MENU

南充浩 オフィシャルブログ

猛暑到来も在庫処理の意味合いが強いクールビズ商戦

2012年7月31日 未分類 0

 梅雨明けしたのが7月16日ごろ。
少なくともこの時期まで今夏のクールビズ関連商品は不振だった。
7月20日付の繊研新聞には紳士シャツメーカー各社の動向をまとめた記事が掲載されているが、ネット上でクールビズ不振を伝えるニュースはあまり報道されていない。
なぜだろうか?まさかネットメディアが手心を加えたとは思えないのだが。

記事から引用すると

フレックスジャパンは、半袖を早期投入したこともあり、初回投入は順調だった。出荷のピークもゴールデンウイーっくから4月中旬に前倒しした。3~6月の出荷量は前年を超えたが、店頭の動きが鈍く、6月はリピートもなかった。半袖はセールでの在庫処分次第で、返品の増加も予想される。

とのことである。

また山喜も

ビジネス向け平場は前半戦は低調だった。6月までは半袖シャツの不振が目立つ。

とあり、東京シャツも

「強気で前年よりも2割増産した分、在庫コントロールをシビアにして9月まで全店(193店)での消化を徹底する」という。

これ以外でもクールビズ不振の声は聞こえてくる。
某メンズトータルブランドもクールビズ商戦の不振に頭を抱えているし、某低価格メーカーも保冷剤を首に巻きつける雑貨がさっぱり売れないという。
また某素材メーカーもクールビズ用に企画したチノ素材が昨年ほど動いていないと嘆く。

今回のクールビズが7月20日ごろまで不振だった要因として

1、昨年は特需だった。今年が平年並み
2、クールビズが提唱されて7年が過ぎ、ある程度のタンス在庫がある
3、7月の3連休まで比較的涼しかった
4、一部地域を除いて昨年夏ほどの節電が叫ばれなくなった
5、クールビズ商戦に多数のメーカーが新規参入して、購入先がバラけた

くらいが考えられるのではないか。

7月の3連休が過ぎてから猛暑が続いている。
今からクールビズ商品が動き出すことが予想される。しかし、バーゲン時期に突入しており、売れたとしても3~5割程度値引きされての販売であるため、利益が少なく在庫処理の域を出ない。

クールビズが最初に提案されたのは2005年だったと記憶している。
当時のブームもすごくて、半袖シャツの在庫がなくなってしまい、各メーカーは在庫の長袖シャツの袖をカットして販売したという逸話が残っている。
昨年はその当時と同じか、それ以上の盛り上がりを見せたが、やはり特需だったと見るべきだろう。

来年以降は、季節商材として一定量は必要とされるが、よほどの事態が無い限り2005年や2011年のような特需が生まれることはないと考えられる。
さんざんクールビズを特集で取り上げたメンズファッション雑誌各誌も今年は沈黙を守ったままだ。おそらく今後も沈黙を守り続けるに違いない。

もうブームはこないものと考えて、地に足のついた着実な販売計画で臨むべきである。

この記事をSNSでシェア

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ