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南充浩 オフィシャルブログ

庇を貸して母屋を取られたように見える東京スタイル

2018年12月13日 企業研究 1

ついに東京スタイルという会社が活動を停止する。

東京スタイルが休眠会社に TSIがグループ再編を発表
https://www.wwdjapan.com/755078

近年の流れを見ていると、こうなることは予想できたが、東京スタイルという老舗が活動を停止するのは、なんともいえない感慨があり、あの合併は東京スタイルにとっては最悪だったのではないかと感じる。
この記事は詳細に書かれているので、今日は引用しながら外野から見た感想をまとめてみたい。

東京スタイルからサンエー・インターナショナルに譲渡されるのは「ナチュラルビューティー(NATURAL BEAUTY)」「ピンキー&ダイアン(PINKY & DIANNE)」「ボッシュ(BOSCH)」「トウキョウスタイリスト ザ ワンエディション(TOKYO STYLIST THE ONE EDITION)」、国内事業を止めるのは「ヴァンドゥー・オクトーブル(22 OCTOBRE)」および「アリスバーリー(AYLESBURY)」。「ヴァンドゥー・オクトーブル」は中国および香港での事業は継続する。

とのことで、22オクトーブルもアリスバーリーも最近ではほとんど名前を聞かなくなったが、オッサン世代にとっては馴染みのあるブランド名だった。

TSIは2011年6月に旧東京スタイルと旧サンエー・インターナショナルが経営統合して誕生。大手アパレルの統合は大きな話題になったが、その後、収益悪化が表面化し、ブランドや店舗の統廃合など大規模なリストラを余儀なくされてきた。

とあるが、合併当時から、業界内ではどうにも不釣り合いな合併だといわれてきた。
社風がまったく違う会社だったからだ。
サンエー・インターはいわゆるアパレル企業だが、東京スタイルはアパレル企業にはもっと古い堅実な社風としてしられていた。
業界内の噂話は不正確なこともあるが、どのようにその事象を業界が見ているかということを端的に示している場合もある。そのため、そういう噂話は基本的に重要だというのが当方の認識である。
東京スタイルに関していえば「営業がデスクで水やお茶を飲んでいるだけでも叱られた」という噂話がある。
今の時代からするとちょっと意味が分からないくらいの「何とかハラスメント」だと思うのだが、その理由はこうだ。
「会社はお茶を飲む場所ではない」
ということらしい。まあ、賛同はしないが理屈としてはわからないではない。
しかしそんなことを言ったら、お茶を飲む行為以外もすべて否定されなくてはならないから、この噂話が本当だったとしたらその上層部の認識はアホすぎたと言わねばならない。
こういう社風の会社が果たしてサンエーとなじむのかと懸念の声が多かったのは事実だ。
またこんな声も業界内にはあった。
東京スタイルの潤沢な内部留保や資産を目当てにサンエーが合併したという声だ。
これはその後の東京スタイルが侵食されていく様を見ていると当たらずと言えども遠からずだったのではないかと思う。個人的には極めて実情を反映した声だったと見ている。
庇を貸して母屋を取られる。ということわざがあるが、東京スタイルが侵食されついに休眠させられる様は、このことわざを絵に描いたような展開だというのが当方の感想である。

一連のリストラと今回の再編によって、旧東京スタイルがM&Aしたナノ・ユニバースやローズバッドなどを除けば、旧東京スタイル本体が運営してきた全てのブランドが国内市場からは消えることになる

合併前に東京スタイルは焦ったかのように大型買収を繰り返していた。これを褒めちぎっていた某コンサルタントもいるのだけど。(笑)
買収した企業の中には合併後に解散となった企業もある。ウエイブインターナショナルやフィットである。
この辺りの企業のブランドは中規模程度で成長性・拡大性はあまりないと見えたが、コアなファンがいたので、もし買収されなかったら今でも地道に存続できていたのではないかと思う。
一体何のために買収したのだろうと外野からは不思議でならない。
もちろん、内部では、外野からはうかがい知れないようなさまざまなことがあったのだろうと思う。
外野からは知りようもない内部での綱引きやら権力争いやら主導権争いもあったのだろう。
しかし、外野から見ると、東京スタイルは単にサンエーに捕食されて侵食されただけに見えてしまう。
合併後収益が悪化したと書かれてあるが、それは単にサンエー側のブランドが悪化しただけではないのかというのが、当方の感想で、その悪化を東京スタイルの資産を使って食い止めたと当方には見えている。
とはいえ、これで東京スタイルという社名は完全に停止してしまったわけで、過去に戻ることはできない。
これはこれで、一つの時代が終わったのだということだろう。
衣料品業界は、新しい人気ブランドがどんどん登場して成長するような業界ではなくなっているから、今後もこういう吸収合併や統廃合は相次ぐことになると考えられる。次はどこがどうなるのだろうか。
 

NOTEの有料記事もよろしくです
【有料記事】地方百貨店を再生したいなら「ファッション」を捨てよ
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n56ba091fab93
2016年に行ってお蔵入りした三越伊勢丹HDの大西洋・前社長のインタビューも一部に流用しています

 
そんなわけで国内市場から消え去る22オクトーブルの商品をどぞ~

 comment
  • ゆうこりん より: 2020/02/17(月) 5:27 AM

    ヒロミチナカノをあつかっていた当時のサンエーインターナショナルの社長、三宅さんは
    、どうされているのでしょうか❓
    父親と大学の同級生でして、現在86才かと。

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