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南充浩 オフィシャルブログ

「地元ファッション産業振興」のスローガンに無理があるのでは?

2013年4月2日 未分類 0

 ファッションで街興しとか、ファッションで街を全国区に、と言ったスローガンを掲げたイベントが地方都市で行われる。だいたいが神戸コレクションか東京ガールズコレクションの地方巡業である場合が多い。

以前にも書いたように、数千人から一万人以上集客できるイベントだとそれなりの経済効果は期待できる。
近隣の宿泊施設や飲食店、コンビニなどはある程度潤う。

さて、先日、良く読んでいるブログ「HAKATA PARIS NEWYORK」で福岡アジアコレクションとカワイイ区について苦言が呈された。

カワイイ区をめぐる腐敗の構図
http://blog.goo.ne.jp/souhaits225/e/17fbadf257417659a627933392ba6b7a

市長と某代理店の社長がお友達であり、そういう癒着はどうなのか?という内容である。
通常の民間企業が主催するファッションイベントなら、主催者とその関係者がお友達だから仕事が成り立つという場合がほとんどである。しかし、それは民間企業同士のことだから問題はない。

この筆者が問題としているのは行政機関が、特定の民間企業と癒着することである。

それはさておき。

個人的に、福岡でタレントライブの延長線上のようなファッションイベントを開催して、全国区になれたり、地元のファッション産業が振興したりするのだろうかと疑問に感じる。

現在、めぼしいアパレル、セレクトショップの本社は9割方東京に存在する。
神戸、京都、大阪にも本社を残している企業はあるが、本社機能や企画機能は東京に移転されている。
岐阜にも量販店向けのアパレルがいまだに残っているが、かつての勢いはない。
岡山・広島にもジーンズ専業アパレルがあるがこちらも苦戦傾向が続く。

となると、ファッション産業が振興できる場所というと実質、東京しかない。

九州には本州とは異なるアパレルや小売りチェーン店が存在する。
とくにジーンズカジュアル分野でいうと、九州の地元チェーン店として立花屋が代表に挙げられるが、本州にはこの店はない。

アパレルだと量販店向けメーカーとしてアドヴェンチャーグループがある。
その他、中小のアパレルも何社か名前くらいは知っている。

そういう意味では、ファッション産業は多少存在するといえるが、果たして「地元のファッション産業振興」は実現可能なのかというと、あまり現実味はないだろう。
とくにそのライブイベントに地元のアパレルブランドや地元チェーン店が積極的に参加していればまだしもだが、いわゆる全国チェーン店や全国ブランドばかりが登場しているようだと、「地元のファッション産業振興」は単に実現不可能なスローガンでしかない。

「福岡を全国区へ」というスローガンも同じだ。
全国ブランドや全国チェーン店ばかりを集めたタレントイベントをいくら福岡で開催しようとも、それで福岡が全国区になれるわけではない。

既存のタレントイベントの地方巡業によって、その地方が全国区になることはないだろう。
その巡業するイベント(例えば神戸コレクションやTGC)が全国区になることはあっても巡業先が全国区になることはない。
なぜならコンテンツとして注目されているのはイベントそのものであり、巡業先の土地ではない。

一定の経済効果が見込めるのでタレントファッションイベントの地方巡業を止めろとは言わないが、それをもって「地元のファッション産業振興」や「地元を全国区へ」というのはスローガンとしては不適格ではないか。

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