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南充浩 オフィシャルブログ

グルーポンの景表法違反は氷山の一角

2011年2月23日 未分類 0

 グルーポンの残飯おせち事件を引き起こした外食文化研究所に2月22日、行政処分が下った。

グルーポンおせち、外食文化研究所に行政処分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110222-00000867-yom-soci

読売新聞の記事から引用すると、処分内容は

景品表示法違反(優良誤認など)である。

また、サイトを運営する「グルーポン・ジャパン」(東京都渋谷区)に対しても、出品業者に対して「50%以上の割引」を条件付けるなど、無理な価格設定を引き起こしかねない運営を改めるよう要請した。

とのことである。

以前、ほかのブログでも指摘したように、販売実績がないのに割引価格を提示するのは景品表示法(景表法)違反となる。

わかりやすく言えば、「10000円の50%オフ」による「5000円」と表示したければ、一定期間10000円で販売した実績がないと表示できないということである。10000円での販売実績のない5000円の商品は、定価5000円と表示するしかないということである。

これを禁止しないと、いくらでも元値が高い値札を付けることが可能となる。販売実績がないのに「10万円の90%オフ」で「10000円」とか、「50000円の90%オフで5000円」とかの表示も可能となってしまうわけである。例えば、ユニクロがオックスフォードシャツを定価が1900円にも関わらず「元値7900円の75%オフ」と表示したらどうだろうか?
グルーポンの表示はこれと同じことをしているのである。

洋服は、原価が非常に分かりにくい。素材・縫製が良くても価格が安いブランドもあるし、素材も縫製もあまり良くないけれどもブランド名だけで価格が高いブランドもある。綿花が2ドルを越えた現在でさえ、洋服の価格上昇が叫ばれないのはそのせいである。
反対に食材は原価がわかりやすい。だからコーヒー豆が急騰すれば、インスタントコーヒーの値段も上がる。

しかし、料理はどうだろうか?食材ほどには原価がわかりにくい。そこそこ良い食材を使い、味もおいしいのに価格が安い料理もある。反対に味はさほどでもないのに価格の高い料理もある。
ひどく乱暴に言ってしまえば洋服も料理の値段も売り手が付け放題だ。

だからこそ元値の偽造は犯罪なのである。

しかし、残念なことに小売業者でさえこの景表法を理解していない場合が多い。こと洋服に限って言えば、そこそこの大手小売でさえも、元値を偽造しようとするケースがある。自分が景表法を教えてもらったのは、友人のデニムOEM業者からである。
彼は、以前、量販店向けの衣料品メーカーに勤務していたのだが、そのメーカーで景表法について厳しく指導されたという。
彼によると「大手量販店ですら景表法に対しては無頓着な担当者がおり、元値の偽造を要請することがあった。その都度景表法を持ち出して注意した」とのことだ。

今回のグルーポンは事件が大きくなりすぎて景表法違反が発覚した事例だが、厳しく適用するならまだまだ摘発される小売業は増えるだろう。それは飲食に限らず、洋服の小売業者も相当数に上るはずだ。今回の景表法違反は、ほんの氷山の一角にすぎない。

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