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南充浩 オフィシャルブログ

キャプションのないファッション雑誌なんて読みたい?

2013年4月1日 未分類 0

 以前、といっても1年ほど前のことになるが、某レディースブランドが某百貨店で1週間の期間限定販売を行ったことがある。
結果を尋ねてみるとまったく売れなかったそうである。
このブランドの社長によると、「知人・友人が10人くらい買ったくらい」とのこと。

「10人くらい」というのは多少オーバーな表現かもしれないが、ほとんど売れなかったことは間違いないだろう。
1枚1万数千円と過程すると売れたのは20~30枚程度だろう。
そうすると金額としては二十万~五十万円程度だったということになる。

この社長に言わせると「力を込めて各種POPを作って行ったが、百貨店がPOPの貼り付けを許可してくれなかったことも敗因の一つだと考えている」とのこと。

百貨店の洋服売り場にはPOPはない。
それが逆に百貨店での洋服販売が伸び悩んでいる原因ではないのか。
「VMDだよ」「カラーパレットだよ」とおっしゃる専門家は数多くいらっしゃるが、業界関係の玄人はさておき、大多数の素人はべつに「カラーパレット」を見たから感動して商品が購入したくなるわけではない。
「何かよくわからんけど、きれいに色の順番で並べてるな~」という程度の感想しか持ち合わせていない。

マネキンボディのクロスコーディネイトに感動して洋服を買う消費者がそれほど存在するとは思えない。
「カラーパレット」や「クロスコーディネイト」なんて玄人の自己満足じゃないのか。

さて、販促コンサルタントの藤村正宏さんのブログから引用させていただく。
http://ameblo.jp/ex-ma11091520sukotto/entry-11500491775.html

ある百貨店の北海道物産展で、商品に手書きのPOPをつけたそうです。
そうすると、その商品が売れる。
そうしたら百貨店が「手書きのPOPはダメ」って言ってきたんだって。
手書きのPOPはNG。

そんなことをやっているから、百貨店業界はダメなんだなって思います。
百貨店って今、どんどん衰退している。
どんどん衰退している理由の一つは、POPが出せないからですよ、確実に。

「手書きのPOPを書かないと、物産展なんか売れないんですよ」と、秋本さんの言葉。

でも、3日目ぐらいからこっそりつけ出した。
そうした、すごく売れるようになったそうです。
全然違うんです。

百貨店は常識的に「手書きのPOPなんかつけない」という方針。
でも、買う理由がわからなかったら基本的に買わないよね。

全員に接客できるんだったらいいですよ。
でも、来たお客さん全員に接客することなんてできないし、「接客なんてしてもらいたくない」というお客さんだってたくさんいるわけです。
そういう人たちにまで一々説明してしまったら売り込みになっちゃう。

だから、POPというのはすごく大切な「売るための道具」なんです。

手書きのPOPがダメだったら、ちゃんときれいなPOPでもいいです。
ともかく買う理由をつけなかったら買ってくれないのです。

とのことである。
百貨店の稼ぎ頭である物産展ですらこうなのだから、通常の洋服販売コーナーや洋服催事コーナーでPOPなしというのはどれほど不利であるかは推して知るべしだろう。

VMDの専門家や百貨店売り場担当者は「手書きPOPなんて見苦しい」と口をそろえるが、なら上にも挙げたように「手書きでないPOP」でも構わない。
ケーキ屋のPOPなんて手書きでもかっこ良くシックにまとめられている。
きちんと印刷したPOPだって作ろうと思えば作れるはずだ。

ああいうのこそ参考になる事例だと思うが。

今の百貨店の洋服販売の店頭は、説明キャプションのないファッション雑誌みたいなものだ。
もし、ファッション雑誌に説明キャプションがなければ、読者は今以上に減るだろうし、雑誌を読んで購買意欲をそそられる消費者も今以上に少なくなるだろう。
百貨店がやっていることはそういう類のことである。

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