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南充浩 オフィシャルブログ

雑誌広告より店頭イベントを

2014年6月26日 未分類 0

 ファミリー向けSPAのコージィコーポレーションの今8月期が増収増益の見込みだそうだ。

http://www.senken.co.jp/news/cozycorporation/

少し前からこの会社の名前を知っておられる方は、ファミリー向けSPAというより、子供服SPAというイメージが強いのではないかと思う。

記事では利益額は書かれていないが、売上高は87億円の見通しである。

筆者が注目したのは次の一節である。

販促面では、今期はテレビCMや雑誌などのメディア露出はやめ、店頭でイベントの仕掛けを積極化した。子供向けの似顔絵プレゼントや、ネイルアート体験などを企画し、店頭の活性化につなげた。

とある。

本文の写真では、女児にネイルアートを施しているものが掲載されている。

これは販促の一つのやり方として他社も注目すべきではないか。
ファッションブランドの多くは販促の一番の手段を「雑誌」だという。
雑誌広告、雑誌に記事として掲載される、である。
ここでいう雑誌とは主にファッション雑誌を指しており、経済雑誌や情報雑誌ではない。

筆者の知る多くのブランドのプレス担当者は「ファッション雑誌」が最大の販促ツールだと考えている。
けれどもファッション雑誌に以前ほどの影響力がなくなったのはメディア関係者なら皆知っている。

宝島社の雑誌を除くと、各雑誌の部数は軒並み減少しており、広告出稿の減少を主要因とした営業不振から廃刊が相次いでいる。
こういう状態ではファッション雑誌そのものの影響力は低下するのは、自明の理であり当然である。

筆者が知る小規模ブランドの中にもファッション雑誌に掲載される場合がある。
掲載されても多くの場合は、それほどの反響はない。
ゼロではないが、一般的に考えられているような反響はない。
掲載された洋服が飛ぶように1日で100枚売れたとかそういうことは耳にしたことがない。
せいぜい問い合わせが10件あったとか、雑誌を見た人が数人店に来たとか、数枚売れたとかそういう場合がほとんどである。

きっちりしたデータが無いので恐縮だが、体感だとファッション雑誌の影響力低下が顕著になったのは2000年代半ば以降ではないかと感じる。

ならば、コージィコーポレーションのように雑誌への広告出稿費を顧客参加型のイベントに切り替えた方が、効率的ではないのか。

何度も書くように、ファッション雑誌への広告出稿費は相場として1P=100万円である。
2P見開きなら200万円である。

もちろん、割引とか投げ売りの場合もあるからもっと安くで出稿できることもあるが、定価相場はそんなものである。

200万円で店舗内のイベントをするとなると、イベント内容にもよるがかなり多くの店舗で開催できる。
これが年間1000万円の出稿予算を持っていたとすると、1000万円すべてを店舗イベントに振り分ければ相当大規模なイベントが可能になる。

現在の物販では消費者参加型のものが強い集客力を持つ。
ワークショップが流行しているのもその一例だろう。
消費者が店舗イベントに参加することで、消費者も満足感を得られるし、店舗やブランドとの心理的結びつきも強化される。

囲い込みというと、前時代的なにおいがしてあまり好きではないので、ここでは関係性が強化されると言いなおしておこう。

また店舗でイベントをすることで集客すると、なぜか流動客も多く入店してくる。
不思議なことに混雑している店に関係のないお客まで集まる。

こう考えると店舗イベントを強化することは良いこと尽くしだといえる。

東京の有名ブランドのプレス担当者と接すると、彼らの多くは「1に雑誌、2に雑誌」という見方をしていると感じる。しかし、その見方は古く、10年前で終わった価値観を今もそのまま引きずっているといえる。

雑誌偏重の販促、広報体制をそろそろ本気で見直す時期に差し掛かっているのではないか。

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