百貨店も複合店を増やしてみては?
2014年3月4日 未分類 0
以前、カジュアルメーカーの部長が「百貨店はメンズ、レディースのフロア分けを止めて、メンズ、レディースの複合店を増やせば売れ行きはある程度回復する」と提案されていた。
現在、展示会を取材してまわると、メンズブランドも子供ブランドももはや単独での出店は難しい状況にある。
郊外型ショッピングセンターは周知のようにメンズ・レディースの複合店がほとんどであり、そこに子供服が加わったファミリー型売り場も多い。
反対にレディース単独、メンズ単独、子供単独の店の方が少数派である。
都心のファッションビルは単独店が多いが、それでもメンズ単独店は出店要請があまりないらしく、先日取材したメンズブランドは「レディースも独自企画を始めたので、最近はファッションビルへの出店要請が増えました。メンズ単独のままだったら出店要請がなかったでしょう」と答えている。
こういう状況を見ると、百貨店がいつまでメンズとレディースと子供をフロア別に分けたままでいられるのかと疑問を感じる。
百貨店の中で偶然とはいえ、フロアにメンズとレディースが同居している店舗がある。
大阪・難波にある高島屋大阪店である。
フロアガイドを見ると、2階の中央にはエリアには婦人バッグ、婦人靴などが、2階の西エリアにはメンズ雑貨がある。
3階は西エリアと中央エリアがレディースウェアブランド、東エリアはメンズコンテンポラリーとなっている。
4階も西・中央はレディースブランド、東はメンズカジュアル
5階は中央がレディース、東がメンズビジネスウェア
である。
高島屋大阪店は増床改装によって、横に広がった。
馬蹄形の形になっているため、ひどく見通しが悪い。
真四角に作られている近鉄百貨店あべのハルカス本店とは正反対の設計といえる。
通常の百貨店の増床の場合、縦に高くなることが多いから、フロア別にメンズとレディースを分けたままにすることができる。
ところが高島屋は横に広がったものだから、階層で分けることはできずにメンズとレディースが同一フロアにエリア分けされて同居することになったと推測される。
これを高島屋が意図したかしていないかはわからない。
なにはともあれ、件の部長の提言がはからずも高島屋大阪店で実現していたことになる。
百貨店の顧客は主に年配層だといわれている。
年配層の男性は自分で洋服を買うことはまれである。
奥さんか娘さんに代理購買されるか、もしくは一緒に来て選んでもらう場合が多い。
そうなると、件の部長が言うようにフロアでメンズとレディースが分かれていると不便に感じる。
メンズ、レディースで分けるよりも、カジュアル、フォーマル、コンテンポラリーなど、テイスト別に分けてメンズ・レディースの複合型にした方が良いのではないか。
もちろん百貨店側は管理体制を変えねばならないから大変だろうとは思うが、それは百貨店側の都合であって消費者には関係のないことである。
それこそ「百貨店はサービスが行き届いている」と自称するのであれば、管理体制の変動くらいは受け入れなくてはならないのではないか。