差が開いた
2013年8月23日 未分類 0
恒例のライトオンとジーンズメイトの月次売上速報が発表された。
今回は8月度である。
店頭を見て回った感触では、両社ともさほど大きな違いはない。
6月半ばからセールは続いたままだし、8月に入ってさらに一段階値下げされた商品が増えている。
そういう環境下にある。
ライトオンは
既存店売上高が前期比2・9%増
既存店客数が同5・6%増
既存店客単価が同2・5%減
だった。
一方、ジーンズメイトは
既存店売上高が前期比13・5%減
既存店客数が同6・4%減
既存店客単価が同7・6%減
に終わった。
ライトオンが微増、ジーンズメイトは客数と客単価の両方が減ったことによる大幅減収である。
どちらもトレンドはさほど追いかけていないベーシックカジュアルな売り場であるのにもかかわらず差が開いてしまった。この差はどこから生じたのか。
店頭を見た感じでは価格差ではない。セール品の価格は両方とも同じくらい安くなっている。
どこから差が出たのかを考えてみると、ジーンズメイトの回復の手がかりになるはずである。
ちなみにライトオンの6月度と7月度はそれぞれ
6月度は
既存店売上高が前期比4・6%増
既存店客数が同1・0%減
既存店客単価が同5・6%増
7月度は
既存店売上高が前期比4・8%増
既存店客数が同8・6%増
既存店客単価が同3・5%減
とまずまずの実績である。
ジーンズメイトは6月は微増で堅調だったが、7月度はやや苦戦傾向で、7月度で差が開いたといえる。
6月度は
既存店売上高が前期比0・5%増
既存店客数が同1・2%減
既存店客単価が同1・8%増
7月度は
既存店売上高が前期比8・1%減
既存店客数が同3・3%減
既存店客単価が同4・9%減
となっている。
また両社で正反対となっているのが8月度商況へのコメントである。
ライトオンは「クロップドパンツや清涼素材のイージーパンツなどを中心に夏物商品の販売は堅調に推移いたしました。その他商品動向としましては、メンズはリネン素材や柄物の半袖シャツ、ウィメンズはプリントタンクトップが堅調に推移いたしました」とコメントしているのに対して、
ジーンズメイトは「帽子などの服飾雑貨類は健闘したものの、ポロシャツなどのカットソー類やショートパンツをはじめとしたボトムス類全般が苦戦した」とコメントしている。
今春夏は、ここ2,3年に輪をかけてメンズショートパンツ類が好調に動いており、コメントから推測するとライトオンにはその恩恵があったが、ジーンズメイトにはあまりなかったと受け取れる。
この差はどうして生じたのか。ここを分析することでジーンズメイトにも今後挽回のチャンスは巡ってくると思うのだが。
さて、上場企業各社の多くは月次速報を発表しているが、これは売上高・(買い上げ)客数・客単価の3つしか出ておらず、利益についてはまったく不明である。
だから、当然、売上高が前年より増えていればまずまず、減っていれば苦戦と判断せざるをえないのだが、決算として発表された場合、増収していても減益に終わっているということも珍しくない。
今更言うまでもないことだが、月次速報は目安程度に見るべきだろう。