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南充浩 オフィシャルブログ

ZOOMを使ったトークイベントを開催します。(前置き長めの告知)

2020年9月23日 告知 0

物やサービスにはさまざまな売り方がある。

それこそ「多様性」で違法でなければさまざまな売り方があっていい。

飲食でもそうだ。当方はそんなに好きではないが(めちゃ嫌いでもない)、焼き肉もさまざまで、安い「情熱ホルモン」もあれば、高いナンタラ苑とかいう焼き肉屋もある。中間価格帯もある。

ナンタラ苑に行ったことはないが、情熱ホルモンと中価格帯はある。あんまり飲食にコダワリはないから、そのどちらもそこそこに美味しいと感じた。あとは自分の懐具合と相談してその時々に行く店を決めればいいだけのことではないかと思う。

宣伝広告や広報活動などが下手くそだったり、提供している料理が時流に合わなくなったりして潰れる飲食店は少なくないが、それは自由主義経済の中では普通に起きることで、全店が潤うことなどよほど特殊なブームでも起きない限り不可能である。

 

当然、洋服も同じである。

ユニクロの服でそこそこ満足できる人がいてもいいし、そうではないという人もいてもいい。

ただ、ユニクロでそこそこ満足できる人は多数派だし、そうではないという人は少数派であるため、そうではないという人をターゲットにしたブランドは、どうしても小規模にならざるを得ない。

スーツだって、洋服の青山やアオキがあってもいいし、街の個人経営のテイラーがあってもいい。ただし、個人経営のテイラーは潰れる可能性が青山やアオキよりは高い。潰したくなければ経営者が優れた手腕を発揮するしかない。優れた手腕がないなら潰れても仕方がない。

あとは「運」もある。

 

しかし、最近は洋服においては「大量生産=絶対悪」というメディアやネットの論調がある。

以前にも書いたが、ユニクロは2003年、ヒートテックを初めて投入して150万枚を完売して、足りない状態になった。このように150万枚作っても150万枚完売すれば何の問題もない。大量生産は悪ではない。

 

その一方で、大量生産に反対をする人がいるのも構わない。それこそ個人の意見は自由である。

当方には、そんな財力はないから、高い服を買わないだけだし、ユニクロの中でも結構イイものがあるので、それを買えればそこそこ満足する。これも個人の自由意見である。グダグダ言われる筋合いはない。

 

今春の新型コロナショックで、店舗休業を余儀なくされたアパレル業界は、注文のキャンセルが相次いだ。

仕上がった物の納品拒否はどうかと思うが、それ以降のオーダーを一旦ストップしたいというのは理解できるし、あり得る措置である。

現在、数量ベースでは、国内で流通する衣服の98%が海外生産である。

当然、海外の縫製工場にもそれ以降の注文のストップは波及する。

その際、ネット、特にSNS上では「バングラデシュの縫製工場の雇用を守れ」とか「アセアンの繊維工場の雇用を守れ」という声が、従来の「大量生産=絶対悪」論者や業界メディアに多く見られた。

当方ははっきり言って、疑問しか感じなかった。

 

いや、お前らどっちやねん?

 

と。

例えば、バングラデシュの繊維産業の状況だが、

https://senken.co.jp/posts/new-coronavirus-bangladesh-200408

最大の業界団体、BGMEA(バングラデシュ縫製品製造輸出業協会)によると、6日午後5時(現地時間)までに1115工場が操業を自粛。輸出オーダーのキャンセルは3億400万ドル、9億5200万ピースに上る。また219万人の労働者に影響が出ているとし、女性を中心に約400万人が就業する縫製業の停滞が社会や生活に影響を与えている。

とある。

大量生産がなければ、219万人とか400万人の雇用は絶対に守れない。20人とか400人とかのレベルなら、ちまちまと10枚・20枚の服を縫っていても生活は支えられるかもしれないが、200万人~400万人の生活を支えるためには、何百万枚・何千万枚という生産が必要になる。

大量生産を絶対悪視するなら、バングラデシュ人やアセアン人の生活など犠牲にするしかないし、彼らの生活を守りたいなら、大量生産は不可欠である。

最強の盾と最強の矛が同時に存在できないのと同じでしかないのに、それが現時点で両立できると思っているところに疑問しか感じない。

 

業界内の数少ない友人であるマサ佐藤氏も以前にブログでこのことに言及している。

大量生産と過剰供給は別物

しかしながら、大量生産を批判する一方で、同時にバングラデシュの雇用を守れ!!と同じメディアが語ることに、私は違和感を感じてなりませんし、寧ろ軽蔑しています。

 

まったく同意見である。

 

ついでにいうと、オーダー型ブランドも結局は生地・糸・副資材の備蓄に頼っているわけで、それらはこうしている間にも大量生産され続け、メーカーや問屋が備蓄しているのである。

大量生産システムに支えられている受注生産

 

で、今回、初めてZOOMを使ってトークイベントを開催することになり、そのあたりを、ゆるーくビールでも飲みながら話してみようということになった。(あくまでもゆる~くである)

実はこの手の組み立ては当方はからっきしなので、繊維商社のベトナム駐在員のよしきさんと、繊維商社の人事採用を担当しているもーりーさんにODM(要は丸投げ)してもらった。(笑)当方のようなダメなオッサンへの献身的なサポートに感謝したい。

無料だが、申し込みが必要なので、ご興味のある方はお申込みいただきたい。お申込みは下記のアドレスから。

 

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScNKnSEVGR5-EZVXbAKzLk06RcLpfDFd1rQRRHoSCqJTs5NwA/viewform

 

余談だが、当方は自分の顔も声も嫌いで、ZOOMでの会議は自分の話している顔とずっと対面せざるを得ないので、本当に嫌な気持ちになる。ZOOMを使うのは、金持ちになって中条きよしみたいな顔に整形してからやってみたかったのだが、そんな希望が実現する可能性は低そうなので、我慢して今春からZOOMを使っている次第である。

 

 

秋のお彼岸なのでおはぎをどうぞ~

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