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南充浩 オフィシャルブログ

業界全体が「知覚リスク」?

2013年8月20日 未分類 0

 お盆が終わった。
お盆が終わると、売り場も本格的に秋物が立ち上がりつつ、まだ残っている夏物がさらに安くなって処分される。

10年くらい前だと、お盆過ぎの処分品はいくら安くなっていてもそれほど良い物は残っていなかったが、衣料品がダブついている昨今はけっこうそれなりに良い物が残っていたりする。
こういうのを見ると、何もわざわざ定価時期に買わなくても良いのではないかと思う。

同じように感じる消費者は多いのだろう。だから定価では売れず、セールでもあまり売れないのだろう。

さて、そういう消費者の「損失回避性」を含めたものを知覚リスクというのだが、商品が定価で売れない理由はマーチャンダイジングが悪いからだとか、ブランディングが下手くそだからだとか、ヴィジュアルマーチャンダイジングが云々だとか、そういう要素以外にもこの知覚リスクがあるからだ。
「待っていれば確実に安くなる」のがわかっており、また、昨今の店頭状況からその商品が定価の状態で売り切れる可能性は極めて低いことがわかっているから、消費者は待つのである。

これをブログで指摘されているのが深澤智浩さんである。

ちょっと引用させていただく。

知覚リスク
http://www.apalog.com/fukasawa/archive/701

最近、消費者が『お買い得』よりも、

買い物をする時点では、『如何に損しないか?』の方に敏感になっているという

『損失回避性』についてよく語られています。

また そのような商品行動の基となる考えや信念を

知覚リスクともいうのですが

いま まさに盛り上がりに欠けているSALE

そして、そのSALE商品なんて まさに知覚リスクの固まりのようなモノなんです。

まだ 価格が下がるかもしれないから、今買ったら損するかもしれない

せっかく安くしても、お客様にすると余計に損失を恐れる金銭的なリスクが高まったり、

在庫が沢山積まれているという事は、皆が受け入れがたいトレンドの商品であり

来年は着れないかもしれないというリスクや、着ていった先での恥ずかしい

思いをする社会的なリスクが生まれるかもしれない・・・・・

(中略)

購入する事で、お客様が、お得になれる!!

売り手が本当にそう思ってかどうかは別にしても

そんなフレーズだけで 大々的にSALE商品を販売したり

SALE開催のタイミングをヤイヤイと論じているだけでは

お客様の『損失回避性』と知覚リスクは増すばかりだよな~と思うのです。

とのことである。

こういう感覚は現在の消費者にはたしかにあると思える。
ところで、この「損失回避性」の知覚リスクだが、なにも消費者ばかりではないだろう。

アパレルやブランド、メーカーサイドにも大いに備わっているのではないだろうか。
例えば新しいシステムの導入や新しい商品開発にあまり積極的でないことも「知覚リスク」の一つだろう。
さらにいえば、商品開発においてもオリジナルよりも他社売れ筋商品のコピーを重視するのだって「知覚リスク」がその原因の一つではないだろうか。
まあ、その他社売れ筋商品だって欧米ブランドのパク・・・・・・いやコピーだったりするわけなので、孫コピー、曾孫コピーなんて世の中に溢れている。玄孫コピーだって珍しくない。

企画マンやデザイナーを雇用・契約せずに、街頭ストリートスナップと他社店頭の売れ筋商品をパク・・・・いやコピーするのだって「知覚リスク」が働いていた部分も大きいのだろう。(もちろんそれ以外の要因もある)

こう見てくると、繊維・アパレル業界は供給側もその商品を購入する消費者も総じて「知覚リスク」が過剰に働いている状態ともいえるのではないか。

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