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南充浩 オフィシャルブログ

洗い加工の聖地では?

2012年12月17日 未分類 0

 デニムの生産地というと一般的に「児島」と返ってくる。
しかし、岡山県倉敷市児島にはデニム生地の製造工場はない。
あるのは洗い加工場と縫製工場、それに生地問屋、ジーンズ専業アパレルである。
じゃあデニム生地の製造工場はどこにあるのかというと、岡山県井原市と広島県福山市周辺である。

児島にはビッグジョン、ドミンゴ、ジョンブル、ベティスミスを始めとするジーンズ専業アパレルが多数存在するので「デニム=児島」というイメージが定着したのだろう。
厳密に言うなら、個人的には児島は「洗い加工の聖地」じゃないかと思う。

しかし、「児島=デニム」というイメージを定着させたことは上手かったのではないか。
専業アパレルが多数あるため、マスコミ、とくにファッション雑誌への打ち出しが他の地域と比較すると盛んだったことが幸いしたのではないだろうか。

今でこそ、デニム生地メーカーがファッション雑誌や一般のテレビ番組でも採り上げられるようになったが、ほんの10年前までは、デニム生地メーカーを始めとする製造加工業が採り上げられることは皆無に等しかった。
そういう過去の事情を考えると、ジーンズ専業アパレルがほとんど見当たらなかった岡山県井原市周辺は地味な扱いを受けても仕方がなかったかと思える。
一方、タカヤ商事やブルーウェイ、コダマコーポレーションなどのジーンズ専業アパレルが存在する福山市周辺はなぜ児島ほど知名度が高まらなかったのだろう?そこは不思議な現象である。

もしかすると過去の広告費用の使い方に差があったのだろうかと穿った見方をしてしまう。(笑)

なにはともあれ、この児島、井原、福山を合わせて業界では「三備地区」と呼ぶ。
以前、業界紙の大先輩から「備前、備中、備後の総称だから」と教えていただいたことがある。
国産デニム生地は欧米でも高く評価されているので、疲弊する他の国内産地よりもマシだと思われているフシがある。しかし、その「三備地区」とて現実は厳しい。
倒産や廃業が毎年後を絶たない。

「洗い加工王国」の児島だが、数年前、洗い加工大手の共和が廃業した。
その後も洗い加工場の廃業・倒産は続いている。
実は、今月14日の金曜日にも知り合いから「某洗い加工場が資金ショートして破産申請する」と連絡をもらった。
そういえば、以前、某コンサルタントの方から「今年は年末にかけて全国的に繊維産業の倒産・廃業が増えるもしれない」との予想を伺っていた。
どうやらそれが現実になる可能性が高いようだ。

そんなこんなで先週金曜日の電話で、改めて製造・加工業の厳しさを痛感した次第だ。

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