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南充浩 オフィシャルブログ

どの方向性を選択するのか?

2013年4月10日 未分類 0

 さて、今回のビッグジョンの経営再建発表によって、国内のジーンズ専業アパレルがどのような方策を取るべきかという議論が業界でなされ始めている。
外資だが、リーバイ・ストラウス・ジャパンも置かれている状況は同じだ。

議論百出というのは基本的には歓迎すべきであり、様々な角度から論じられるのは良いことだと考えている。

その中の一つに「今をときめく世界的モードデザイナーとの協業はどうだろうか?」という提案がある。
個人的にこのプランは成功が難しいと推測する。

コレクションブランドとジーンズアパレルの協業というのは実は過去にも何例かあるが成功したためしがない。
筆者がこの業界に入る遥か以前に、旧ボブソンがケンゾージーンズを手掛けていたことがある。
80年代のことだと耳にしている。

また最近だとリーバイスと「コムデ・ギャルソン ジュンヤワタナベマン」はコラボを続けている。
この取り組みが失敗だとは思わないが、これもリーバイ・ストラウス・ジャパンの決算を好転させることはできずにいる。その点においては成功とも言いにくい。

また世界的ブランドではないが、旧ボブソンが「ラッドミュージシャン」とコラボしていたこともある。
それによって旧ボブソンに何か効果があったのかといえば、旧ボブソンの結果を見れば一目瞭然だろう。

こうして考えてみると、今をときめく世界的コレクションデザイナーとコラボを打ち出したところで、一過性の話題として終わってしまう可能性が極めて高いのではないか。

個人的には、ジーンズ専業アパレルは自社の目標規模設定を行うべきだと考える。
高度経済成長期やバブル期のように無限に成長を続けることは不可能である。
昨日も書いたが単品卸売り型のメーカーがそろって売上高100億円を越えるという状況は今後は現れない。

商品の品質と風合いに定評のあるカジュアルパンツ卸売り型メーカーとして生き残りを模索するのも正解だと考える。ただしその場合の売上高は30億円内外が頂点になるだろう。

やっぱり100億円企業を目指したいと考えるのも間違いではない。
その場合は直営店展開を組み合わせないとその規模を達成するのは不可能である。
じゃあ、どんな直営店を目指すのか?ここでも選択を迫られる。

GAPやポイントのようなトータルアイテムを提案するSPAブランドを目指すのか?
ビースリーのような単品アイテムに特化したSPAブランドを目指すのか?

そこは経営者の決断一つである。

ジーンズ専業アパレルがトータルSPA化を目指すと言うのであれば、筆者はポイントに協力を仰ぐのが良いのではないかと思う。
もともとポイントはジーンズ専門店だったことを考えるとジーンズ専業アパレルの問題点を的確に指摘してくれるはずである。

そんなわけでジーンズ専業アパレル各社は新しい一歩を踏み出して、生き残ってもらいたいと思う。

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