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南充浩 オフィシャルブログ

上辺だけの風潮に終止符を

2014年8月5日 未分類 0

 国内ブランドは「物作り」の姿勢を打ち出す場合が多い。
それ自体は大いに説明すれば良いと思う。たとえば、自社国内縫製工場を持つジーンズアパレルが残り少ないとはいえ、何社か存在する。それは大いにアピールすべきだと思う。

しかし、往々にしてそれらの「物作り」の姿勢は噂が連鎖するうちに変質して蔓延する。
〇〇産の素材だから品質が良い

とか

〇〇で織られたデニムだから品質が良い

とか

そういう単純化された図式が蔓延してしまい固定概念化する。
製造側とかこれを仕掛けた側はわかっていてやっているが、門外漢たちは「〇〇産」ということのみを金科玉条のごとく扱い神格化してしまう。
まことに苦々しい風潮である。

〇〇社だって高額デニム生地も織っていれば、買いやすい値段の定番デニム生地も織っている。
ある程度の量を追求するのが近代織布工場であるのだから、どこかの個人工房のように少量の高級生地だけを織っているわけではない。

それと同じことがミシンにも言える。
二言目には「ユニオンスペシャル」である。
製造する側がわかっていてアピールしているならまだしも、業界のミーハーが何もわからずに、ただ「ユニオンスペシャルで縫われた物なら何でも良い」と思っていることは実に滑稽である。

そんな中、こんなブログを紹介された。
ミシンを扱っている方が書いておられるので説得力が格段に違う。

機種の選定
http://unionspecial.blog134.fc2.com/blog-entry-1008.html


工業用ミシンとは本当に多種多様。本来現行機種を選ぶ時でさえ、そうとう慎重になるのに
ビンテージのミシンで物作りをするとなると、ミシンの種類や機種の選定はもっと慎重にならざるを得ないはずなのです。

「19ウン十年代のミシンを使っています」

もうそろそろ、そんな安易なキャッチフレーズの時代は終わります。

とある。

さらに続けて

今や、日本のアメカジが注目されるあまり、最近では海外でもどんどん古いユニオンスペシャルが発掘され
ネットに氾濫してきている状況です。が、しかし、見た目だけで購入すると必ずハズレも有ります。
ユニオンスペシャルの神話は、あくまでも日本で出来たもの。
昔は、本国の方はよく言いました。日本には素晴らしいミシンが沢山有るのに何故わざわざ古いユニオン
を使うのか??と仰る方も沢山おられました。

ユニオンスペシャル云々が注目されるのはアメカジ業界が主となっています。
その中で日本製とかメンタルな部分が大きいと思いますが、
ただ単に「ユニオンスペシャル」を使えば凄いものが出来る。
そんな上辺だけの風潮はもう終わりにしても良いのではないのかな。

ともある。
この意見には深く賛同する。

筆者が感心するのは、これを書いておられるブログ主が、ユニオンスペシャルを販売しておられる業者だということである。
邪な商売人なら、ユニオンスペシャル賛美の風潮をもっと煽るところである。
なぜならその方が儲かるから。
しかし、自身がそれを扱っておられるにもかかわらず、そういう風潮に警鐘を鳴らしておられる。
これはなかなかできることではない。
これこそ真の商売人の姿勢といえるだろう。深く感銘を受けた。

そしてビンテージ衣料に関する考え方も深く賛同する。

ヴィンテージ衣料はあくまでも既製服のカテゴリ。大量生産の中で出来上がった物。
当時は特別なものでは有りません。沢山のライバルが有って、各社しのぎを削りながら
作られたもの。だと言う事を忘れてはいけません。ライバルが沢山居て、しかも繊維と言う
業界自体が、各国の主要産業だったからこそ、色々な良い物が生まれた、と言う事。

とのことである。

ビンテージ衣料は別に伝統工芸品でも、芸術品でも美術品でもない。
あくまでも大量生産された物である。
個々の時代特有の制約の中から生まれた大量生産品である。

製造をよく知っておられるからこそ書ける文章だと思う。

引き続きこのブログにも注目していきたい。

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