改めて自社の顧客層を見直してみよう
2014年9月16日 未分類 0
9月12日、エドウインが自社のレディース向けレギンスパンツブランド「ラディーバ」の初直営店をグランフロント大阪南館4階にオープンした。
来月には東京駅店をオープンさせるとともに、来年5月までに残り5店舗をオープンさせて計7店舗体制となる計画である。
その内容はこちらにまとめてみた。
エドウインが「ラディーバ」の直営店を初出店。来年5月までに7店舗開設を計画
http://a-mp.jp/article.php?id=2188
で、その際、興味深いことを聴いた。
ラディーバのレングスは1種類である。
身長にもよるが女性の平均身長で9分丈になるように作られているそうだ。
(9分丈のラディーバ)
で、その9分丈のレギンスパンツの動きが今夏も良かったそうだ。
今春夏は売り場でひざ下丈のパンツをメンズ、レディースともにほとんど見かけなかった。
レディースのトレンドはスカートであり、ひざ上何センチというショートパンツである。
9分丈とか、ここでは登場しない7分丈とかいうパンツはあまり見かけなかった。
これは各ブランドがトレンドに沿った物作りをしているためである。
しかし、生足を極度に露出したくないという女性消費者も実は相当数存在する。
そのため、タイツorストッキングとショートパンツの重ね穿きをするという女性も多かったのではないだろうか。
この写真のような着こなしをけっこういたるところで見たような気がする。
で、そういう女性は9分丈とか7分丈のパンツがあれば、それを購入していたのではないか。
何せ2枚穿くよりも1枚だけの方が涼しい。
エドウインの商況を聴いていて、つくづくとトレンドと実需のバランスは難しいなと感じた。
洋服は多かれ少なかれトレンドが求められる。
トレンド無視のデザインではなかなか売れにくい。
一方で洋服には実用衣料の側面がある。
量販店やユニクロ、スーツチェーン店などの洋服は実用衣料の性格が色濃い。
どの層に向けて売るかによってトレンド性と実用性のバランスが変わる。
量販店やユニクロ、スーツチェーン店などはトレンド性が2~3の割合、実用性が8~7の割合くらいのバランスではないだろうか。
一方、中級価格帯のファッションブランドならトレンド性が4~6、実用性が6~4の割合ではないか。
さらに高級なファッション性の高いブランドならトレンド性が8くらい、実用性は2くらいではないかと思う。
当たり前の話だが、自社ブランドの顧客層はだいたいどのあたりかということを見極めなくてはならない。
ラディーバの場合は、5500~6000円という価格帯でもあることから、トレンド性と実用性は半々くらいが適正ではないかと思う。
逆にひざ上丈ショートパンツとスカートに特化して上手く商品がさばけなかったブランドは自社の顧客層を見誤っていたというべきだろう。
筆者も含めて洋服業界の人はトレンドに注目しがちだが、自社のブランドがハイセンスなトレンドブランドであり、そういう顧客層であるならそれは正しい施策だが、そんなブランドは一握りである。
ほぼ実用品としてしか期待されていないブランドまでが闇雲にトレンド性を過度に追求するのは、自社の顧客層を見ていないということになる。
言うは易し行うは難しだが、少し意識するだけでも商況に反映されるのではないかと思う。