コロナ特需市場の頭打ち・減少が始まったように感じるという話
2023年7月31日 トレンド 4
今年5月に新型コロナ感染症が5類に分類しなおされてから、急速にコロナ禍以前の日常生活が全部ではないにしろほぼ戻ってきた。
その以前、2022年後半くらいから徐々にではあるが忘年会や飲み会なんかも復活してきており、そうなるとコロナ禍が原因で伸びてきた市場が頭打ち・減少になることは極めて当然だろう。
その結果がゴルフ市場の伸び悩み、キャンプ市場の参加者人口の減少という2つの現象が起きた。この2つの市場がコロナ禍中のような勢いで伸びることは今後あり得ないだろうと当方は考えている。
興味を持った人はすでにやり始めているだろうし、今もやっていない人は興味を持っていない人だから今後もやらないだろう。
7月最後の土曜日に2週間ぶりにジョーシンへ行った。阪神タイガースが勝った翌日は事前にもらっていた専用レシートを持って行くと55ポイントをもらえるからだ。
無事に55ポイントをもらってから2週間ぶりにガンプラ売り場を覗くと、水星の魔女シリーズのいくつかの商品が期間限定で大幅値下げされていた。
興味の無い人は読み飛ばしていただきたい。
HGミカエリスが26%オフ、HGティックバランが30%となっていた。あと、当方は全く興味が無いが水星シリーズの美少女キャラクタープラモも25%オフになっていた。
2週間前にはこんなに大幅なガンプラ値引きはなかったので、恐らくは夏休みシーズンに入ったことで値下げしたのだろう。
ガンプラ市場もコロナ禍突入とともに品薄状態が始まり、一時期は社会問題化したこともある。体感的にいえば20年春頃から売れ行きが大幅に伸び、行きつけのジョーシンのガンプラ在庫がどんどん捌けて行った。Amazonはこれまで25%~40%強の大幅値引きだったのが、逆にマーケットプレイスで定価よりも高い値段設定の物がチラホラと現れ始めた。
21年・22年は本当に品薄で、ジョーシンのガンプラコーナーはスカスカの空洞状態になってしまっていた。
コロナ禍以前だと、今回のような感じで、長い間滞留し続けていて不良在庫化したガンプラを30%オフ前後で売ることもあったが、20年以降はそういう売り方は無くなっていた。
ガンプラが期間限定大幅値引きされるのは実に4年ぶりのことで、ちょうど各種イベントが2023年に4年ぶりに開催されることと重なる。
2020年春に急激にガンプラ人気が高まったのは、1つにはコロナ禍による巣籠需要と長期休暇があっただろう。まず、店舗の長期休業で外出先が無くなったため、室内でできる娯楽への需要が高まった。読書やゲームなどで、ガンプラもその一つだったといえる。
さらに店舗の長期休業に合わせて、他の分野でも長期休業する企業もあったし、リモート出社で余暇時間も増えた。そのために「学生時代以来久しぶりにガンプラでも組み立ててみようか」という人が増えた。
そこに加えて転売ヤーが有望商材としてガンプラに注目することとなり、一気に品薄状態となった。
2021年・2022年は新商品発売に合わせて行きつけのジョーシンに開店前に並んでも入荷する数量が4~10個くらいという少なさだったため、並んでも買えるかどうかわからないという状態だった。
当然、巷には転売ヤーへの不満はもちろんのこと、メーカー側の生産体制への不満も多く聞かれたが、メーカー側は生産体制を徐々に増強しており、2022年下半期に入ると、新商品の入荷量が20~40個くらいに飛躍的に伸び、開店前に並んだらほぼ必ず買えるという状態にまで改善されていた。
2022年秋から始まった新番組「ガンダム 水星の魔女」の商品を売らないといけないからとりわけ力を入れて増産したということもあっただろう。
ガンプラは新商品以外にも何百種類という過去の商品があるので、毎月そのうちのいくつかが再販されている。この再販商品はこれまでは、転売ヤーや渇望状態だったガンプラファンによってあっという間に買い漁られていた状態が続いていたのだが、地元のジョーシンだと今春くらいから再販商品が長く売り場に滞留するようになっていて、メーカー側の増産や転売ヤー対策もあってか売り場での商品滞留期間が伸び始めていた。
そしてついに今回の4年ぶりとなる期間限定大幅値引きである。
人気で再販が追い付いていない過去商品も多々あるが、異様だったガンプラバブルは完全に弾けてしまったといえるだろう。
キャンプ市場、ゴルフ市場、ガンプラ市場とコロナ禍と同時に始まった成長市場がついに頭打ち・減少局面を迎えることとなったが、このほかにもコロナ特需市場の頭打ちというのは今後多く見受けられるのではないかと思う。
そのうちの1つがサウナ市場である。
キャンプ・ゴルフは「密」状態を避けるために屋外でのレジャー、スポーツとして注目を集めた。巣籠需要・転売ヤー人気で注目されたのがガンプラである。
サウナ人気の盛り上がりの理由は「密」ではないだろう。サウナは逆に「密」になってしまう。密を避けるなら露天風呂だろう。
サウナに注目が集まった理由は「免疫力向上」目的だったのではないだろうかと当方は考えている。
当方は今春からの生活平常化によって、このサウナ市場も頭打ちもしくは減少が始まるのではないかと見ている。すでに新規参入業者も多くある。これ以上は供給過多だろう。
またサウナに興味のある人はすでに開始しているし、今でも始めていない人はサウナに興味の無い人である。そして多くの娯楽が復活した今、興味の無い人がわざわざサウナを始めることはまずあり得ないだろう。
今の顧客が定着はするだろうが、空前のサウナブームはそろそろ終焉を迎えるのではないだろうか。
Amazonでも値下げされているHGデミバーディングのプラモデルをどうぞ~
comment
-
-
とおりすがりのIT土方 より: 2023/07/31(月) 8:42 PM
何度か取り上げられているキャンプやゴルフは服以外の道具にお金がかかる趣味
毎日着ているわけでもないので、買い替え需要も従来品よりは圧倒的に少なく
定着した人と離れた人もいるのはその通りで、残った人は服外に金をかけるフェーズなのかな、と
新規参入が落ち着いてしまうともう一周するまで服の需要は上がらなそうですね -
BOCONON より: 2023/07/31(月) 9:31 PM
キャンプは漫画『ゆるキャン△』から,サウナは『サ道』その他の漫画人気がきっかけではやり出したようでありますね。
この次は…そうさな,今さら町中華でもないだろうし,TVなど見てるとばかに “推し” ばやりで,誰かを推してなきゃおかしいような風潮さえある。それこそ『推しの子』なんて漫画が大人気だそうだし,これまたモノ消費よりコト消費ですね。
今のうちに藤井聡太人気に乗っかって『藤井聡太物語』なんて漫画の連載始めたら当たるかも知れないし,ついでに無印良品等のつまらないギンガムチェックのシャツも女子たちに売れるかも。
↓
https://twitter.com/chisa_fukuyama/status/1289178635274825728僕もSNSにオシャレ画像載せて “自分推し” してみようかしら。
-
キム ゴンウ より: 2023/08/01(火) 11:20 AM
ゴルフやっていたころ
パーリーゲイツのポロシャツをば着ておりました
価格もそれなりにしました
そして ゴルフをしなくなってずいぶんたつのですが
タンスの中には パーリーゲイツのポロシャツ達がまだあります
ただし それを街着にしてはいけないくらいの常識は持ち合わせているので
ずっとタンスの中です
おかんが高かったからと 着られなくなった服を後生大事にタンスの肥やしにしておりましたが
着実に私もそうなっております
一過性のコトものは減退期にどかっと落ち込みます
しょせん特需。急に減退するのは当たり前
問題はメイントレンドとでもいいますか
全体の大きな流れです。日本国内の場合
すべてのモノゴトが減退期です
そして、一過性の減退期と
メイントレンドの減退期が重なるとどうなるか?
市場が崩壊します
キャンプ・ゴルフ・プラモいずれも
新規若年層の取り込みに失敗しています
という事は自然壊滅一直線なわけで・・・
ゴールドウィンやバンダイ以外の会社は
どうなるんだろうな、これから・・・
まぁゴールドウィンもバンダイも資産が少ない上
数回潰れかかった会社ではありますが