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南充浩 オフィシャルブログ

雑誌の効力はなくなりつつある?

2014年8月6日 未分類 0

 先日、某インポートカジュアルブランドの展示会にお邪魔した。
その際、担当者がこんなことを話し始めたのでびっくりした。

「最近、ファッション雑誌の効力がなくなった。広告を出しても記事を掲載してもらっても反応がない」

このブランドはこれまでファッション雑誌にまずまず掲載されてきた。
そのブランド担当者からしてこんな感想を持つようになってきたことに驚いたのである。

もちろん、ブランドのテイストがトレンドに合っているかそうでないか、という点は考慮しなくてはならないだろう。

それを考慮してもファッション雑誌の効力が10年前と比べて衰えていることは、多くの他社ブランドも痛感しているのではないだろうか。
続けて、この担当者は

「今の若い世代の人たちは、雑誌を読まず、ファッション情報はネットのニュースやファッショニスタのブログから得ている場合が多い。とくに自分と交流のある人たちはそういう傾向にある」

ということも漏らしていた。

これも全員がそうだというわけではないが、10年前と比べてそういう傾向の若者が増えているということだろう。

でもいまだにファッションブランドのプレス担当者や広報担当者と話すと「ファッション雑誌に掲載してもらって云々」という言葉が出てくる。
傍から見ているとそれで効果があるのは一握りのブランドなのに、唯一の広報手段のように多くの担当者が考えていることに違和感がある。
その傾向はベテラン担当者になればなるほど強くなるようにも感じる。

先の担当者が感じる通りであるなら、雑誌広告を減らしてウェブ広告を増やせば良いのではないかという理論が成り立つ。
しかし、現状のバナー広告はあまり効果がないのは媒体側も広告代理店も理解しているはずである。
理解していないのは広告主だけであろう。

またファッション雑誌を使ったPRの難点の一つに広告掲載料が高額だということもある。
値引きや投げ売りもあるが、1ページあたりの平均価格は100万円と考えておくと間違いない。
2ページで200万円。
これは1回の掲載料である。

この金額を出せるアパレルブランドはほぼ大手に限られるだろう。

小規模ブランドは年に1度くらいは出せても何回も続けることは不可能である。

一方、ウェブの広告料は総じて安い。
1回の掲載で100万円もするような媒体は極めて少ない。

と、なるとバナー以外のウェブでの告知を模索する方が適切ではないかという結論になる。

影響力のあるウェブ媒体や、読者数の多いブロガーにブログ内でブランドや会社の取り組みを取り上げてもらうのが、現在のところもっとも効果があるといえるのではないかと考えられる。

以前に知り合ったニットキッチン元社長の坂本直章さんが新たな事業として「iPR」という告知事業を始められた。
影響力の強いブロガーやライターに、ブランドや企業の取り組みを紹介してもらうという有料サービスである。

http://ameblo.jp/knitkitchen/entry-11879077679.html

ちょっと長いけど、経緯はこのエントリー内で触れられている。

価格はそれほど高くない。1回あたり5万~10万円程度である。
年間12回使っても合計で120万円だからファッション雑誌1ページ分くらいの価格である。

https://www.facebook.com/joyzipper

詳細はこちらで確認できる。

ウェブ媒体にはもう一つの利点がある。
ファッション雑誌脳の担当者は媒体を「BtoB」向け、「BtoC」向けに分けたがるが、
ウェブに掲載された記事は両方から読まれる。

例えば「リーバイス」と検索してみたら、リーバイスのHPや通販サイトが上がってくるが、およそBtoB向けと思われるような決算記事も上位に表示される。
業界関係者でない消費者だってこの記事を読まないとは限らない。
反対に業界関係者だってリーバイスの通販サイトを興味本位で覗く可能性もある。

紙媒体としての繊研新聞は業界紙だが、ウェブ媒体の繊研プラスは一般消費者からも読まれている可能性があるということである。

消費者行動の法則として現在では「アイサスの法則」がもっとも適切だと考えられている。

人が消費行動を起こす際、

•「Attention」(注意が喚起され)
•「Interest」(興味が生まれ)
•「Search」(検索し)
•「Action」(購買し)
•「Share」(情報を共有する)

という手順を踏むという理論である。

このうち、三番目のサーチと最後のシェアはこれはウェブを介して行われる。

「iPR」と似たようなサービスは大手の広告代理店も少しずつ実用化し始めているとも耳にしている。

アパレルの広報手法もそろそろファッション雑誌一辺倒から変化しても良い頃合いではないかと思うのだが。

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