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南充浩 オフィシャルブログ

スペックだけのPOPはまったく意味がない

2013年3月27日 未分類 0

 久しぶりに店頭での販売に従事した。
1週間という短い期間だったが、ちょっとしたことを再発見した。

できるだけ具体的に説明した方がお客の購入率が高まる。
「何を今更。当たり前のことを」とおっしゃるかもしれないが、筆者も含めてこれが意外にできていなかった店や販売員が多かったのではないかと感じた。

絹100%の2メートルの組紐を販売していたのだが、組紐は巻かれて透明のビニール袋に入って並べられている。もちろんPOPには「正絹の組紐、2メートル」と書かれてある。
販売し始めたころは十分これで具体的じゃないかと考えていた。

ところが、あまり感触が良くない。
着物の愛好家はすんなりお買い上げいただいたが、そうでない方の反応は鈍かった。

そこで1つ、2つを袋から出して、伸ばすようにした。
実際の2メートルを目で見てもらえるようにした。そうすると、購入比率が急に高まった。
どうやらお客は「2メートル」と書かれてあっても、具体的に2メートルがどれほどの長さなのか想像しにくかったということだろうか。

一般的に考えて、170センチの身長の男性は珍しくない。
170センチの身長の男性というとだいたいどんなものか想像しやすいのではないかと思う。
2メートルだからそこに30センチを足せば容易に想像できるのではないかと考えていたが、実際はそうではなかったようだ。

だから「2メートルはこんな長さですよ」と組紐を伸ばして見せると、迷っていたお客のほとんどが「そんなに長いのなら」と購入してくれた。

しかし、こちらとしても反省点は多々ある。
まずPOPに「正絹の組紐、2メートル」とスペックしか書いていなかったことだ。

ここに「帯締めにも利用できます」とか「巾着袋の紐にも利用できます」などと利用法も書くべきだった。

日頃はいろいろと考えてはいるのだが、いざその場になると実行できないことも多い。
利用法も書いていないのでは、着物に興味のない消費者は「2メートルの組紐って何に使えば良いの?」ということになる。販売員に対して口頭で質問してくれれば良いが、わざわざ質問してくれるお客はほんの一部である。大多数のお客は疑問を抱えたまま沈黙している。

沈黙したお客に説明できるのはPOPしかない。

そういう観点から次回はPOPにも工夫を凝らす必要があることを痛感した。

月並みな感想だが、実地で体験してみることはやはり重要である。

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