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南充浩 オフィシャルブログ

タイミングを逃すと・・・・・・

2013年4月17日 未分類 0

 昨年夏物と思しき色柄ステテコが安売りされている風景をよく目にする。
2011年に色柄のステテコブームがあり、2012年はユニクロまでがステテコ商戦に参戦した。

その結果、過剰供給に陥り、各社のステテコは大量の在庫となってしまった。

大手肌着メーカー3社に尋ねたところそのすべてが売れ行き不良で在庫を抱えているという。
そのユニクロ自体が、真冬になっても夏物のステテコを売り続けていたのがすべてを物語っているといえるだろう。
ヒートテックステテコなる珍奇な防寒物と、昨夏の売れ残ったステテコが同時に売り場に並ぶというシーズンレスな光景を多くの方が目にされたと思う。

多くの色柄ステテコは単なる平織り生地やニット生地を使用しており、ステテコというよりはロングトランクスといった方が実状に近い。
ステテコには、強撚の緯糸で織られたシボのあるクレープ素材を使用するのが本来の姿である。
その綿クレープ素材の一大産地が滋賀県湖西の高島産地だ。

高島産地の方は、「亜流がたくさん発売されてしまってステテコの枠組みがボヤけてしまった。しかし、ステテコというアイテムの知名度が飛躍的に向上したのは喜ぶべきこと」と一定の評価をされているが、まさにその通りだろう。

なにはともあれ、ほとんど見向きもされなかったステテコというアイテムが復活したことは歓迎すべきことである。
いくら亜流が増えたと言っても。

さて、その色柄ステテコなのだが、その嚆矢となったのはアズのステテコドットコムだろう。
この提案は2005年から始まっている。
実に6年間かけて市場を育ててきた。

色柄でファッション性を採り入れたステテコは、ファッション雑誌を中心にPR活動が展開された。
業界紙は当然のことながら、一般紙でも長らく取り上げられることはなかった。
2009年に筆者も一度取材依頼をしたことがあるが「業界紙には対応いたしません」という返事だった。
一般紙でもあまり見かけたことがないので新聞というメディア自体に対応する気がなかったのだろう。

さて、PRに関していうと、ファッションブランドには「ファッション雑誌以外に対応しない」という先がけっこうある。
ファッション雑誌は新聞に比べるとマスではない。とくに雑誌の発行部数が凋落している現状では、以前に比べるとさらにマスなメディアではなくなっている。
どちらかというとコアな特定のファン層が読むメディアである。

中小規模のブランドとしてはその特定のコアなファン層にだけ届けば良いという考えなのだろう。
メディアの活用としてこれには一理ある。

しかし、今から振り返るとステテコドットコムは業界紙も含んだ新聞メディアに広く対応すべきだったと考えている。
とくに2011年夏にステテコブームが到来した際には、新聞各紙で広く「色柄ステテコの発祥」たる位置付けをアピールすべきだったと思う。

たしかに色柄ステテコはファッション性があるが、それでもステテコはファッション衣料ではない。
ジーンズやチノパンとは役割が違う。いくら外出もできる色柄ステテコといっても、それで遠出をしようと言う人はあまりいないだろう。せいぜいが近所のコンビニに行く程度の使用法である。
おもな用途はズボン下であり、ホームウエアである。

ファッション性を加味しているが、その性質は限りなく実用衣料である。

そうなると、ファッション雑誌よりも一般全国紙で記事を書いてもらう方が広く顧客を集めやすい。
自身が身を置いているからではなく、業界紙も大いに活用すべきだったと思う。
とくに2011年には類似商品が多数出てきたのだから、その「元祖」としての地位を広い層にアピールすべきだったと感じている。
元祖としての地位をアピールしないと他の大手企業の商品群に埋没してしまうからだ。
それには大衆にその存在とこれまでの活動を知ってもらうのがもっとも効果的だ。

ファッション雑誌でイメージを先行発信する手法は良かった。
これがアウター衣料のブランドならそのままでも良かったのだろうが、残念ながら肌着兼ホームウエアというアイテムなのでどこかで一般大衆向けの発信にシフトする必要性があった。
そのタイミングは2011年夏だったのではないだろうか。

そう考えるとステテコドットコムのPR戦略は少し残念だったと感じられてならない。

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