不振イベントのその後の意外な効果
2012年12月27日 未分類 0
少し前のことになるが、通販サイトのZOZOTOWNがリアルな展示受注会「ZOZOCOLLE」を2日間に渡って開催した。
その結果は、入場客数が1万5000人、売上高が1億5000万円だった。
当初の計画では入場客数が3万人で、売上高が3億円だったのだからこれだけを見ると明らかに失敗である。
そのことについてブログで書いたことがある。
付け加えるなら、出展ブランドは200もあったのだから1ブランド当たりの平均売上高は75万円ということになり、多くのブランドは赤字を計上したことだろう。
さらに、売れたブランドと売れなかったブランドの格差は激しく、マスターマインドは何千万円単位の売上高があったと聞く。ということは、売上高が限りなくゼロに近かったブランドも多数あるということになる。
先日、このイベントについてさらに踏み込んで考察しているブログを見つけた。
出展社ご自身が書かれているので、発言の重みと説得力が段違いである。
「売れないZOZOCOLLE と 売れるZOZO 」
先日、9月15日と16日にZOZOCOLLEなるものが幕張メッセで開催された。これは、ZOZOTOWNに出店しているメーカーの店舗が、ZOZOのお客様に商品を見てもらい先行受注をしてもらう。いわば、ZOZOTOWNはネットだけでなくリアルの商品展示会を開く、新しい試みであった。
結果は散々なものであった。予定では、3万人の入場と3億の売り上げ。しかし、実際は1.5万人の入場と1.5億の売り上げ、そしてほとんどの売り上げが、 ZOZOさんがライセンスで売った、マスターマインド(これは中国での二次マーケット用?)であった。弊社、CHAPTERWORLD, も散々な結果であった。私は、ZOZOCOLLEに関していい話を聞いたことがなかった。(経費の大幅な赤字である)
とのことである。ここまでなら、当ブログや他ブログでの指摘とほぼ同じであるが、このZOZOCOLLEは意外な効果もあったという。
しかし、話はこれで終わらない。多分多くの店舗からクレームがきたのだと思う。なにせ、多くの店舗さんは、かなり力を入れてZOZOCOLLEに出店していた。(多分1千万円近くかけた大手セレクトさんは大赤字)そこで、ZOZOは大盤振る舞いを行うこととした。32万人の上顧客に、2万円以上買ったら5000円のクーポンを、配布した。(先週の金曜日から、今週の土曜日まで)そしたら、ZOZOの売り上げが上がった。怖いほど上がった。(この3日間だけ、もちろん弊社の数字の話であるが)なにせ15億のクーポン、購買効果60億。(30万人 X 5000円、しかしそれを使うには、20000円 X 30万人)ZOZOの利益率は25%ぐらいなので25%OFFは問題ないのかもしれない。
儲かっている会社はこのようなことができる。やはりすごいと感謝している。しかし、ZOZOの顧客が本当に増えているのか?それはわからない。
とのことである。
意外な副産物といえる。
そしてこれは出展社ならではの視点であり、外野の人間では到底思い至らない。
筆者はあまりネット通販は使用しない。
何度か利用したことがあるが、数えるほどであり、実際の店舗で見つけた商品をネットで購入したことがるという程度である。その際は実際の店舗で何度か試着をし、素材の触感も確かめてからネットで購入するという念の入れようである。
ネットで購入するのは、「実際の店舗に足を運ぶ時間がないとき」「ネットで買った方が安い、もしくは多くの特典が付いているとき」に限られているのが現状である。
閑話休題
今回のイベントについてその後の効果に触れている論評を見たことがなかった。(当ブログも含めて)
このような効果があるなら、出展による赤字はちょっと割高な広告料を払ったと思えるだろう。
けれども結局、ネット顧客は「割引販売目的」なのかと思わないでもない。
そういう筆者が「割引販売目的」でしかネット通販を利用しないのだけれども。
で、ブログ主は
私も少しネットを理解してきたのだが、ネットは顧客の数である。もちろん良いもの、お客様の必要なものを売るのが前提であるが。大競争時代。(猫も杓子もネット)私は、ここにきて初めて新しく店を開きたいと店舗用地を探している。
と結んでおられるのだが、割引販売目的の顧客が多いネット通販全盛時代だからこそ、リアル店舗が脚光を浴びることがあるのではないかとも思う。