MENU

南充浩 オフィシャルブログ

マスコミは煽りすぎじゃないか?

2012年8月21日 未分類 0

 自分がマスコミの片隅に身を置きながら、どうにも国内の報道に違和感を感じる。
とくに衣料品・ファッション関係の報道は針小棒大に「持ち上げて」それで終わりだ。
一部の媒体や記者を除くと追跡報道も突っ込んだ取材もあまりない。

先日から、デンマークの雑貨ショップ「タイガー」の顛末をしつこく書いているのは、それに対する抗議の意味もある。
スゴイスゴイと持ち上げておいて、何度も臨時休業を繰り返す原因については深く報道しない。
挙句の果てには、国内最大手の100円均一ショップ「ダイソー」まで脅かすのではないかという論調まで飛び出したのには驚くほかなかった。

そういうわけで、先日(8月17日)、ユニクロがアンダーカバーとのコラボ商品「UU」最終コレクションの先行発売を開始したのだが、この論調もにわかには信じられずにいる。
いわく、

銀座店には開店前から300人が行列をなし、売り切れアイテムが続出

と伝えられている。銀座店の様子は事実だろう。
しかし、これを持って「UU」は今秋冬物が爆発的に売れる。とは思えない。
現に、そこらのユニクロにだって今春夏物の「UU」は格安に値引きされて何型も残っているじゃないか。
無地の半袖Tシャツが790円に値下げされてるじゃないか。
ボーダー柄の半袖ポロシャツは残っているじゃないか。

実は昨年秋の「+J」の先行販売の報道を目にしたときには、その勢いが全店で続くのではないかと信じていた。
ところが、一部の商品は今年1月、2月までで売り切ることができたが、その他の商品はけっこう残っていた。
さらに言うなら、つい最近まで、昨年春夏物の「+J」が値下げされて販売されていた。

ちなみに昨年9月8日に、「+J」の先行販売会が行われたのだが、そのとき、

ユニクロ銀座店に長蛇の列

と報道されている。

今回の「UU」先行販売会の論調とそっくりではないか。

思い起こせば「+J」のファーストシーズンはかなり好評だった。
多くのアイテムが早い時期に完売した。
しかし、セカンドシーズン以降は店頭在庫を見ている印象では、通常のユニクロ商品並みの売れ行きだったと感じる。シーズン終盤になるまでほとんどのアイテムが品切れを起こしていなかった。

そして個人的には、ラストシーズンの「UU」は昨年秋冬の「+J」と同等に在庫が残ると見ている。

こういう状況を見ていると、「好調」という報道がどこまで真実を伝えているのか甚だ疑問を感じる。
昨年夏に煽りまくったステテコはどうだ?今夏は各量販店が投げ売りしているじゃないか。590円とか690円にまで値下がりしてるじゃないか。それでもまだまだ店頭在庫は残っている。

個人的に、ファッション関連の報道、とくに特定のアイテムや特定のブランドが「売れている」とか「絶好調」という報道は参考程度に聞き流すようにしている。
煽るだけがファッション報道ではないと思うのだが。
それに、マスコミが煽ってブームを起こすなんていう手法は90年代で終わっている。
意識的にか無意識的にか、日本のファッション報道はまだ煽り体質が色濃く残っている。それがどうにも鼻についてならない。

この記事をSNSでシェア

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ