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南充浩 オフィシャルブログ

数字のマジック

2014年3月3日 未分類 0

 数字が増えた減ったはどの分野に限らず一定のニュースバリューがある。
たとえば決算の売上高が昨年より増えた減ったというのはそれだけでニュースとしての価値がある。

ただし、一昨年と比べるとどうだったか、数年前と比べるとどうかという視点がないとあまり意味はない。
「昨年より売上高が5%増になりました。売り上げは回復基調です」なんて報道は掃いて捨てるほどあるが、その企業の一昨年の売上高には遠く及ばないということも珍しくない。
その場合は「売り上げ回復にはまだまだほど遠い」と評さざるを得ないことがあるが、無意識なのか意識的なのかわからないが、そういう報道をするマスコミはあまり多くない。

どうしてこんなことをいうかというと、シラスウナギの「豊漁」報道に異議を唱えるブログが話題に上っているからだ。

シラスウナギの豊漁報道の異常性
http://katukawa.com/?p=5451

数字をならべるよりも以下のグラフを見てもらうと一目瞭然である。

図1

まったく豊漁ではなく、4年前の水準に回復した程度である。

実効的な規制がないなかで、密漁が蔓延しているのです。管理できていない現状を問題視するどころか、「豊漁で安くなる」と横並びで煽っているのが日本のマスメディア。このあたりにも、他の先進国と異なり、日本では水産資源の枯渇が社会問題にならない原因があるのかもしれませんね。

と結ばれているが、まったくこの通りである。
とりあえず目先の数字の増減のみしか報道しないのが日本のマスコミである。

一般紙だけではなく業界紙も同じ体質にある。

先日、原稿の依頼があったので改めて2011年と2012年のジーンズ生産統計を見比べてみた。
生産統計自体の問題点は今回は置いておく。

2011年の統計ではボトムスの合計生産量は前年比2・6%増の4711万本だったが、ブルージーンズは前年比6・9%減の2258万本だった。ボトムスの合計生産量が伸びたのはカラージーンズとショートパンツ・スカートが伸びたためだ。

また2012年の生産統計ではボトムスの合計生産量は前年比1・3%減の4650万本となった。ブルージーンズは前年比3・1%増と微増の2338万本となったが、カラージーンズ、ショートパンツ・スカートが減少した。ただ、微増したとはいえブルージーンズは2010年の生産量には届いていない。

どういうことかというと、2010年のブルージーンズの生産数量を100と仮定すると、2011年は6・9%減だったので、93・1である。
2012年のブルージーンズの生産数量は2011年よりも3・1%増なので95・98となる。

2010年よりも約4%少ないことがわかる。

知っている範囲で、これについて言及していた業界紙はない。
「ブルージーンズの生産数量が微増」という書き方に終始していた。
あくまでも知ってる範囲内であるが。

筆者も含めて報道機関は目先の数字の増減に飛びつくやすいが、自戒も込めて慎重な姿勢が必要だと改めて感じさせられた。

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