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南充浩 オフィシャルブログ

ジーユーで990円に値下げされていた「過去物」コートを買った話

2018年10月19日 お買い得品 0

値引きを抑制すると、単年度では利益率が改善するが、店頭消化が悪い(要するに売れない)ことが多く、それが翌年以降に「投げ売り」という形になって、営業減益や赤字転落に陥る。
多くのアパレルはこの繰り返しであり、前回のブログでそのことについて触れた。

バーゲンの抑制で営業利益を好転させても翌年以降にその反動がある


 
具体例としてライトオンを出した。2015年度・2016年度の営業利益の大幅増は、値下げを抑えて達成したものにすぎず、2017年度の赤字転落は、15年・16年に値引きを抑えたために売りさばけなかった不良在庫を投げ売りしたことが原因である。
今秋の店頭(実店舗とECサイト)の両方を見ていると、ジーユーもかなり値引き率を抑えている。
2018年春物と夏物のジーユーの値下げは驚異的だった。
春先に水玉柄プリントのデニム解禁長袖シャツが390円に値下げされていたため思わず買ってしまった。その後、このシャツはなんと190円に値下げされていて、「しまった。もう少し待てば良かった」と後悔した。
夏物の半袖シャツアイテムは本当にバッタ屋以下の投げ売り価格続出で、レーヨン半袖開襟シャツ790円とか麻混半袖開襟シャツ790円とかTシャツ390円とかそんな風に、390円・590円・790円というバッタ屋価格ばかりの状態だった。
そのため、今春夏はジーユーの商品を当方はよく買っている。
ワイドボーダー柄半袖Tシャツは定価790円でも十分に安いが、これが590円に値下がりしたときに3枚買っている。
水玉柄デニム生地長袖開襟シャツは390円で、麻混無地半袖開襟シャツは790円で
という具合に買っている。
その結果は、2018年8月期連結の営業利益117億円(同13.1%減)というジ ーユーの大幅減益に反映されている。
今秋物からジーユーは値引き率を今のところは抑制している。秋冬物は春夏物に比べて一般的に単価が高いということもあるが、毎週金曜日から始まる期間限定値下げでも最低価格は1290円である。今秋になってから肌着や靴下を除いて期間限定値下げで990円になった商品はほとんどない。
単価が高いから値引き率を同等にしてもそこまで値下げにならないのかもしれないが、長袖シャツなんてこれまでなら簡単に990円に値下がりしたアイテムでも1290円で踏みとどまっている。
これはユニクロも同じで、不振色柄だけは劇的に投げ売り価格になるが、それ以外は1000円未満に値下がりがない。
例外的にユニクロUだけは今秋物が早くもいきなり値下げされた。例えば、今秋の看板商品だったはずのブロックテックコートがいきなり5000円引きの9990円に値下げされている。またパンツ類は軒並み1000円値下げされている。欲しい人は早めに買うことをお勧めする。個人的にはマスタード色のブロックテックコートを買おうと思っているが、もう少し値下がりするまで待ってみようかと思っている。もし9990円の新価格で売り切れたら、それはそのアイテムと当方の縁がなかったということである。
 

ユニクロ製品を見ていると、得意とする秋冬商品の品質は軒並み高い。デザインも随分とマシになっている。これが1990円に値下がりしたのなら割安感があるから、恐らくそれなりに売れるだろう。
あとは気温の問題で、低価格ブランドを買う人は当方も含めて、早ければ明日、遅くとも来週くらいに「近々着たい人」が多い。百貨店や有名ブランドで何か月も先に着るような先物買いをしたいという気がない。真夏にカナダグースを並んで買う奴らの気が知れないと思っている。
そうなると、気温がカギになる。暖かすぎると秋冬物を買わない。反対にぐっと気温が下がれば爆発的に売れる。
今秋冬のユニクロの売れ行きを左右されるのは、値引き率の抑制よりも気温・天候ではないかと思う。
一方、ジーユーはどうか。
ジーユーの商品はそこまでのクオリティにない。フォーエバー21よりは品質は高いがユニクロほどではない。
もちろん、秋冬アイテムは基本的に単価が高いからジーユーの今の価格が魅力的に映る可能性はある。しかし、これまでのジーユー価格を見慣れている固定ファンからするとどうだろうか。ケチんぼな当方は今のジーユー価格にあまり魅力を感じない。同じ部類の商品で同じ価格なら間違いなくユニクロを買う。
ジーユーの値引き率抑制は吉と出るのか凶と出るのか、ジーユーもライトオンやその他アパレルと同じ轍を踏むのかどうか。答えがわかるのは2019年8月期連結以降になる。
とはいえ、ジーユーも2016年12月のライトオンと同じで、昨年秋冬物とか今春物の売れ残り在庫を値下げして店頭に投入している。
例えば、当方が今秋初めて買った長袖アイテムは、ジーユーのビッグテーラードコートである。これは今年1月にスプリングコートとして投入されている。
定価4990円が何と4000円引きの990円に値下がりしていたので、思わず買ったのだが、暑さが苦手な当方はいまだに着用しておらず、着用するのは11月になってからになることだろう。

 
 


表地:綿59%・ポリウレタン41%、裏地:ポリエステル100%という組成で、当方が買ったのは玉虫っぽい光沢のあるオリーブグリーンである。
ファッショントレンドは大きく変化していないから、こういう「投げ売りされている過去物」を買っても十分に利用できる。
そんなわけで当方がユニクロ、ジーユーで今秋冬物を買うのは、まだ当分先のことになるのではないかと思う。
 

NOTEの有料記事もよろしくです
地方百貨店を再生したいなら「ファッション」を捨てよ
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n56ba091fab93
2016年に行ってお蔵入りした三越伊勢丹HDの大西洋・前社長のインタビューも一部に流用しています

 
Amazonでも格安値下げ品が多数。27・5センチが2835円に値下げされているからポチってみた
 

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