含む欧州外に展開していくなかで、実店舗のみで販売する戦略にひび割れが生じ始めてきた。米国進出から2年、同社は米国内の8店舗中の3店舗で規模縮小を図っている。販売実績が予想を下回ったからだ。

とのことで、ヨーロッパでは人気が高く、日本未上陸のプライマークだがアメリカ進出は苦戦している。
日本人は一括りに「欧米」というが、ヨーロッパ市場とアメリカ市場は異なる。ヨーロッパでも国ごとにその市場は異なる。
ヨーロッパで人気だからアメリカでも人気になるとは必ずしも限らず、古くはZARAがそれに当てはまったし、プライマークもその一つだといえる。

だから日本人が「グローバルブランドの良さがわからない」というのも至極当然だし、日本でグローバルブランドが売れないのも別段恥ずかしいことでも日本の後進性の現れでも何でもない。売れなくても全く不思議ではない。

さて、ここではプライマークの不振の理由として、オムニチャネルをやっていないことが挙げられている。
記事ではオムニチャネルをシームレスショッピングと表現している。

店舗とネットの垣根をなくし、消費者がストレスを感じることなく買い物ができる環境を提供する「シームレスショッピング」というビジネスモデルをプライマークが受け入れていないことで、「その戦略に大きな穴が開いている」とオーストラリアのマッコーリー・グループのアナリスト、アンドレアス・インダースト氏は指摘する。

とのことで、これに対して

だがプライマークではそうせざるを得ない、とABFのベーソンCFOは反論する。
「われわれのプライスポイントでは宅配のためのコストを賄いきれない」が、売上高成長が見込めれば低価格には十分な価値があると同CFOは主張する。「販売数量はわずかではなく大幅に伸びるからだ」

と反論しているが、これを読んだときに気付かされたのは、低価格すぎるとネット通販の宅配コストが賄えないということだった。
当方は生来、不明な性質なのでこれに今まで気が付かなかったのだが、そういわれればそうだ。

ネット通販での宅配が盛んな米国と、宅配の少ないヨーロッパではやはりそこに対する嗜好が異なるということだろう。

そして、これを読んだときに、しまむらが宅配ネット通販に参入しない(できない)理由の一つも同じなのではないかと思った。
ユニクロと並んで勝ち組低価格ブランドと称されるしまむらだが、ネット受注からの店舗受け取りは新たに発表したものの、宅配には依然として参入していない。

しまむらは2000店舗あることが強みのように言われるが、2000店舗もあってユニクロよりも売上高が低いということは、1店舗あたりの売上高は相当に低いということになる。
大雑把にいうと、しまむらグループは約2000店舗で5600億円の売上高があるから、1店舗あたりの平均売上高は年間で2・8億円ということになる。もちろん平均なのでもっと売ってる店もあればもっと売ってない店もある。
一方、ユニクロは約800店舗で8000億円なので1店舗あたり10億円ということになり、しまむらグループの1店舗あたりの売上高は低い。
おまけに従業員はほとんどがアルバイト、パートでローコストオペレーションに徹している。
だからプライマークと同じ理由で宅配は賄いきれないのではないか。

それに比べると同じようなプライスラインで宅配まで行っているジーユーはすさまじいということになる。
もちろん、ファーストリテイリングという超巨大企業の資金力があったればこそなのだが。

ネット通販に対する考え・仕組みもさまざまだし、国ごと・地方ごとにも人間の嗜好性は異なる。
グローバルブランドだからどの国でも等しく売れるなんていうのは単なる幻想・幻覚に過ぎない。

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数量ベースで国産衣料品の生産比率を大幅に上昇させることは不可能

以前も書いたことがあるが、巷間に流布する「国内衣料の生産比率は3%」というのは一面で正しいが、一面では正しくない。
なぜならその「3%」は数量ベースだからだ。

金額ベースだとまだ26%くらいある。

ファクトリエやらトウキョウベースに代表される「国産派?」はこの「3%」に乗っかって、それを販促の旗印にしている。
さらにはカネなしのエシカル活動家もそれに乗っかっており「3%」が蔓延している。

3%というのはいわゆる縫製工程に関する数量ベースであり、生地作りやら染色加工などは含まれていない。

「3%しかないから保護しましょう」くらいまではまだ主張としてわからないではないが、3%という数字が独り歩きするのはあまり意味がないと当方は考えている。

「3%という数字をもっと増やそう」というような主張を見ると、これは不可能だといえる。
本当に国産縫製品を増やしたいのであれば、「金額ベースの26%をもっと高めましょう」と主張するべきである。

なぜ3%をさらに増やすことが不可能なのか。
順を追って見てみよう。

現在、国内に流通する衣料品は40億点弱といわれている。
正確には38億点ほどである。

衣料品の流通点数は20年間で2倍に増えたといわれていて、3%というのはこれに対しての3%なのである。
商品点数が増えた理由は、ユニクロやジーユーなどに代表される低価格SPAブランドの成長、ZARAやH&MなどのグローバルSPAの進出などが挙げられる。

その代わりに国内の衣料品小売市場は9兆円台にまで縮小しているので、低価格ブランドが成長したため、単価が下がって枚数が増えたということがわかる。

この状況で国産衣料品の点数を大幅に増やすことは不可能である。

なぜなら、工賃問題は置いておいて、単純に生産キャパだけを見ても、国内の縫製工場は最新鋭のアセアン工場やインド工場、中国工場に比べて著しく小さい。
その小さい工場群でユニクロやジーユーなどビッグブランドの商品生産をどれだけ請け負えるのか。
ユニクロやジーユーなどが縫製工場を海外に移したのは何も工賃だけの問題ではない。(もちろん工賃問題は大きかったが)
生産キャパが格段に国内工場は小さく、それがいくら寄り集まったところで、ユニクロの年間何十万枚という生産は請け負えない。
逆にユニクロを請け負えたとすると、他のブランドの生産を請け負えなくなる。

そして、数量ベースでの比率を上げるということは、ユニクロ的な大ロットブランドの生産を国内工場が請け負う必要があるということである。

90年代や2000年ごろの状況でも請け負えなくなっていたのに、そこから時が流れて、倒産・廃業が相次いで縫製工場の数はさらに減っているのに、ユニクロやジーユーの生産を請け負えるキャパが国内に残っているはずがない。
お分かりだろうか?

数量ベースで数字を上昇させようとすると、国内の縫製工場数自体を増やして、ビッグブランドの生産を請け負えるようにする必要があるということである。
そして、今から新たに縫製工場を多数国内に建設しようというような企業がどこにあるのだろうか。
多額の費用がかかることは言うまでもない。

工賃問題を置いておいたとしてもこういう難問がある。

カネなしエシカル活動家にこれを解決するすべがあるとは全く思わない。
そんなに資金力があるんだったら、彼らはもっと裕福な暮らしをしているはずだ。

また工賃問題を置いておいても、多くのブランドが国内縫製工場を使わずに最新鋭の海外大型工場を使うにはそれなりの理由がある。
海外工場の方が便利なことが多いからだ。

その中の1つを例示する。

例えばシャツの縫製工場があったとして、シャツ本体を縫製する工程とボタンホールを開けて周りをかがる工程はまったく別である。
国内工場だと多くの場合、縫製工場は本体の縫製をするのみで、ボタンホールはボタンホール専用工場を使わねばならない。

多くの国内工場の場合は、この2つはまったく別の経営者(早い話が他人)なので、ブランド側としては両方を手配し、両方に指示を飛ばす必要がある。さらにいえば、縫製終了後ボタンホール工場に送付することまでブランド側がやらねばならない。

一方、中国などの大規模工場だと同じ敷地内に工場が併設されている。もちろん経営者も同じだ。
そして工場には商社やOEM屋的役割を果たしてくれる窓口担当者がいて、この担当者に指示をしておけば、ボタンホールまで工場側が一貫で請け負ってくれる。

さて、あなたがブランド運営者だとしてどちらの工場を使いたいだろうか?

くどいようだが工賃の問題を置いておいてもこれほどの機能性の違いがある。

国内の工場は縫製に限らず、小規模工場による分業体制で、アジアの最新鋭大規模工場は縫製に限らず一貫体制なので、使い勝手としてはアジアの最新鋭工場の方が便利ということになる。

生地だって織布と染色加工と整理加工とサイジングはすべて国内は分業しているが、アジア工場は一貫である場合が多い。

生産キャパの小ささという問題に加えて、分業体制をまとめるという問題がある。

国内生産比率を伸ばせというなら、それは実現不可能な数量ベースの3%を基準にするのではなく、金額ベースの26%を増やすことを考えた方がまだ現実的といえる。
金額ベースなら、やみくもに価格を引き上げることはナンセンスとしても、ある程度高めの価格帯の商品に注力し、それの売れ行きが増えれば自動的に増える。金額ベースが増えればそれは「儲かっている」ということに直結しやすいから、国内縫製工場は増えないまでも減少にはブレーキをかけることが可能ではないか。

3%という数字はセンセーショナルで販促のネタとしては使いやすいが、実際の解決方法を模索した場合、実現不可能な論点だと言わざるを得ない。そういう言葉遊びや宗教的なスローガンをぶち上げたところで、百害あって一利なしだろう。

金額ベースを高めることを模索する活動に切り替えるのが、本当に国内縫製工場を「保護」することになるのではないか。

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「仕様」や「使用素材」だけでは洋服は差別化できなくなった

今日はちょっと軽めに。

1月の半ばを過ぎると、バーゲン品の売れ残りがさらに値下げされる。
投げ売り価格になる商品も多いが、バーゲンでも売れ残っている商品だからなかなか売れ辛い。
いくら安くても要らない物は要らないのである。

とはいえ、根っからの貧乏人である当方としては、そういう投げ売り品の中から「使えそうな物」を発掘するのが趣味であり、だいたい夏冬のこの時期に破格値の商品を購入する。

バーゲンの売れ残りは鮮度が落ちているから、買うべきではない。
着る期間が短いから買うべきではない。
新商品はそれだけ鮮度があっておしゃれに見えやすいから定価でも買うべき。

だいたい、衣料品好きとかファッション好きからはこういう指南があるが、実は当方はそれは半分くらいは本当だけど、半分くらいは嘘だと思っている。嘘は言い過ぎなので、聞く必要がないと思っている。

今の時期なら、春先にも使えそうな生地の薄さの商品も投げ売りされている(多分、秋物)し、新商品だからといって必ずしも似合う色柄・デザインでもない。
極端な話、「黒無地でベーシックな形(丸首かVネックでビッグシルエットでも異様なタイトシルエットでもない)の綿セーター」が投げ売られていたとしたら、これは別に来年も再来年も着られる。
投げ売り価格で買えば良いのである。と当方は思う。

まあ、そんなわけでいろいろと物色しているが、今年1月の店頭でいうなら、ユニクロが圧倒的だと思う。
あとはアダストリアのネット通販か。ここはタイムセールだとか期間限定でのさらに値引きだとかそういうことをネットで良くやっている。こまめにチェックすれば格安品が手に入る。

買うつもりがなかったのに買ってしまったものとしては、ユニクロUの2017秋冬物のウールブレンドチェスターコートが挙げられる。
定価12990円が7000円引きの5990円に値下がりしていたので思わず買ってしまった。
7990円くらいの値下がりだったら絶対に買ってなかった。

表地の素材組成はウール55%・ポリエステル45%で、裏地組成は胴がポリエステル65%・綿35%で袖はポリエステル100%である。ただし総裏ではない。

以前にも書いたように、このコートはウール混とはいえ、よくあるウールコートのように「ホワっ」とした暖かさはない。
むしろ学生服や公共交通機関の制服っぽいツルっとした肌触りで、強度はあるのだろうが、真冬には寒い。
またこれは完全なる推測でしかないが、このウールは強撚糸使いなのではないかとも思う。だからこそ余計にツルっとしているのではないか。

こういう商品なのでよほど安くない限りは買わないつもりだった。
真冬に着用は難しいので、着るとするなら春先と晩秋くらいだろうか。
インナーにダウンを着こめば真冬に着用できるだろうか。総裏ではないし。
そういう具合である。

売れ残っていたアーモンド色みたいな茶色を買って着用してみると、書いてある通りに今のトレンドのビッグシルエットである。
50歳手前のオッサンが着ると、25年前のコートを引っ張りだしてきたと思われないだろうかとヒヤヒヤした。

筆者着用
10年くらい前に2900円くらいに値下がりしたGAPのスタンドカラー厚手カーディガンと、3年前に1990円に値下がりしたユニクロのニットジョガーパンツ、3990円に値下がりしたリーボックフューリーライト

 

 

背中には切れ込みがない。ノーベントである。
センターベントやサイドベンツに比べてフォーマル感があるというノーベントだが、着用してみると、着心地はいまいちである。
ビッグシルエットなので、窮屈感は全くないが、前ボタンを留めると、ロング丈なので裾が足に絡みつく。
まるで静電気でスカートが足にまとわりついているみたいでなんだか気色悪い。
これはセンターベントにして生地が動くようにすべきだったのではないかと思う。

必然的に前を開けたままで着るが、前を開けたままだと風が強い日などは寒い。やっぱり真冬には適さない。

で、買ってみて気が付いたのだが、袖が変わっている。
袖の前は普通の袖(セットインスリーブ)だが、袖の後ろはラグランスリーブになっている。

セットインスリーブになった袖の前部分

 

ラグランスリーブになった袖の後ろ部分

吊るした感じ

 

下げ札にも「ハーフラグラン」と書かれているが、下げ札に書かれていることは気が付かなかった。

下げ札にはハーフラグランと書かれているが、スプリットラグランとも呼ぶらしい。

古くはアクアスキュータムのトレンチコートなんかには使われていたとネットでは表示されている。
当方が好むような低価格ブランドではあまり使われていない。
縫製やパターンについて詳しくない当方が素直に考えても通常のセットインスリーブやラグランスリーブよりは縫製がめんどくさいだろうなと思う。だから低価格ブランドではあまり使われないのではないか。

前と後ろで形が違うから縫うのはめんどくさいだろうなと素人的には感じる。

こちらに詳しい。

https://note.mu/hagy_e/n/ncd1317aa4ff0

プロのパタンナーからしてけっこうめんどくさいらしい。
効能としては、いろいろな方からツイッターでご教授いただいたのだが、「腕が動かしやすい」とか「脇下にマチがあるので運動量をカバーできる」とか、そういうことがあるらしい。

しかし、このブログで書かれているように、オーバーサイズのコートにそういう工夫が必要だろうかと疑問を感じる。

もっとタイトなシルエットならそういう工夫は必要だったかもしれないが、ゆとりのあるオーバーサイズならスプリットラグランなんてめんどくさい仕様にする必要はなかったのではないかと思う。
マチなんて取らなくても十分楽に動けるのだから。

それはさておき。

ユニクロが13000円のコートでこういう「凝った」ディテールを使用するなら、最早、縫製仕様やディテールでの差別化は不可能になっているということだ。
「チェーンステッチだから云々」とか「〇〇仕立ての縫製仕様だから云々」というのがこれまで長く、衣料品の差別化の理由になってきた。

けれど、ユニクロが13000円のコートでこれほど「凝った」仕様をするなら、「仕様」だけを理由に差別化・高価格化することは事実上不可能だということである。
単に「仕様だけ」を主張するなら、「ユニクロは13000円で発売している」と反論(この反論がすべて正しくはないが)されてしまうからだ。

仕様や素材、スペックだけではない「価値の創出」がアパレルブランドには求められているということになる。
それができないアパレルブランドは消え去ることになる。

オンライン上では完売で、一部店舗に残っているくらいだが、もし見つけたなら5990円に値下がりしたこのコートは絶対に買いである。
春先、おそらく4月上旬くらいまで着られるはずで、また今年の晩秋から初冬にも着られるだろう。

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日本の消費者は取捨選択する。取捨選択できないのはメディア業界人とファッション業界人だ

衣料品ビジネスにおける考え方はある程度賛同することが多い株式会社せーのの石川涼氏だが、政治や経済における思想は左寄りだと感じられるのでまったく評価しない。

先日、「#FR2」ブランドについてのインタビュー記事もなるほどと思わされるところも多かったが、結末の

「日本人はほとんど自分で取捨選択ができていない。誰かが評価していたり、世界で評価されて初めて”自分も欲しい”という状況になっている。だから世界にウケれば、日本人も買う」。

https://www.fashionsnap.com/article/ishikawaryo-fr2/

という箇所には疑問しか感じなかった。
衣料品ブランドだけでいえば、世界で評価されていて鳴り物入りで上陸したものの、撤退する外資ブランドが数多くあり、業績が低迷している外資ブランドも数多くあるからだ。日本の消費者はそれなりに取捨選択しているといえる。

取捨選択できていないのは、日本のメディア業界人とファッション業界人であり、その選択のできなさは一般消費者よりはるかに劣る。

外国物なら何でもありがたがっているのはその2つの業界人だけのことに過ぎない。

先日、こんな本をたまたま見つけた。

産経新聞社から発行された「ファストファッション戦争」で、巻末の発行日を見ると平成21年12月24日になっている。
今は平成30年だが年始ということを考えると、丸8年前に発行された本で、2009年末までの当時の最新情報をもとに考察されているのだが、この考察は外れまくっている。

たった8年間でこうまで予言を外すのは、浜矩子か藤巻健史並みといえる。

このページにも書かれているように05年頃から続々とグローバルファストファッションブランドが日本に本格上陸してきた。

書かれている通りに引用する。

05年アメリカンアパレル
06年トップショップ
08年H&M
09年フォーエバー21とキットソン

そして、この本では「大本命」として09年12月に銀座店をオープンした「アバクロ」を挙げている。

09年12月のアバクロ銀座店のオープン時にはそれこそ「取捨選択できない」メディア業界人のアホみたいな提灯記事が多数の媒体に掲載されていた。
「大ヒット間違いなし」だとか「国内市場を席捲するだろう」とか美辞麗句のオンパレードで、もちろんこの本もその一つといえる。

しかし、結果はどうか?
アバクロは銀座店以外は福岡店以外に出店できず、国内市場ではまったく存在感がなく、あまりの不振ぶりに何度も日本撤退のうわさが流れている。
アメリカで流行っているから(当時)、日本でも絶対に流行ると太鼓判を押したのはメディア業界人とファッション業界人だけであり、消費者は一度か二度行ってみて、行かなくなったのである。
メディア業界人・ファッション業界人と一般消費者のどちらが「取捨選択」できているだろうか。一目瞭然ではないか。

おまけにアバクロは米国本国でも不振を極めている。

ちなみにこの本に挙げられているブランドがどうなったかというと、H&Mとフォーエバー21以外はすべて日本から撤退した。
アメリカンアパレルとキットソンは米国本国ですらブランドが消滅している。

そして、フォーエバー21も日本では店舗数を拡大できず存在感をなくしており、今後撤退することも十分にありえる。

ある程度堅調なのはここで挙がっている中ではH&Mだけである。
そのH&Mも小島健輔さんによると売上高の伸び率が鈍化しており陰りがみられるという。
この陰りはそれこそ「取捨選択できない」ファッション業界人がほめたたえるZARAも同じで、小島さんによると伸び率は鈍化しているという。

結局、「世界で売れている」と言っても、ローカライズができていない・ローカライズが下手くそなブランドは、日本の消費者によって「取捨選択」されてしまうのである。
ローカライズができない・下手くそなブランドの代表はアバクロだろう。

グローバルブランドのZARAとGAPはどうしてこのページに登場しないのかというと、この2ブランドが日本に上陸したのはもっと前だからだ。

GAPは90年代後半に上陸しており、上陸後20年が経過しており、それなりのファンを獲得した。
しかし、「アメリカで売れている」という触れ込みだったオールドネイビーは不振でわずか数年で撤退している。
GAP自体も日本ではあまり好調ではなく、買い上げ客数が半減しているという噂もあり、GAPの代名詞にもなっていた「投げ売り値引き」をやめると宣言しているが、これは失敗に終わるのではないかと見ている。

オールドネイビーなんて日本人が「取捨選択」した見本ではないか。

ZARAの上陸も2000年頃のことである。
東京のどこに1号店をオープンさせたのかはしらないが、関西だと今は亡き心斎橋ビブレに3フロアぶち抜きで入店していた。
マイカル破綻後で先行きが不透明だった心斎橋ビブレに入店してきたときにはそれなりに話題となったが、あまり売れ行きは芳しくなかった。なぜかというと、しょっちゅう投げ売りセールをやっていたからだ。
当時のZARAは今のような「コレクションブランドのコピー」ではなく、イタリアモード系のブランドで、とくにメンズはイタリアンモードっぽいシンプルなスーツやドレスシャツが並んでいて、それが毎シーズン、大量に売れ残っており、シャツは1枚1000円くらいに値下げされていた。
当然、安物好きな当方としてはその1000円シャツを何枚か買っていた。

黒無地・紫無地・ワインレッド無地などのカラーシャツであり、一歩間違えるとVシネマのチンピラになるような商品だった。

このころのZARAは独資ではなく、先ごろ三井物産による買収が発表されたビギとの合弁だった。
いつ、ビギとの合弁を解消したのかはちょっとわからない。ご存知の方が居られたらお教えいただきたい。

2005年以降に鳴り物入りで上陸してきたグローバルブランドを見ても、そのほとんどが日本から撤退しており、もちろんトップショップのように運営会社の不手際というケースもあるが、「世界で売れているから日本でも売れる」という構図にはならず、日本の消費者は確実に「取捨選択」しているといえる。「世界で売れたらなんでも日本で売れる」と言い放つ石川涼氏こそ「取捨選択できていない」のではないかとさえ思う。

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新規顧客獲得の手法を誤ることが多いファッション業界

11月に発表されて以来、一部の有名人以外には、ゾゾスーツが手元に届いたという話は聞かない。
もう1月も下旬に差し掛かろうとしているが、一向に配送がアナウンスされる気配もない。

当方はゾゾで一度も買ったことがなく、これからもよほどの安売りでもしない限り買う気がない。
さらにいえば体型データを提供する気もないのでゾゾスーツを申し込んでいない。

しかし、これだけ音無しの構えを続けられると、どうでも良くなってきていて、あの狂騒曲ともいうべき過剰反応は何だったんだろうと笑えて来る。
実際には存在しない物に対していい年をしたオッサンやオバハンが泣いたり喚いたりしていたんだから、お笑い種だ。

そんなコントはさておき。

ゾゾスーツが無料で配布されるというやり方は、オッサンである当方からすると2000年頃のYahoo!BBのやり方を連想した。
恐らく、同じ連想をしたオッサン世代の人も多いのではないかと思う。

当時のYahoo!BBはモデムは店頭で無料配布していた。
Yahoo!BBとプロバイダー契約をするとモデムが無料でもらえるのである。
ただし、プロバイダー契約料は発生するから何から何までタダというわけにはいかない。

現在、Yahoo!BBとプロバイダー契約をしている人はあまり見かけないが、あの当時はこれによって一気に契約者が増えた。
また、これによってブロードバンドを使用する人も増えたといえる。

無料で配ることによって一気に使用者を増やして業界標準を狙うというやり方で、気を付けて見ていると、同じやり方を採る企業やブランドはほかにも多くある。

これは一種のCPA (Cost per Acquisition) といえる。

ゾゾスーツもこのCPA (Cost per Acquisition) であり、ヨドバシカメラドットコムの100円の商品でも送料無料というのも同じである。

そして、これを上手く活用できる企業やブランドがある反面、失敗に終わる企業やブランドもある。
衣料品・ファッション業界は失敗に終わる企業が多いように感じる。

さて、CPAについては河合拓さんのブログで解説されているのでご紹介する。

https://ameblo.jp/takukawai/entry-12340008298.html



CPAという考え方があります。分子は広告宣伝費の総額、分母はその広告によって購買した(新規の)顧客数となります。

CPAというと、一般論しか書かれていない教科書には「広告によって」としか書かれていませんから、ダメコンサルは「SNSだ」とか「インフルエンサーだ」など、適当なことをいっていますが、しかし、そんなものでCPA効率が上がるはずありません。CPAの本来の意味は「顧客をデータベースの中に放り込むこと」です。その目的のためなら別に広告でなくともよいのです。ぜひCPAをググってみてください。どれをみても「広告」としか書かれていません。全くおかしな話です。

 

しかし、本来的な意味合いを追いかければ、「出血大サービス」に見える施策も、実は、ネットビジネスの場合、顧客をストックしているCPAであるという見方も可能です。環境が変わっても本質は変わらないからです。

ネットビジネスは、勝利の方程式がまだまだ一般化されておらず、こうした技を駆使した企業が、気づかない企業に大きな差を付けているのかもしれません。広告公害の中で目立つ方法は、ビジネスそのものをあたかも広告のように使うこと、なのです。

とのことであり、通常のビジネス書籍にはCPAとは広告によってと書いてあるから、多くの日本企業は馬鹿正直に広告によって新規顧客を獲得しようとするが、別に広告でなくても良いのである。
ゾゾスーツの無料配布だろうがモデムの無料配布だろうがなんでも良いので、投資によって新規顧客を獲得できれば良く、ゾゾやYahoo!などのネットビジネス、EC業者にとっては新規顧客(見込みも含む)の個人情報が手に入ればそれで目的は完了する。

別にゾゾやYahoo!に限らず、ネットでは「アンケートに答えてくれたら〇〇ポイントプレゼント」とか「アンケートに答えてくれたら豪華賞品をプレゼント」なんていうのが掃いて捨てるほどあるが、あれは全部CPAの一環で、新規の個人情報が入手できれば良いのである。
アンケートに答える人は自分の個人情報と引き換えに〇〇ポイントをゲットしているだけのことで、たかが1ポイントや5ポイントを獲得するために個人情報を開示しているといえる。

この原理を理解していないヘボコンサルやヘボ業者が、いまだに「SEO対策をー」とか寝言を言っているし、その解決方法として「SNSガー」とか「インフルエンサーがー」と言って人心を惑わせている。

SNSもインフルエンサーも告知する「手段(たかが手段でしかない)」でしかないのに、最近では取り違えてSNSで発信することやインフルエンサーを活用することが「目的」と化している人も多く見受ける。

そして、このCPAを正しく理解できていなかった過去の例を挙げるとすると、ジーンズメイトとモーブッサンだろう。
ジーンズメイトは2009年とか2010年頃に、新店オープンした際に「リーバイスジーンズを先着〇名に無料配布」したことがあった。
3900円に値下がりした商品ではなく、1万円前後の定価品である。

これはCPAを曲解した行為といえ、結果は現在のジーンズメイトを見てもわかるように失敗に終わっている。

まず最大の間違いは、自社製品ではなく、リーバイスという他社製品を配布した点にある。
自社製品を配布するなら、「この商品が欲しいからジーンズメイトに次も行こう」ということになるが、「リーバイス」という大手ブランドの商品なのでそれが欲しければ、ジーンズメイトだけに行く必要はなく、ライトオンでもリーバイスストアでもマックハウスでも構わないということになる。
この根本的な問題が当時のジーンズメイトの経営者にはまるで見えていなかったといえる。

この当時もそこを指摘したがジーンズ業界村の住人たちはジーンズメイトを弁護していたが、そんなレベルだからジーンズ業界村は衰退したといえる。

高級宝飾ブランドのモーブッサンも銀座店オープンの時に超小粒のダイヤ(記憶によると5000円相当)を配布した。これも2009年とか2010年だったような記憶があり、すさまじい行列ができてワイドショーでも取り上げられていた。

結果的にはこれも失敗だったのではないか。

本来は自店の永続的顧客と成りうる高所得者層を掘り起こしたかったのだと思うが、結果的には大量の貧民層を掘り起こしただけになってしまった。
高所得者層はそもそも無料配布なんていうものには並ばない。

おまけにもらえるのはダイヤの粒だけで、これをアクセサリーにしようとするとどこかで台座(指輪、イヤリング、ピアスなどの)に取り付けてもらわないならない。
もちろんモーブッサンでも取り付けてもらえるが、取り付けには「取り付け料金」が発生し、そしてそれはそんなに安い金額ではない。
モーブッサンの狙いはここにもあったのだろうが、行列を作った貧民層はそこには金を払いたがらない。
だからモーブッサンは二重に失敗している。

どういう投資をすれば、自社の望む新規顧客を獲得できるのかを企業は考える必要があり、意味のない無料配布をしてもそれはCPAにはならない。このことを冷静に考えるべきだろう。
そして、SNSもインフルエンサーも新規顧客を獲得するための「手段」に過ぎず、発信することやインフルエンサーを活用することを「目的」だと勘違いしてはならないということである。勘違いをすればヘボコンサルの食い物にされるだけだ。

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GAPは大幅値下げをやめる前に、高すぎる定価設定を見直すべき

国内外の市場にはさまざまなブランドがひしめきあっているが、迷走していると感じるのがGAPである。
廉価版のオールドネイビーがすでに日本から撤退したが、GAP本体もけっして好調とはいえなさそうで、一説には客数が半減しているともいわれる。

バナナリパブリックも日本では店舗数を減らすと発表があった。

米国本国でもGAPは苦戦しているといわれるが、廉価版のオールドネイビーは好調なのだそうだ。
日本では「衣料品のデフレがー」といわれるが、低価格品が好まれるのは日本だけでなく、米国でも同じで、GAPは不振だがオールドネイビーは好調、アバクロは不振だがホリスターは好調といわれ、米国でも低価格ブランドが好まれることがわかる。

人間だれだって似たような商品なら安い方で買いたい。
それだけのことで、日本人が格段に安物好きで欧米人が金払いが良いわけではない。

日本国内のGAPもそろそろ危険水位に達しつつあるようで、先日、GAPの代名詞ともいうべき「大幅値下げ」をやめるという新方針記事が掲載された。

大規模セール「回数を減らす」 ギャップジャパン社長
https://www.asahi.com/articles/ASL1D5SFWL1DULFA01V.html



米カジュアル衣料大手ギャップの日本法人ギャップジャパンは12日、主力ブランド「GAP」の価格戦略の見直しを進めていることを明らかにした。大幅に値下げするセールの回数を減らし、定価に近い価格での販売を増やす。スティーブン・セア社長がインタビューで答えた。

とのことであり、具体的には

16年11月にギャップジャパン社長に就任したセア氏は「低価格による販売促進に頼り、商品の魅力を伝えていなかった」として、夏冬の定期セールを除き値下げの回数削減を進めていることを明らかにした。その代わり会員向けサービスを充実。これまでの常時5%割引に加え、昨年4月から月初の1週間を1割引きにするなど、顧客のつなぎとめを図っている。

ということだが、この試みは恐らく失敗に終わるだろう。
99%成功しないと思う。

まず、オールドネイビーとGAPは日本国内では住み分けができていなかった。
バナリパはテイストが違うので存在理由がある。
しかし、オールドネイビーとGAPはブランドのテイストがアメカジで同じなのである。
バナリパはもっとトラッド寄り・ビジカジ寄りだ。

本来なら、オールドネイビーはテイストが同じGAPの廉価版として日本市場でも効力を発揮するはずだった。
あくまでも本来なら。

しかし、日本におけるGAPとは定価設定は高めだが実質的な販売価格はユニクロと同等かそれ未満の超安売りブランドなのである。
実際に当方も相当GAPの投げ売り品を買った。

580円に値下げされた裏毛スエットパーカとか300円~600円に値下げされたウールニットのマフラーだとか、1600円に値下げされたデニムシャツだとか2900円に値下げされたコーンデニムのジーンズだとか枚挙にいとまがない。

ここまで投げ売られているのに、それの廉価版ブランドなんて必要だろうか?

しかもテイストはほとんど同じである。
もちろん異なるデザインの商品もあるが、全体的な見え方としては同じテイストであり、下手をするとオールドネイビーの方がGAPの投げ売り品より高いのである。だからオールドネイビーは売れなかった。売れなくて当たり前であり、この状況で「売れる」と考えていた方がおかしい。

国内市場ではGAPの投げ売り品があればオールドネイビーは不要だった。

ちょうどユニクロの廉価版に過ぎなかったころのジーユーがまったく売れなかったのと同じだといえる。
ユニクロと似たような商品ならユニクロの投げ売り品を買えば良いのである。
ユニクロだってTシャツ500円とかセーター990円にまで値下げされる。しかも使用素材や縫製はジーユーより格段に上だ。
だったらチープな作りのジーユー商品を定価で買うよりも、高品質なユニクロの投げ売り品を買った方が良いに決まっている。

GAPが日本に上陸して20年くらいになるが、一貫してGAPは高めの定価設定を見せながら、ユニクロを時に下回るほどの投げ売りを行い続けてきた。
今更、大幅値下げをやめたところで20年間の蓄積されたイメージは容易に覆らない。
イメージを覆すには、同じく20年間とはいわないまでも相当長い時間が必要になる。果たして目先の利益追求が激しいアメリカ企業が根気よく、長期間にわたる取り組みを続けられるだろうか。
極めて疑問である。

それにこのジャパン社の社長の施策はGAPの根本的な問題を直視していない。
GAPの問題は大幅な投げ売りにもあるが、それ以上に日本市場において定価設定が高すぎるのである。
だから定価では売れない。

もちろん、ビジネスの基本はいかに高値で売るかということだから、売れる手法を持っているならいくらでも高値に設定すれば良いのである。
しかし、その手法を持っていない、少なくともこの20年間一度も効果的に発揮できていないのであれば、高すぎる定価設定を見直すべきだろう。

消費者にとっては高値で買う魅力がない商品なのだから、値引きをせずに売ろうとするなら、定価設定を下げるのがもっとも賢明である。

今までの売り方・売り場づくり・商品作りを継続したままで、大幅値下げをやめるとどうなるだろうか。
おそらく在庫過多になり、さらに収益性は悪化するだろう。

売り方・売り場づくり・商品作りを変えないままで、いくら価格政策をいじったところで意味はない。
そんなものは、値段を3割下げたら売れると思っているシップスジェットブルーと同じ愚策にすぎない。

さらにいえば、定価設定が高すぎるままで常時5%オフとか月初の1週間を1割引きにしたところで焼け石に水だ。
12000円の商品が、10800円になったからといってどれほど多くの人が「お買い得だ」なんて思うだろう。

今回の施策によってGAPはさらに在庫過多となり、混迷を極めることになるのではないか。

苦闘する米ファッションブランド、9社は「瀕死」の状況か
https://forbesjapan.com/articles/detail/19365

この記事でも触れられているように米国本国ではGAPは瀕死9ブランドのうちの1つに挙げられている。
それほどにGAPは日米ともに危険水域に達しつつあり、日本では今回の価格政策は失敗してしまい、ジャパン社の終わりの始まりになるのではないかと見ている。
GOOD LUCK!(キュウレンジャー風に)

NOTEを更新~♪
値段を3割下げてもシップスは復活しない
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n529899609bdc

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