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南充浩 オフィシャルブログ

ジャージデニムは第二のレーヨンジーンズとなるか?

2012年6月7日 未分類 0

 デニムアイテムのOEM事務所を経営する友人の話なので、業界全体に通じるかどうかはわからない。
友人の事務所は、平均すると月産数千枚くらいである。

今春からジャージデニムの注文が立て続けに舞い込んでいるという。
以前にも書いたが、デニムアイテムは通常だと春と秋に売れて、夏と冬は動きが止まる。
ところが今年は6月・7月投入アイテムの受注も順調で、中でもジャージデニムの注文が多い。

JERSEY~1

(エドウインのジャージデニム)

昨年の秋口からディーゼルで発売され、昨年12月にはエドウインからも発表があったアイテムだ。
友人の事務所は、ジーンズ専業ブランドとの取り引きは無く、レディースアパレルやSPAブランドがほとんどなのだが、それらの先からジャージデニムの注文が多いという。
ボトムスだけでなく、シャツっぽいトップスもある。この場合、シャツというのが適切なのかカットソーというのが適切なのか迷うところであるが。

ジャージデニムとは何ぞやと思われる方のために、簡単に説明すると、
通常のデニム素材は織物であるのに対して、ジャージデニムは編物である。
いわゆるスエットに近い素材だが、表面の見た目はデニムに見える。そういう代物である。

さて、ここからは個人の感想なのだが、ジャージデニムはしばらく広がり続けるのではないかと思う。
広く着用されている通常のジーンズだが、材料が厚地織物であるため穿き心地は固い。
この固さが良いという愛好家も多いのだが、それを苦手と感じる方も相当存在する。
固さを克服するためにライトオンス化したり、ストレッチ素材を混ぜたりとこれまでから様々な工夫がなされてきた。

先日、倒産が確定したボブソンが嚆矢となったレーヨンジーンズも同じ考えから生まれたものだろう。

そういう意味で「固さ」を取り除いたジャージデニムはかなり広まる可能性を秘めているのではないだろうか。

もしかするとかつてのレーヨンジーンズくらいの広がりをみせるのではないかと思う。

柔らかくて穿き心地が良いだけでなく、素材自体から異なるので、誰もが所有していない。
評判を聞けば「一度試してみようか」と思う人が多く現れそうである。
この辺りはレーヨンジーンズと近しい性質があると感じる。

通常のデニム生地工場にとっては、増産につながりにくい材料ではあるが、アパレルブランドや洗い加工場にとっては久しぶりに「目新しさ」を感じさせるアイテムである。
そういう意味では期待が持てる。

ただ、90年代前半のレーヨンジーンズブームと異なる点は、ディーゼルやエドウインというデニムブランドに次いで、レディースブランドやSPAブランドがすでに大量に仕掛けつつあるというところである。
当時はボブソンが仕掛けて、ラングラーやリーバイス、エドウインなどが追随し、その後、量販店向けの専業メーカーが追随したに過ぎなかった。
レディースブランドやSPAブランドなどはついにレーヨンジーンズを大々的に扱うことはなかった。

なぜなら当時のレディースブランドは、レーヨンとは言え、デニムアイテムを製造することはできなかったし、大規模なSPAブランドは存在していなかった。
レーヨンジーンズというヒットアイテムは量販店向けメーカーまで含めたとしても、ほぼジーンズ専業アパレルで独占することができた。

しかし、現在は違う。

今回のジャージデニムもディーゼルやエドウインが先行したが、広まるのはレディースアパレルやSPAブランドからではないだろうか。

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