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南充浩 オフィシャルブログ

ボブソンが開拓した保温ジーンズという市場

2011年10月26日 未分類 0

 先日、ジョンブルの来春展示会にお邪魔した。

トータルなカジュアルアイテムを展開しているジョンブルだが、児島を拠点にしており、元々はジーンズが強い。
今でもジーンズは主力アイテムの一つである。

しかし、来春企画では、綿麻混のデザインデニムや、ライトオンスのデザインデニムは新規提案しているものの、ベーシックなデニムの新提案はなく、現行商品の補充追加対応のみになるという。

メンズのボトムスではチノパン、カーゴパンツ、カラーストレッチパンツが引き続き主力になるという。

ジョンブルだけの傾向で決めつけるのは早計というものだが、他のジーンズカジュアル関係のメーカーや小売店の現状を聞いても、ベーシックなデニムはあまり動いていないようだ。
2010年春夏からチノパン、カーゴパンツ、カラーストレッチパンツがメインアイテムとなっているが、来春夏もその傾向は変わらないようだ。

メンズのチノパン、カーゴパンツ類

(ジョンブルのチノパン類)

ジーンズの復活はまだまだ先になる可能性が高い。

こうなると、エドウインとリーバイスという国内の大手ジーンズブランドはかなり厳しい。
もちろんその他中小のジーンズ専業メーカーも厳しい。

おそらく、今冬は「防風ジーンズ」「HOTジーンズ」などの保温系の、来春夏は「クールジーンズ」「ドライジーンズ」などの吸水速乾系の機能商品がメイン商材になり、ベーシックな綿100%ジーンズはほとんど話題にも上らないだろう。

こういう機能商品が注目されている状況を見ると、ボブソンは「惜しかったナー」と思う。
身売りされる前の数年間のボブソンは、定番ジーンズが苦戦していたこともあり、多くの機能商品を開発した。
現在、店頭を賑わせている保温ジーンズを真っ先に開発したのもボブソンである。
すでに2000年ごろには開発しており、量販店向けに数多くを販売していた。

しかし、時代が早すぎたのか、ボブソンという会社が粘り腰が足りなかったのか、当時はあまり広がらなかった上に、他社が類似商品で追随し始めると、あっさりとこの市場を手放してしまった。

今更言ってもはじまらないが、あの時にもっとボブソンが先行開拓者として粘っていれば、今年5月の民事再生法は申請しなくても済んだのではないか、その前に身売りしなくても乗り切れたのではないか。と残念に思う。

毎年、保温系ジーンズを目にするたびに、ボブソンを思い出す。

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