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南充浩 オフィシャルブログ

さらに革新性を追求してみては?

2014年8月13日 未分類 0

 世間は夏季休暇なのでゆるーく。

今日は繊維とかアパレルとはあんまり関係のないことを書いてしまう。

百貨店の食品偽装問題が話題になった時期があった。

「○○産」と書いていましたが、実は「○○産」ではありませんでした。

みたいなことが過去の事例も含めてあちこちの百貨店から頻出した。

で、その時に疑問を感じたのが「なぜ、回転寿司に使われる『代用魚』は大きな問題にならないのだろう?」ということだった。
wikipediaにも代用魚の数々が列記されている。

鯛=ティラピア
鱸(スズキ)=ナイルパーチ
スケトウダラ=メルルーサ
マグロ=アカマンボウ

などなど。

これも食品偽装の一環ではないのかと素人にはそう思える。
そんな疑問を感じていたら、先日、アクアカタリストというサイトにこんな記事が掲載された。

深海魚使えず回転寿司から悲鳴 大量閉店、前年割れも相次ぐ
http://aqua2ch.net/archives/39239491.html

とくに回転寿司を苦しめているのは、原価の上昇だ。世界的に魚をはじめとした水産資源の価格が上昇しており、薄利多売のビジネスモデルには厳しい状況だ。

そしてそれをかつて補っていたのが深海魚をはじめとする代用魚だった。だが、食品偽装問題が浮上し、企業のコンプライアンスが問われる時代になると、代用魚で「タイ」や「ヒラメ」として提供することが難しくなっている。

とある。
やはり、代用魚・代替魚は大々的に報道されないだけで、ひそかに問題視されていたようである。
筆者にはそれは当然だと感じられる。

そこでアクアカタリストで紹介された記事にはこんな解決策が提示してあった。

回転寿司の“どんな料理でも提供する”エンタメフードコート化を、こういった逆境に促進されたものだったのだ。こうなったら一周まわって深海魚などの珍魚を扱う、さらなるエンタメ化を突き進んで欲しいと思うのだが、どうだろうか。

である。
この意見には筆者は賛成である。

以前のままの表示でとどめてほしいという意見があることも承知している。
その心情はわからないではない。
ナイルパーチの握りとか、ティラピアの握りなんて何となく語感的にもしっくりこない。

しかし、用意できないものに固執していても仕方がない。
記事で提示されたような解決策が最善だと思われる。

結論に至る経緯は違うが、最終的にこれと同じような解決策を提示した漫画がある。

「将太の寿司2」である。
2というからにはこれは続編だ。

前作は関口将太という少年が寿司屋で修業して成長していくという物語である。
今作はその18年後の設定で、関口将太の息子である将太朗と、関口将太最大のライバルだった佐治安人の息子、佐治将太の主人公二人体制だ。

その中で、つぶれかけた個人経営の零細寿司屋を立て直すための方策が、これに近かった。

釣り人が釣った魚を店で買い入れ、それを寿司にする。
趣味の釣り人が釣る魚だから、通常のネタになりそうな魚以外の種類もたくさんもちこまれる。
ウツボだとか小型のサメだとか。
そういう珍しい魚を生簀で見せながら、それをさばいて寿司にする。

これによって子供も喜ぶエンタメ性を備えた寿司屋になって、その寿司屋の経営が立ち直るという展開である。

まあ、漫画なので実現可能かどうかはわからないが、
作者の寺沢大介さんなりに考えた解決策と感じられる。

その解決策が記事で提示されている方策とほぼ一致する。
記事が掲載されたのと、漫画で提示されたのもほぼ同じ時期である。

魚好きの人にはいささか抵抗があるかもしれないが、そこまで魚に対して思い入れのない筆者にとっては、むしろいろいろな種類の魚が楽しめる良い機会だと感じられる。

問題はどこの回転寿し屋が最初にこのプランをやり始めるかだろう。
低価格・低コストで運営するには、従来型の魚の使用は不可能になりつつある。
もともと革新性で市場を切り開いてきたのが回転寿しなのだから、さらに革新性を追求してもらいたいと思うのだが。

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