月別: 12月 2017

庶民向け商品での「本物追求」が販売不振を招く

冷たい雨が降ったりやんだりしていた金曜日。

いつものスニーカーのSTEPを覗いた。
スポーツブランドのスニーカー類はここが現在は業界最安値ではないかと思う。
ABCマートは一昨年くらいから露骨に値上げしており、いまだにABCマートが売れている理由がわからない。
同じ品物ならスニーカーのSTEPの方が断然に安い。
もしくはYahoo!ショッピングで探すか。

そこにはベージュのリーボックのクラッシックタイプのスニーカーが3990円に値下げされて並べられていた。

これはなかなかいいな、と思って見ていたら、販売員が声をかけてきた。

「これ本革なんですよ。ほかにも黒とか紺もあるんですがそちらは合皮なんです。お買い得ですよ」。

たしかにお買い得である。
本革でしかもデザインも悪くない。3990円なら破格値だ。

一口にベージュといってもいろんな色がある。

例えていうなら、エンダースキーマみたいな感じだ。

エンダースキーマのスニーカー
http://www.arknets.co.jp/category/ABC_1041/A3_MIP_06.html

値段と材質を聞いて俄然、購買意欲が頭をもたげてきた。
当方の購買意欲は値段で大きく左右される。

どんなに「良い物」でも1万円を越えるものには購買意欲はわかない。
5000円以下に値下げされると購買意欲がわく。

だから6万円もするエンダースキーマはどんなに力説されようともちっとも買おうとは思わない。

どうしよう、買おうと思えば買えるが・・・・。

しばらく逡巡していたが、ふと「本革」という部分に引っかった。
ちょうど雨がシトシトと降っていた。

黒とか濃い茶なら水に濡れても乾かしてクリームを塗れば大丈夫だが、ベージュだと乾かしても染みが残る。
そういうときは全体を水に漬けてから乾かせばある程度解消されるのだが、黒とか濃い茶の本革に比べてメンテナンスがめんどくさい。
おまけに汚れも見えやすい。
白とかベージュなどの淡色は汚れと水の染みに弱い。

灰色の空から落ちてくる雨を見ながらそんなことを考えていた。

よし、心残りではあるが、めんどくさがりの当方としては買わないでおこう。
そう結論付けてスニーカーのSTEPを後にした。
販売員さんごめんなさい。

で、歩きながら内心で疑問が次々にわいてきた。

なぜ、リーボックはベージュだけ本革にしたのだろう?
黒や紺と同じように合皮にすべきだったのではないか?
ベージュだけ本革で作ったから売れ残ってSTEPでたたき売られているのではないか?
だとしたらリーボックの商品計画は失敗ではないか?

などなど。

繊維・アパレル・ファッション業界にはいまだに「本物信仰」が根強く残っている。
「本物は良い」「本物は評価してもらえる」「本物は売れる」と。
だが果たしてそれは本当だろうか?

現に「本物の革」のベージュのリーボックは売れ残って3990円でたたき売られているではないか。

もちろん、本物を評価する客層は存在する。
それは富裕層に限られているといえる。
富裕層向けの商品なら、ある程度「本物」を追求してもそれなりの値段で売れるだろう。

しかし、リーボックのスニーカーのような、低価格品ではないが大衆向け商品で「本物」にこだわることは却って営業不振の原因にもなりかねないのではないか。

大衆向けにはイージーケア性・イージーメンテナンス性が大前提として求められるのではないか。
同じベージュのスニーカーでも合皮なら間違いなく買っていた。
もしかしたら合皮なら値下げされずとも売れていたかもしれない。

話は少し逸れるが、11月29日から12月4日まで阪急百貨店うめだ本店10階で恒例の生地販売会「テキスタイル・マルシェ」を開催した。
さまざまな種類の生地があるので、当然、通常の洗濯には適さない生地もある。
しかし、「洗濯機でザブザブ洗えないと嫌」と言って、購入しないお客は予想以上に多かった。

百貨店とはいえ、大阪の百貨店は阪急に限らず天神橋筋商店街で値切ってるような富裕層でない客も多く来るから、いわゆる庶民がほとんどで、この庶民はイージーケア性や洗濯性をことのほか重視する。
いくら風合いが良かろうと手間暇かけて製造加工しようと、そんなところに価値は見出さない。

まず第1はイージーケア性で、風合いの良さやモノづくりへのこだわりはその次の価値である。

そういえば、先日、こんなお客もいた。
「最近、ウールのセーターの暖かさを再認識した。でも最近はあまりウールのセーターが売られていなくなった。どうしてですか?」と尋ねたお客がいた。

マジレスすると、

1、ウールの値段が高くなって低価格ブランドではコストが合わなくなった
2、ウールは洗濯や保管の手間がめんどくさくて避けられるようになった

理由はこの二つである。
もちろん、それを説明したところ納得してお買い上げいただいた。

「本物」のウールよりもお手軽なアクリルセーターの方が庶民には好まれやすい。
アクリルセーターは洗濯も保管も楽ちんで、虫に食われて穴が開くこともない。

こうして見ると、大衆向けの低価格~中価格帯を企画製造販売している企業が「本物の良さ」なんてことを追求するのは営業方針としておかしいということになる。

もちろん「本物」を知ることは大事だし、それは否定しない。
しかし、それは富裕層向け商品で追求すれば良いのであって、庶民向けの商品でそれを追求することは、単に販売不振を招くだけで何の利益もない。

国内の繊維・アパレル・小売り企業が低迷する理由はさまざまあるが、この「本物信仰」が自社の客層と適合していないというのも一つの理由ではないか。本物を追求したければ富裕層向けの商品を開発してはどうか。
庶民は過剰な本物なんて求めておらず、それよりもイージーケア性・機能性を求めている。
そんな客層に本物を売るのは至難の業だし、売れたところで無用なクレームを引き起こすだけではないか。

本物が売りたければ富裕層向けの商品を開発すべきで、庶民向け商品で「本物」を追求する必要はまるでない。

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素材にすらトレンドは存在する。若者に好まれる80年代調デニム生地

初心者向けファッション指南業者の間ではなぜかトレンド不要論がまかり通っているが、以前のブログで書いたように裾丈の長さすらトレンドに左右される。
ズボンや上着の太さも同様だ。
だいたい10年~20年くらいでトレンドが変化する。もっとわかりやすく言うと、大衆の好むポイントが変化する。

変化しなかったら欧米人は古代ローマ帝国時代から服装が変化しないということになるし、日本人は縄文時代から変化していないということになる。

また、好まれる素材もトレンドによって変化する。
トレンド不要論者はこの部分も無視している。

先日から2つのブランドの展示会と店舗内覧会に行った。

ワンオーとガービッジというブランドだ。
ワンオーはいくつかファッション系のメディアで取り上げられているから見た人も多いだろう。

ガービッジのリメイクジーンズ

ワンオーのリメイク商品

ガービッジは小松昇平氏というベテランデザイナーが再スタートで始めたブランドである。

両方とも、どカジュアルで、リメイク商品を目玉としている。
とくにジーンズのリメイクを一押ししている。

正直にいうと、リメイクジーンズの良さは当方にはさっぱりわからない。
破れた箇所を縫い合わせたり、裏布を当てて継ぎ当てたりすることは理解できる。
いわゆる、リペア加工ジーンズと同じだからだ。

しかし、そこに派手なワッペンを貼ったり、目立つ刺繍を入れたりすることは理解ができないし、それを着用したいとも思わない。

disっているのではない。自分の好みではないと言っているのである。

当方なら着用しないし、買わないが、この2つのブランドはいずれも大手有名セレクトショップへの卸売りが決定しているという。
こんなものをあの店に置くのかと驚くのだが、大手セレクトショップの連中はそういう目端だけは効くから、この手の商品が仲間内では盛り上がっているのだろうし、そういうものを好む雰囲気が上得意客の間には広がっているのだろう。
これこそ、まさに「トレンド」である。

新ブランド「ガービッジ」は古着のリーバイス501を仕入れてリメイクすることに現時点では特化している。
ワンオーも古着をリメイクしている。もっともこちらはジーンズに限らず、さまざまなウェアをリメイクしている。

微妙な差異はあるのだが、共通しているのはリメイクに使用する古着ジーンズは、いずれもジーンズマニアが喜ぶような「タテ落ち・凸凹表面感」のデニム生地で作られているのではないというところだ。

80年代~90年代前半の空紡糸デニム生地で作られた古着のリーバイス

ビンテージジーンズブームの後で作られたタテ落ちデニム生地を使ったジーンズ

80年代後半から90年代前半の、のっぺりと凹凸感のない空紡糸デニム生地で作られたジーンズを使用している。

ジーンズ業界の人にとっては基本知識だろうが、そうではない人のために少し空紡糸について書いてみる。
めんどくさい人は読み飛ばしてもらいたい。

空紡糸はオープンエンド糸とも呼ばれ、空気の流れによって原綿を糸に紡ぐ技術である。
空紡糸で織ったり編まれたりした生地は、カサカサしたドライな手触りと、見た目の厚さよりも軽いという特徴がある。
空紡糸との反対はリング糸と呼ばれ、こちらは空紡糸の生地に比べると、ややしっとりとした手触りがあり重量感もある。

空紡糸はその製造工程によって空気を含むので見た目の厚さよりも軽くなる。
また、繊維の長さの違う原綿をそのまま糸にするので、不均一な肌触りとなる。

逆にリング糸は原綿の繊維の長さをそろえて紡績する。

この空紡糸は製造コストが安くて大量生産に適しているから、安くて大量生産大好き国家のアメリカでは非常に喜ばれた。
80年代~90年代前半のアメリカではこの空紡糸の生地が本当によく使われた。
ジーンズしかりTシャツしかりである。

一方、世界的なジーンズのトレンドは、96年くらいに日本で生まれたビンテージジーンズブームによって、80年代以前の「タテ落ち・凹凸感のあるデニム」が好まれるようになった。
現在のマスはこちらになった。
一説には日本のデニム生地工場が世界的に評価されたのは、世界でもいち早く、このビンテージ風デニム生地を再現できたことによるものだといわれている。

さてガービッジが80年代~90年代前半の空紡糸リーバイス501のみをリメイクに使用する理由は2つ考えられる。

1、80年代以前のリーバイス古着は、かつてのビンテージジーンズブームでほとんど買いつくされ、今では手に入らなくなったから
2、空紡糸使いのデニム生地が今のトレンドだから

この2つである。

1の理由はいかんともしがたい。
ないものはない。

問題は2である。
当方も含めた40代以上のオッサン・オバハンにとってのデニム生地とは、ビンテージ風デニム生地で、その価値は不変だと思っている。

しかし、10代後半から20代の若者にとっての注目ジーンズとは、あの安物臭い80年代~90年代前半の空紡糸デニム生地を使ったジーンズなのである。

当方が、月に何度か講義するファッション専門学校の学生は、今わざわざジーンズを買うとしたら、あの80年代風デニム生地を使ったジーンズや80年代の古着を買っている。彼らの間ではあれが「かっこいい」のである。
どう見ても30年前に見た地元の中学生とか高校生にしか見えないのだが、それが良いらしい。

これが「トレンドの変化」である。
変化した理由はいろいろあるだろう。
もしかすると単純にオッサン・オバハンが穿いているから、タテ落ちデニム生地のジーンズは「オッサン・オバハン専用アイテム」に見えるだけなのかもしれない。
しかし、このようにして素材ですら、「トレンド」が変化する。
これを無視してトレンド不要論をぶち上げるのはいかがなものか?
それは単なるポジショントークではないのか。

良心的に指南するなら、「10年~20年ぐらいでトレンドは絶対に変化するからその都度ある程度アジャストすべきだ」と説くことではないのかと思う。

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三越伊勢丹とルミネの「セール後ろ倒し」が失敗したのは当然

三越伊勢丹が来年1月の冬バーゲンは、他の商業施設に歩調を合わせて1月4日からにするということで、適切な判断だといえる。

大西洋・前社長が「セール後ろ倒し」を言い始めたが、個人的にこれは最大の失策だったと思っている。
「定価販売できる時期を長く」という気持ちと狙いはわからないではないが、時流にあまりにも逆行しすぎていた。
逆行していてもその意見が業界のスタンダードになることもあるが、セール後ろ倒し派はそのスタンダード化にも失敗して、敗退してしまったといえる。

三越伊勢丹、「冬セール」6年ぶり前倒しの衝撃
今冬は1月4日、同業他社と歩調合わせる
http://toyokeizai.net/articles/-/200578

一体何が衝撃なのかよくわからない。

大西・前社長に同調したルミネが昨年からセール開始時期を元に戻しているのには呆れ果てた。
相変わらず、ルミネは口先だけの綺麗事ばかりである。

ただそのルミネも、冬のセールに関しては昨年から通常時期に戻している。

ルミネは常に上っ面の綺麗事しか言っていない。

ところで、今年は昨年よりもインターネット通販を積極的に利用してみた。
昨年までは、ほぼガンダムのプラモデルとパソコン回りの備品をインターネット通販で買うのみだったが、今年は服や靴も買ってみた。
また、Amazon以外にAmazonのマーケットプレイスや、Yahoo!ショッピングへの出店者ページ、アダストリアなどの通販サイトも「利用するつもり」でじっくりと見てみた。

登録していたライトオンやジーンズメイトなどのメルマガも一通りは目を通すようにしてみた。
また、フェイスブックなどに出てくるドゥクラッセの広告ページも念入りに見てみた。

そうすると、さまざまな通販サイトが今秋なら11月から頻繁に値引きセールや投げ売りセールを行っていることがわかった。
また検索をすると、セールはやっていないものの、定価自体が驚くほど安い商品も数多くある。
さらにバッタ屋的に在庫品を低価格で販売しているサイトもある。

今年11月初旬にiPhoneを機種変更した。
それまで使っていた6Sから7に変更した。
その際に、丸2年間使用したスマホカバーを廃棄して、新しいスマホカバーをネットで探したが、148円送料無料とか198円送料無料というのを発見して、それを購入した。

現在は148円送料無料のを使っていて、予備として198円送料無料のも購入した。
これであと2年間は安泰である。

また、すでに11月中旬からアダストリアはネット通販で先行セールを開催しているし、シークレットセールも開催している。
ライトオンは12月8日の金曜日からネットだけで日替わりの投げ売りセールを開催している。
一昨年からの在庫品と思われる丸八ダウンが12月9日の土曜日は1日間限定で4900円にまで値引きされていた。

こういうことがインターネット上ではあちこちで起きている。
安い商品が欲しい人は当然インターネットで買うようになる。

以前にこのブログでインターネット通販利用者が予想よりも少ないだろうということを書いたが、それでもジワジワとは増えてきているし、ネット検索を使う人の比率は圧倒的に高いから、実店舗での定価販売期間をいくら引き延ばしたところで、売れるようにはなりにくい。

なぜなら、インターネット検索で低価格をいくらでも見つけられるし、買わないまでも目当てのブランドが低価格販売していることも見えてしまうからだ。

大西・前社長もルミネの社長も、業界のセール後ろ倒し論者もインターネットで買い物をしていないのではないかと思う。
もしくはインターネットで商品ページやブランドページを見ていないのではないか。

我が国の「セール後ろ倒し」論者には、フランスやイタリアが実店舗でのバーゲン開始時期や値引き率を政府が規制している状態を羨ましいと感じる人が多いようだ。
しかし、フランスやイタリアでも状況は同じで、インターネット販売はそのセール規制に引っかからないといわれている。

そうなると状況は我が国とさして変わらない。

結局実店舗でセール開始時期をいくら遅くしようと、インターネットで安く売られていれば、そちらを買うようになる。
また、三越伊勢丹やルミネがバーゲン開始時期を10日やそこらを後ろ倒しにしたところで、実際の「定価販売期間」なんてほとんど伸びない。たかだか10日ほど伸びたところで何が変わったのだろうか?
やるなら1か月とか2か月くらい後ろ倒しにしないと何の効果もない。

しかし、衣料品が売れていない状況下で三越伊勢丹もルミネも1か月や2か月も後ろ倒しにはできない。
それだけの体力がない。

また、ルミネはインターネット上では今年も11月から早々に値引き販売をしており、何を言っているのかと呆れ果てる。
実店舗にはセール後ろ倒しをいい、インターネット上では前倒しで売る。
そんな二枚舌みたいな施策でだれが納得するというのだろうか。

三越伊勢丹とルミネの「セール後ろ倒し」政策は敗れるべくして敗れたとしか言いようがない。

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ファッション初心者の男性はアイビー・プレッピースタイルで身を固めろ

柄にもなくファッション論を。
最近、ド素人男性に向けたファッション指南ビジネスを手掛けようとする人が、インターネット上を見ていると増えたような気がする。
この分野でもっとも成功したといえるのが、人気ファッションブロガーのMB氏だろう。

独自の理論化に取り組み、ある程度ロジカルな思考によってコーディネイトを作っていくという考え方がわかりやすい。
もっとも、ファッションなんて個人の好き嫌いで大いに左右されるからMB氏の趣味嗜好が絶対ではないし、まったくの無謬でもない。
しかし、まあどんな提案にしても及第点以上は確実にマークできることを考えると最大公約数的な言説だといえる。

MB氏のブログの読者数・閲覧者数・有料メルマガの登録者数の多さは、当方のこのブログが到底太刀打ちできるものではない。

成功者には敵対者がつきもので、MB氏への嫉妬、やっかみなどで全否定するファッション指南を志望する人がけっこう見かけるようになってきた。ほとんどの場合は「最大公約数」には程遠い意味不明の理論を牽強付会しているに過ぎないのだが。

まあ、それはさておき。

ド素人男性はそれほどまでに「おしゃれになりたい」とか「マシなコーディネイトを組みたい」とか本当に思っているのだろうか?
47歳の初老のおっさんとしては、大学時代の同級生を見ていても甚だ疑問に感じる。
彼らはファッションなんてまるで興味がないのではないかと思う。そしてそれが繊維・ファッション業界以外に進んだ人の大半以上の意見ではないかとも思う。

仮にそういうファッション指南業が成り立つと仮定して、オッサン的にド素人男性にアドバイスをしてみようと思う。

まず、一口に「オシャレ」と言っても、自己満足型と他人から良く見られたい型の2つに分かれる。
自己満足が他人からの評価と等しい場合は何も問題はないが、それはごくわずかしかいない。
40歳・50歳になっても全身スポーツウェアとかストリートブランドで身を固めて自己満足している男性は多いが、他人からの評価が高い人はほとんどいない。
それでも「他人の評価なんて気にしない」というなら、それはそれを貫けば良い話で、他人からのファッション指南なんて必要ない。
90年代後期の女子高生のヤマンバメイクなんて典型的な自己満足型だ。あれを「美しい」とか「かわいい」と思う人はほとんどいなかった。

他人から良く見られたい型なら、話は早い。
もっとも好感度が高い服装で、なおかつ自分の顔や体型・雰囲気にあった色柄を選べば良い。

10代後半から20代ならいざしらず、30歳を越えて顔が老けてくると、多くの場合、過度なスポーツカジュアル・ストリートカジュアルは似合いにくくなる。野球帽も似合いにくい。
若い男性の顔だと野球帽も似合うが、小じわが刻まれた中高年男性の汚い顔だとどうしてもスポーティーすぎる野球帽は似合いにくくなり、草野球チーム関係者とか場外馬券場に並んでいるオッサンにしか見えなくなる。似合うのはよほどに顔立ちが整っているか、そういうオシャレな雰囲気があるかのどちらかで、その両方とも圧倒的少数派である。

まず、キレイ目でまとめることが重要だ。
MB氏は「ドレス多めのカジュアル」という表現を使うが、ドレスとはスーツ系の総称として用いられており、スーツっぽいアイテムを多めに使用するのが、万人からの受けが確実に良くなる。
極言すれば「スーツが死ぬほど似合わない男はいない」からだ。どんなに見た目がアレな男でもスーツはそれなりに見える。

個人的にいうなら、アイビールックとかプレッピーファッションで身を固めていれば、概ね間違いはないと考えている。

アイビールックとはトラッドベースのカジュアルスタイルで、アメリカの富裕層子弟がしていた上品な服装で、アイビーをより新しくしたスタイルだとされている。

代表的なスタイルでいうと、

紺ブレ+ボタンダウンシャツ+セーター+チノパン+ローファーシューズ

というようなスタイルで、シャツとセーターの色合わせさえ間違えなければ、ほとんどどんな男性でもそれなりに「シュっとして(大阪のオバハン的表現)」見える。

チノパンに抵抗があるなら、これをジーンズに変えても成り立つ。

https://matome.naver.jp/odai/2135365349486041901

アイビースタイルとプレッピースタイル、そしてデニム

これでほとんどの男性ファッションの悩みは解決する。

あと靴は圧倒的にスニーカーよりも爪先が尖りすぎず・爪先が反り返りすぎないベーシックな革靴・ショートブーツを選ぶべきである。
もちろん、スニーカーの方がクッション性が良くて足が疲れにくいことはいうまでもないが、「他人から良く見られたい」という課題を最優先するなら革靴・ショートブーツを選ぶのが正解である。

ちょっとイケてない自分の写真を掲載するのは恐縮だが、先日、Yahoo!ショッピングで2足8000円の合皮サイドゴアブーツを買った。
その際、自撮りしてみたが、この手の革靴(合皮だけど)を履いた方が、背が高く足が長くスマートに見えないだろうか?

ちなみにこの日の服はセルビッジストレッチジーンズもケーブル編みコットンカシミヤセーターも両方ともユニクロのセール品だ。
セルビッジストレッチジーンズは1990円に値下がりして、ケーブル編みセーターは990円に値下がりしていた。

白いスタンドカラーシャツ(襟元が見えにくいが)はジーンズメイトのPB「ブルースタンダード」でこれも1900円に値下がりしているときに買った。

ブーツが1足4000円なので、全身合計で1万円未満である。

最初はアイビー、プレッピーで慣らしておけば99%間違いはない。

最近は「トレンドは必要ない」とか「ベーシックな定番だけで良い」とかいうファッション指南業者が多いが、これにも甚だ疑問を感じる。
初心者がアイビー、プレッピースタイルに慣れてくれば、そのうちに飽きて違うアイテムも着てみたいと思うようになる。
人間は飽きる生き物だからだ。
食事でも他の趣味でも異性にでもなんでも飽きる。
だからこの世から不倫とか浮気もなくならない。

じゃあ、年がら年中何とかの一つ覚えみたいに紺ブレ+白いボタンダウンシャツで満足し続けられるかという絶対にそれはない。
それで満足しているなら、そもそもファッションになんて興味がないのであり、国民服とか制服を着用していれば良いのである。

紺ブレに慣れたら、次は違う色柄のブレザー・テイラードジャケットが欲しくなる。
それにも飽きたら、今度はブルゾンタイプが欲しくなる。

そういうときにはMB氏の指南は生きてくるのではないかと思う。

ついでなので、トレンドについても言及しておく。

トレンドは存在しないとか言っている人は、近年のズボン丈の変化をどう見ているのだろうか。これこそトレンドそのものではないか。
その目は作り物なのだろうか。

2005年にブーツカットパンツが大流行したときのズボン丈は長めだった。
女性ならハイヒールを履くのでヒールが少し隠れるほど、ヒールを脱ぐと裾を引きずるほどの長さがスタンダードだとされた。
メンズも同様だ。

2008年にスキニーが始まって、裾丈は短めが良いとされるようになった。
現在、スキニーに対してワイドパンツやワイドテイパードパンツ(裾が細くなっている)がマス化しているが、いずれの裾丈もくるぶしくらいの短めがスタンダードとなっている。

1998年ごろのストリートファッションのころのワイドジーンズも裾が引きずるほど長く、靴の上でたまっているのがかっこいいとされたが、今時そんな丈の長さは野暮ったく見える。

どんなにベーシックな洋服でも10年おきくらいに裾丈や細さのトレンドは変わって、新たなスタンダードが生まれる。
それは人間が飽きる動物だからだ。10年くらいすれば飽きてきて細くしたり長くしたり太くしたりしたくなる。

ベーシックな洋服で全身を固めていればトレンドに左右されませんと断言してしまうのは危険な行為であり、人間の本能を無視している。個人的には人間の本能なんて嫌いだが、人間は動物とそれほど変わらないから、本能を無視してはビジネスは営めない。
「ベーシックな洋服はトレンドに左右されない」というのは、それこそファッション指南業者のポジショントークに過ぎない。

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無名ブランドはウェブサイトを開設しただけでは売れない

何度も書いているように、よほど強固な信念がない限りは、現在において企業もブランドもウェブサイトは必要不可欠である。
どんな不細工なサイトでもないよりはあった方が良い。
それが第1歩だが、2000年ごろのインターネット草創期ならいざ知らず、ウェブサイトを使って集客や物販を行うとすると、それ相応の工夫が必要となる。

しかし、繊維業界・アパレル業界はこの分野に極めて弱いから、多くの企業やブランドは「とりあえずウェブサイトを開設しましょう」という段階である。

一方で、すでにウェブサイト自体は有象無象がひしめき合っているし、通販サイトは乱立している。

何度も書いているようにYahoo!ショッピングだけで40万店くらいは出店しているし、店舗数が減少している楽天でも4万店の出店がある。
この2つだけで重複出店も含めて44万店もあり、よほどの工夫を凝らさないとその中に埋没してしまうことは間違いない。

ベタな例えをすると、脱サラして居酒屋を開店したとして、競合が44万店あれば、よほどの「何か」がないと消費者からは選ばれない。
無名の居酒屋が繁華街にオープンして、そこに初日からわざわざ来てくれる客がどれほど存在するか。
すでに常連になっている店に行くだろうし、常連になっている店がなければ有名店に行く。
無名の居酒屋が選ばれる理由は何一つない。

無名の企業が今、新規にウェブサイトを開設するということは、こういうことである。

これを忘れて、ウェブサイトを開設すれば即座に多くの人が流入すると思っている残念な人が繊維業界には多い。
それだけアレだとさぞかし人生は楽しいのだろうなと思う。

さて、このブログを9月下旬にワードプレスでリニューアルしてくれたのはスタイルピックスという会社なのだが、そのおかげもあってスタイルピックスとウェブサイトの仕事で絡むことが増えた。

http://style-picks.com/

トップページには同社の短髪の看板娘の動画が貼ってある。

で、ウェブサイト開設、ウェブサイトの運用というのを見ていると、「どのように呼び込むか」が重要だと改めて痛感させられる。

企業やブランドがウェブサイトを開設する理由はつまるところは、

物(サービス)を売りたい(平たくいうと金儲けがしたい)

であるが、そのためには

1、ファンを増やす必要がある
2、定期的にサイトを見に来てもらえる内容をアップし続ける

ことが必須になる。

そのためには、単に品物(サービス)だけを並べているだけでは、よほどの超有名ブランドでもない限り不可能であり、そのために各社はブログを更新し、動画やコーディネイト画像をアップしている。
いわゆるコンテンツを強化している。

価格優位性があるといわれているユニクロとジーユーでさえ、単純な商品の陳列だけを行っているのではない。
コーディネイト画像の更新やら、ちょっとキモいタッチの松浦弥太郎氏のコラム連載やら、タレントが語り掛けてくれる動画コンシェルジュだとかそういうことをやっている。
価格優位性があり圧倒的知名度がある、ユニクロとジーユーがこれほどの工夫を凝らして売っているのに、無名のブランドが何の工夫も凝らさずにどうして売れると思えるのだろうか?その考えがわからない。

それに気が付いて、ブログをアップするブランドや企業も増えたが、個人的に「それでは効果が上がらない」と感じる事例は多数ある。
もちろん、ブログはやらないよりはやった方が良いことは前提であることは言うまでもない。

例えば、大手ではないジーンズブランドがあったとして、ブログにアップできる内容は様々ある。

ジーンズというアイテムの説明だけでも何回も書けるだろう。
それ以外にも、

ジーンズ業界について
デニム生地いついて
縫製について
洗い加工について
ジーンズファッションについて

などが考え付く。

これは他のジャンルのブランドでも同じだろう。
「ジーンズ」「デニム」をそれぞれのジャンルの商品や素材に置き換えれば良い。

いわば、これらはマクロな話。

自社のブランドや活動というミクロなことも不可欠で、問題はそれの書き口ではないかと思う。

「今朝も〇〇工場さんと打ち合わせで岡山に出張です。がんばります」程度な文字数なら、はっきり言って「ツイッターに書いていろよ」と思う。
また、自社の商品のセール情報しか書いていないならそれは折込チラシと同じで、ほとんどの場合が流される。

仮にも独自ブランドを名乗っているなら、商品の工夫した点や生産背景との取り組みがあるだろうから、それをキチンと書く必要があるのではないか。

1、商品デザインについて
2、使用した素材について
3、パターンなどで工夫した点について
4、製造を請け負ってくれている各工場について
5、個人的な考えについて

などである。

これらがないのであれば、エドウインかリーバイスの代理店でもやっていればいい。
おわかりいただけるだろうか?

もちろん、人間は綺麗ごとだけでは生きていない。むしろ綺麗ごとの方が少ない。
人間の生きている理由のほとんどは汚くて利己的な理由ばかりだと思っている。

「とりあえず手っ取り早く儲かりそうだからブランドをやってみた」とか、「理由はあまりなくて何となくブランドを始めてみた」とか、見聞きした範囲でいえばそういうことが数多くある。

まあ、それはそれで書けば良いだろうし、それでも業務としてやっていくうちに、独自に工夫を凝らしている部分が自然発生しているだろうから、それを書くべきである。

この辺りを整理してコンテンツを作れているブランド、作る気があるブランドは極めて少ないと感じる。
逆に批判はあっても、現在のウェブでの勝ち組ブランドはこの辺りを実行しているといえる。

あと、ウェブサイト開設・運用には確実にカネは要る。
最低限のカネは絶対的に必要である。
ときどき、いまだに「10万円くらいでサイトを作ってほしい」とか「3万円でサイトを作ってほしい」とかいうとぼけた人が繊維業界には山のようにいるが、100万円とか1000万円とかバカ高い金額は必要ないが、世間相場を知らないと話にもならない。

機械類なら何百万でもポンと支払う製造加工業者、酒を飲ませる店になら何十万円でも気軽に支払うアパレルメーカー経営者、自分の飲み食いになら毎日惜しげもなく散財する個人事業主などに限って、ウェブサイト製作に3万円とか5万円とかのあり得ない価格を提示するので呆れ果てることが多い。結局はそういうレベルの業界なのである。

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10年後の30代には選ばれない大手アパレル各社のブランド

ファッション専門学校生はもちろん衣料品が好きで、それをしたくて入学している人が多い。

個人的には「好きを仕事に」というのは全面的に賛成はしない。
好きといっても、「ファッション衣料を買って着るのが好き」と「ファッション衣料を作ったり売ったりするのが好き」では意味が異なり、前者が好きな人はファッション衣料業界に入るべきではないと思っている。

それならモデルを目指したり、ファッション評論家を目指すべきだと思う。
それこそ、焼き肉を食べることが好きな人が焼き肉屋に就職するのが良いとは思えない。

まあ、それはさておき。

学生は一般人に比べてファッションや衣料品への興味が高いことだけは間違いない。

そういう学生たちでさえ、アパレル業界人が思っているよりもずっとアパレル企業名やブランド名を知らない。
アパレル業界人は繊研新聞やWWDに任せていないで、自ら生の声を取りに行ってはどうか?すさまじい衝撃を受けるだろう。

大雑把にわけて、かつての大手アパレルと現在の大手アパレルを比較してみる。

かつての大手

ワールド
オンワード樫山
三陽商会
ファイブフォックス
イトキン
TSIホールディングス

現在の大手

ファーストリテイリング
しまむら
アダストリアホールディングス
ストライプインターナショナル
マッシュスタイルラボ
ユナイテッドアローズ

など

ということになるが、前者の「かつての大手」は圧倒的に知られていない。
これは自分の身の回りのファッション専門学校生20人くらいの結果である。
しかし、単年度の結果ではなく、ここ3年間くらい共通しての結果だから、それなりに普遍的だと考えられる。

かつての大手は社名はまったく知られていない。
ブランド名も知られていない。

オンワード樫山の主力である組曲、23区、ICBは壊滅的に知られていない。
ワールド、イトキンも同様だ。
三陽商会は以前ライセンス生産していた「バーバリー」のみ知られている。
SPAの走りとしてかつては一世を風靡したファイブフォックスのコムサシリーズもほとんど知られていない。
まれに「あ、名前を聞いたことがある」という学生が1人か2人いる程度だ。
TSIホールディングスは社名はもちろん知られていないが、傘下のナノユニバースとローズバッドは知られている。

ざっとこんな感じだ。

ちなみに「現在の大手」でも社名を知らない学生は多い。
例外は基幹ブランド名と社名が同じであるユナイテッドアローズとしまむらくらいだろう。

しかし、それぞれのブランド名は認知している。
ユニクロ、ジーユー、スナイデル、アースミュージック&エコロジー、ローリーズファームなどはしっかりと認識している。

この結果を見ていつも衝撃を受ける。まあ、3年目にもなると慣れたが。
逆にアパレル業界人はこの結果を見て何も感じないのだろうか?
何も感じないならますます衰退ブランドは衰退するだろう。

若い人たちの所得は減っているもしくは伸び悩んでいるから、高価格品は売れにくい。
そうなると低価格品では競争力のない「かつての大手」は中高年向けのブランドに特化することになる。
それがさらに若い人たちへの知名度を低めている。

3年くらい前まではアルバイトの時給も低く、学生は高い服を買えなかったが、去年や今年はアルバイト時給がかなり高くなっていて、ユニクロやすき屋で月に20日間くらいシフトに入っている学生の所得は驚くほど高くなっている。
20万円とか25万円くらいの収入があるらしく、懐寒しな当方もユニクロかすき家でバイトした方が良いのではないかと真剣に考えるほどである。
業界の食い詰めているオッサンたちはユニクロとかすき家で月に20日間くらいアルバイトした方が良いのではないかとも思う。

そんなだから今の学生は買おうと思えば、超高級ブランドは無理としても百貨店価格帯くらいなら買えなくもなくなっている。

となると、「かつての大手」が年配層に偏重している状態が正しいとは言えなくなりつつあるのではないか。

逆にいえば、これほど企業名はさておき、ブランド名すら認知されていない状態では10年後の30代・40代が「かつての大手」が擁するブランドを選ぶ可能性はほとんどゼロだろう。

今の若者が10年後に30代・40代になったときに選ぶのは、今親しんでいるブランドか、今親しんでいるブランドの上級ブランドということになる。おわかりだろうか?

ユニクロでは飽き足らなくなったらセオリーを買う。決して23区とか組曲とかアンタイトルは買わない。
なぜなら、それらには全く親しみがないから。

メンズでも同様だろう。
バーバリーは買うが、クレストブリッジは買わない。

そうなると、どうなるかというと「かつての大手」の業績はますます厳しくなる。
先細りしかない。
オンワード樫山はそういうリスクを避けるために食の分野に進出しようとしているが、オンワードマルシェもイギリスに出店した手打ち蕎麦屋も唐突な印象しか受けない。
ネット通販のグルメサイトであるオンワードマルシェはまだしも、手打ち蕎麦屋はまったくオンワードのイメージとはつながらない。
かつてジャヴァグループ(現ジャヴァコーポレーション)が神戸本社の1階にうどん屋を開設して運営していたが、それと同じくらい唐突なイメージだ。ちなみにそのうどん屋のスタッフもジャヴァの社員だったと聞いている。

今の20代も10年後には30代になる。
中高年偏重の大手アパレルのさらなる凋落は予想するよりもずっと早く訪れるのではないか。

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3年間で12店舗に急成長した在庫処分店ドゥーラックがウェブサイトを開設 

今日は告知を。
3年前から手伝っている在庫処分店「ドゥーラック」がついに公式サイトをオープンさせた。

http://doluck.jp/

通称「バッタ屋」といわれる在庫処分店で、もっとも知名度が高いのは大阪に本社を構えるショーイチだろう。

どうしてここを手伝うようになったのかというと、ツイッターで知り合ってそこから交流させてもらっている方からのご紹介で、手伝うようになった。
手伝うと言っても、たいそうなことをしたのではなくて、単に店舗にヘルプの販売員として入っただけのことである。
2014年7月に天神橋筋店がオープンする際に手伝うようになったので、天神橋筋店でヘルプ販売員に入った。

その当時は3~4店舗くらいしかなくて、自宅からの距離的に一番入りやすかったのが天神橋筋店だったので、そのまま天神橋筋店に時々入るようになった。

一時期は人が足りないとかで月の半分くらい入ったことがあり、さすがに体がきつかった。
44歳(当時)の初老の体に連日の立ち仕事はほんとうにきつく最終回のウルトラセブンくらいに体力を消耗していた。

その一方で、おかげで天神橋筋商店街をじっくりと観察できる機会に恵まれた。
以前から交流のあったショーイチのおかげで外野からは「バッタ屋」という業態のことは知っていたが、内部のことを知る機会が得られたのはなかなかに貴重だった。

実際にこのブログで過去に何度か天神橋筋商店街のことを取り上げた。

それが今年に入って、店舗数が12店舗にまで拡大しており、もうすぐ13店舗目がオープンするという。
3年間で10店舗くらい増えている勘定になる。

けっこうな急成長だといえ、最近は洋服不況だから正規店ではこれほどの急成長できるブランドは大資本を除いてはあまりない。
この時期に急成長できるのはなかなか稀有な例だといえる。

ショーイチの場合、ネットや海外、卸売りなどがメイン販路となるが、ドゥーラックは一部に卸売りはあるかもしれないがメインの販路は直営店という違いがある。

謙虚?であまり自社のウェブサイトでも露出しない今堀陽次社長は実は当方より2つか3つ年下である。
今後、整備しなくてはならないことは社内に山ほどあるとは思うが、短期間のうちにここまで急成長させた手腕は「やり手」と評して良いのではないかと思う。
50歳手前にもなってこんな有様の当方にくらべると、最近の年下は優秀な人が多いと痛感する。

現在取り扱っている主な商品は大手通販各社の在庫品である。
あと、珍しいがセシールの公式アウトレット店「セシールアウトレット」も1店舗、千林商店街で運営している。

それ以外ではスポットとして倒産した「CHU XXX(チュウ)」ブランドが入荷したこともあるし、最近だとANAPの商品も入荷したことがある。その時々によって在庫を買う機会があれば、大手通販各社以外の商品も仕入れているという感じである。

不良在庫で困っているメーカーやブランド、不当返品で困っている工場はやり手の今堀陽次社長に連絡してみてはどうだろうか?

現在のところ、本社が京都で店舗は大阪、京都、兵庫と関西圏での展開となっている。

ところで、今回のウェブサイト立ち上げは、やっぱり最低限でも「名刺代わり」のウェブサイトは必要だという事例だといえる。
ウェブ通販の利用者は、以前にもこのブログで紹介したように、業界人が期待するほど多くはない可能性が高い。しかし、ものごとを調べるのは圧倒的にネット検索である。

ネットで検索して引っかからなければその時点で選択の対象とはならない。

また当方が、これまでいくつか在庫で困っているブランドやメーカーを紹介したことがあるが、その際常に尋ねられるのは会社概要がわかるサイトはあるのかということだった。

「どこに店があるのか?」
「本社はどこか?」
「過去の販売事例は?」
「どんな店?」
「連絡先は?」

などがウェブサイトがあれば、一気に解決できる。
「このURLにアクセスしてください」といえば済む。

ところが、サイトがないと、いちいちそのために資料を作ったり、口頭で長々と説明しなくてはならない。
説明するほうも労力と時間が必要だが、聞く方も労力と時間が必要になる。

知り合いのフリーランスのディレクターが3年くらいまえに自分の「ホームページ」を開設した。
理由は、初めて会う人すべてから「過去実績のわかるホームページはないの?」と尋ねられたからだ。
ネット通販は利用しなくてもそれほどにネット検索は利用されているのである。

ウェブサイトを開設せずに「最近は問い合わせがめっきり減った」と嘆いている企業が繊維業界には山のようにある。
問い合わせが減った理由はさまざま考えられるが、衣料品不況で売れ行きが悪いからということ以外に、その企業がウェブサイトを開設していないからという理由もある。

問い合わる相手はウェブ検索で調べており、そしてウェブ検索に引っかかってこないような業者にわざわざ連絡することはない。
ウェブ検索で引っかかった業者に連絡をすれば事足りるのである。

企業には名刺代わりのウェブサイトは必須だといえ、それを開設したくない・開設できないという企業は市場から淘汰されても自業自得としか言いようがない。

何はともあれ、長年携わったドゥーラックのウェブサイトが開設されたことはひとまず良かったと思う。

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若者に存在すら知られていないベネトン ブランドが忘れ去られる速さ

以前にも書いたが、月に何度かファッション専門学校で講義をすることがある。
まあ、めんどくさいことも多いが、10代後半から20代前半の若者の意見を聞くことができて、非常に勉強になる。
若者論をぶち上げるつもりは毛頭なくて、自分たちの若い頃と同じ部分もあるし、まったく違っていて驚かされることもある。
時代が変わって、生活様式も変わっているので違っている部分があってもそれは当然で、25年前とまったく変わらないのであれば、そちらの方が逆に驚異的である。

先日、講義の中で「ベネトン」というブランドについてチラっと触れた。
反応がいまいちだったので、「ベネトンって知ってる?」と尋ねてみたが、10人強いる学生の全員が「知らない」と答えて驚かされた。

現在、ベネトンの商品を買っている人は少ないのではないかと思うが、30代以上の業界人で、ベネトンの名前を知らない人はほとんどいないだろう。

2010年ごろに買ったベネトンのセーター。2700円くらいに値下がりしていた。

 

ベネトンは近年、国内の店舗網を減らし続けてきた。

2000年頃から国内に積極出店していた大型路面店もほとんど閉店してしまった。
心斎橋店は2011年に閉店しているし、表参道店は2014年で閉店している。
梅田店も閉店して、その後はヨドバシカメラ梅田店内に中規模店として移転している。
(現在ではアウトレット店となっているらしい)

たとえば、18歳の若者がいたとして、この人がファッションに興味を持ち出したのは、早くても12~13歳くらいだろう。
遅ければ、15~16歳くらいだろう。

そうなると、6年前にはベネトンのメガストアが閉店し始めており、2年前にはベネトンメガストアのほとんどの店舗(2014年当時は熊本店を除く全店閉鎖)が閉鎖してしまっており、ファッションに興味を持った時点では、彼らにとってベネトンはこの世に存在していないに等しいブランドになっていたといえる。

だから彼らがベネトンというブランドをまったく認知していなかったとしても何の不思議もない。

さらにいえば、ベネトンの公式サイトを見ても店舗数がめっきり減っている。

東京には1店舗、愛知県には5店舗、関西には京都1店舗と大阪の八尾に1店舗しかない。
そうなると、関西の若者だけでなく、東京の若者にだって認知されていないという可能性が極めて高いと考えられる。

そして、ウェブ上でもベネトンに関するニュースはほとんど流れてこないし、SNS上でもベネトンの情報が流れてくることもない。

こうなると、若い人が「知らない」というのは極めて当然である。

単にベネトンをdisりたいのではなく、露出が減るとたった5年くらいで忘れ去られたブランドになり果てるというこことが言いたいのである。
これは各ブランドが気を付けなくてはならないと思うのだが、一般消費者が忘れる速度は驚くほど速い。
店舗数が激減してウェブ上でも見かけなくなればその存在なんて5年くらいで忘れ去られてしまう。ベネトンが好例ではないか。

じゃあ、忘れ去られないためにはどうすれば良いのかというと、財務的に店舗数が維持できなくなったら、圧倒的にウェブ上での情報発信をするほかない。
そうしないと、実際の日常でも見かけない上にネットでも見かけなくなるからあっという間に忘れ去られてしまう。

いささか状況は異なるが、9月下旬にTOKYOBASEの飲酒接客が炎上したが、たった2か月後の現在、すっかり話題は沈静化している。
一般消費者の忘れる速さというのはこれほど速い。

これを逆に考えると、店舗数も情報発信も激減したブランドが忘れ去られる速度はどれほど速いのかということがわかるのではないか。

はっきり言って、今の状態から国内でベネトンのブランドイメージを回復させることは至難の業である。
レノマパリスが何をやってもブランドイメージを回復させられないことや話題に取り上げられないことを鑑みれば、一目瞭然だろう。

一方で、無節操なセレクトショップコラボを多発して露出を圧倒的に増やしたチャンピオンがそれなりに人気ブランドとなっていることは、これの逆バージョンではないかと思う。
チャンピオンなんて、30代半ば以上の人にとっては、部活のときの練習着とか体操着というイメージしかない。
あの目玉みたいな「Cマーク」もなんだかダサく思える。

しかし、今のファッション好きはあの「Cマーク」のデカいロゴのTシャツやスエットを得意気に着ている。
おっさんからすれば部活の練習着かと思ってしまうのだが、市場の価値観は変化するものである。

広く知られなくてもしっかりと顧客に密着してビジネスを行えば良いという意見もあるだろうが、今の中高年層の支持者はいずれこの世からいなくなる。人間は誰でも確実に死ぬからだ。

そうなると、若い世代に知られていないということは、ブランドとしては致命的な欠点だといえる。
いずれ今の顧客が死に絶えてしまうと、新しい世代には顧客がいないということになってしまう。

そのあたりを考えると、企業やブランドが永続的に続くためには、比率は別として若い層へのアプローチは絶やすべきではないと思う。

知られていないのは存在しないのも同然なのである。

それにしてもベネトンの知名度がここまで低くなっているというのは衝撃的だったし、まさしくゼネレーションギャップそのものだといえる。

他のアパレル企業・アパレルブランドもご注意を。

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百貨店がSPA化できない理由

百貨店の自主企画商品は過去に何度も挑戦されているが、なかなか成功しない。

https://senken.co.jp/posts/mete-171128

大手百貨店が拡大した自主商品開発は、何をもたらしたのだろうか。先行した三越伊勢丹、そごう・西武は拡大路線から一転し、この一年で整理・縮小して収益重視を徹底する。

とのことである。

そもそもなぜ百貨店がSPA化を目指したのかというと、昨年夏にインタビューした三越伊勢丹HDの大西洋・元社長は次のような意味のことを語っていた。

「大手アパレル各社が業績不振によって大規模な生産調整を行った。その結果、商品供給量が減り、都心旗艦店は別として地方の小型店にまで商品が供給できなくなり、売り場が埋まらなくなった」

売り場にスペースを開けるわけにはいかないから、例えば近鉄百貨店あべのハルカス本店ウイング館のように、「お客様なんたらカウンター」みたいなものを設置するというのも一つの手だが、「なんたらカウンター」ばかりの売り場になるのも極めて不格好である。
そうなると、量の多寡は別として、自主企画商品を開発するほかない。

また大西・元社長は、売り場を埋めること以外にも、現在の「洋服小売業」ではこれ以上の成長が望めないから、「卸売業」にも進出したいという考えがあり、自主企画商品を他社へ卸したがっていた。
伊勢丹の婦人靴PB「ナンバー21」は他社にも卸売りを行っているので、この考えのモデルケースだといえる。

一方、そごう西武が自主企画商品を強化した理由は、「売り場が埋まらない」というところは共通だと思えるが、卸売業への進出ではなかったと思う。
そごう西武は大手百貨店グループの中でもっとも決算内容が悪い。
しかも残念ながら現在のステイタス性も低い。

そういう百貨店が卸売業なんて模索するはずもなく、開発の理由は収益性を高めるためだろうと考えられる。
自主企画商品は安値で売っても利幅が大きい。この開発に成功すれば、理論上は利益面は大きく改善できる。
それが最大の眼目だったのではないかと個人的には見ている。

しかし、両社とも自主企画商品の開発はすんなりとは行っていない。
三越伊勢丹には「ナンバー21」という成功事例はあるものの、後続商品が表れていない。
そごう西武のリミテッドエディションは空振りが続いている。

先の記事では失敗の原因について

要因の一つは、生産から販売までのサプライチェーンを構築できなかったことだ。産地の構造や素材、縫製など物作りを理解せずに、生産、納期管理は取引先任せだった。買い取りでありながらも返品や未引き取りが横行し、在庫を抱えて撤退を余儀なくされた。



と指摘しているが、原因はこれだけではない。

そもそも百貨店には商品企画・商品デザインのノウハウがない。
大手セレクトショップ各社も同じだが、彼らには優秀なベンダーと優秀な企画屋がバックに付いている。
百貨店各社にそれはない。
だから「企画」が失敗する。

生産管理のノウハウもないだろう。

またマーチャンダイジングのノウハウも持っていないのではないかと推測される。
マーチャンダイジングは日本語では「商品計画」と訳されるが、商品の計画だけを立案していれば良いというものではない。
在庫の管理、利益の管理、天候や社会情勢への柔軟な対応が求められる。

今の百貨店平場で「真の意味」でのマーチャンダイジングができている店があるだろうか。
当方の知る限りにおいてはない。

管理できているとしたら、商品の投入時期と、帳簿上の利益率の確認程度だろう。
商品の投入時期はこれまでの小売業の慣例に従っていることが多く、お盆明けに秋物の本格立ち上げ、10月21日に防寒アウター投入という具合で、これは20年以上前からまったく変わっていない。

「販売員付き消化仕入れ」という仕組みにドップリ漬かりすぎて、そういうマーチャンダイジングは長らく手掛けてこなかった。年配社員ができないものを新人に教えることはできないから、百貨店の新人がこれを身に着けられる機会は永遠にない。

サプライチェーンなんて今の百貨店に構築できるはずもないし、構築できたところで、企画やマーチャンダイジングのノウハウがまったくないのだから、どっちにしろ在庫の山が積みあがったという結果は変わらない。

逆にサプライチェーンを構築できれば売れていたと考えているのなら、その発想そのもののナンセンスさに驚く。
工場のおっさんと同列の考え方である。

企画が良くない商品をいくらたくさん作ったって売れるはずもない。
また真の意味での商品計画が機能していなければ、売れるはずもない。

そごう西武のリミテッドエディションが成功しない理由は、「カール・ラガーフェルド」などの超一流デザイナーとのコラボが原因ではないのか。
最近、百貨店に限らず「コラボ」流行りだが、成功するコラボと失敗するコラボがある。
その相違点はなんだろう。失敗するコラボには確実に共通点があると思うのだが、いずれ別の機会で考えてみたい。

ただ、そごう西武のコラボの場合、今の日本の消費者にとって、欧米の超一流デザイナーとのコラボというのはそんなに魅力的に映らないのではないか。自分たちの日々の暮らしとまったくかけ離れた印象を与えているのではないかと思う。

あくまでも仮説だが、そういう超一流デザイナーとのコラボよりも、例えば「上質なレザーを30000円で」とか「モンゴル奥地から取り寄せた高品質カシミヤを3万円で」とかそういう「高品質・割安感」商品の方が、今の消費者には響くのではないかと思う。
いかがだろうか?

それにしても先ほどの一節にはもう一つ驚くべき箇所がある。
「買い取りでありながらも返品や未引き取りが横行し」という部分である。
これは明らかに法令違反だ。
下請け法違反で摘発されるべき案件だ。

これが事実だとしたら百貨店は法令違反集団だといえる。

それにしても、衣料品に関してはイオンやイトーヨーカドーなどの大型量販店も自主開発商品は上手く行っていない。
百貨店も量販店も無理に衣料品にこだわり続ける必要はないのではないか。

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