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南充浩 オフィシャルブログ

愛読しているクリーニング屋視点のブログ

2014年6月18日 未分類 0

 ファッション関係の人間では絶対に書けない内容を多く挙げているので、敬意を表して読んでいるブログがある。

大阪のクリーニング屋さんが書いているブログである。

http://ameblo.jp/cleaning-bee/

昨日はクリーニング屋の視点で、ユニクロはなぜ売れ続けるのか?というエントリーがアップされていた。

http://ameblo.jp/cleaning-bee/entry-11879677554.html

興味のある人はジャンプして全文を読んでいただきたいが、ユニクロの高品質さは、家庭洗濯を想定しているからではないのか?というのが彼の推論である。
ユニクロの商品は定価で買っても安い。しかも購入者の多くは値引き時に買っていると推測され、かなりの安値で購入している。
安値で購入した商品をわざわざクリーニングに出すだろうか?
貧乏人の筆者なら出さない。

ここ2年ほどはユニクロで買うことはめっきり減った。
それでも先日、昨年物のグラフィックTシャツが390円(税抜)まで値下がりしていたので購入した。
昨年物のプレミアムコットンTシャツヘンリーネックも500円(同)にまで値下がりしていたので購入した。

こういう投げ売り商品をちょくちょく買っている。
ウールのセーター、カーディガン類でも990円に値下がりしたのを購入したこともある。

990円に値下がりしたセーターをわざわざ代金を支払ってまでクリーニングに出そうと思うかである。
筆者は出そうとは思わない。

おそらく、同様に考える消費者も多いだろう。だからユニクロ商品は家庭洗濯が前提として作られているのではないかというのが彼の推論である。

こういう視点はファッション業界関係者からは出てこない。

このほかにも、東京シャツの商品は低価格で見た目も良いが使用している芯地の品質が良くないとか、
H&MやZARAの商品はクリーニングをすると色が出てしまうことが多いとか、という価値ある指摘が多い。
H&MやZARAはクリーニングに耐えられないほどの生地、縫製仕様だと指摘している。

H&M、ZARAについてのエントリーは興味深いので後日、別途ご紹介したい。

さて、ユニクロについてだが、先ほどのエントリーでは「出始めの頃は品質が良くなかった」と書かれてある。
お若い消費者はご存じないかもしれないが、90年代半ばまでユニクロは量販店アパレルの製品と並行輸入商品が並ぶ「安物屋」だった。

筆者が初めてユニクロの店舗を見たのは94年前後である。
そのときは、美濃屋がライセンス生産する「コンバース」のトレーナー、Tシャツ類と、並行輸入のリーバイスが並ぶ店だった。「とくに買いたい物がない」と感じたことを覚えている。

彼のエントリーの内容に沿って話を進める。

今でもユニクロ製品の品質は良いと書かれてあり、筆者も概ね賛同するが、細かく指摘するなら2010年ごろからユニクロと言えども品質は低下気味にあると感じる。

というのは全品番の生地が薄くなっているからだ。
とくに綿、ウールなどの天然繊維系は顕著だと感じる。

おそらくこれは綿、ウールなどの原料高騰が関係していると推測している。
ユニクロは今秋から、ようやく製造コスト増を転嫁して5%程度店頭価格を上げると発表したが、原材料の高騰ぶりからいうと、とっくに値上げしててもおかしくない状況だった。
価格を据え置くためには原材料の使用量を減らすことが一番の対策であるから、生地が薄くなったのはやむを得ない措置だったと感じる。

また、知り合いのデザイナーマンから言わせると縫製仕様も年々簡素化されているとのことである。
これは中国工場の人件費高騰に関連してのコスト削減だろう。

ユニクロの高品質がピーク時を迎えたのは2000年代半ばから2010年ごろの数年間ではないかと感じる。
好き嫌いは別として「+J」の品質はすばらしかったが、「UU」の使用素材はあまり大したことはなかった。

エントリーの中から、他のアパレルブランドへの苦言も以下に引用してみる。

ここまで、アフターフォローの力を入れているアパレルはほとんど無いかと思います。
全てだとは言いませんが、洗濯表示にドライマークを付けていればいいというアパレルさんも少なくないかと思います。

例えば、ポリエステル100%の薄手のブラウスが水洗い× ドライ◯ になっているなんてよくあること。ちなみにポリエステル素材はドライクリーニングすると、衣類の色が流れ出る可能性がすごく高いので僕たちはクリーニング店はドライクリーニングで洗いません。
もちろん、水洗いで洗います。

とのことである。
ポリエステルは概して水洗いに強く、色落ちしにくく、型崩れしにくい。洗濯による縮みも少ない。シワもよらない。
よほど特殊なポリエステル繊維を使用しない限り、家庭洗濯にもっとも適した繊維である。
それを自社の保身のためとはいえ、「水洗い×」「ドライ〇」と表示するのはいかがなものか。
ドライクリーニングで色落ちさせることが消費者利益・消費者満足につながるのか?

このあたりは、他のアパレルはもう一度自社のスタンスを見直すべきではないか。

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