綿が150年ぶりの高騰
2010年10月26日 未分類 0
先日、ある紡績の部長さんと同席した。
部長さんによると「綿の相場が高騰している。アメリカ南北戦争以来の高値」だという。
アメリカ南北戦争は1861年~1865年なので、およそ150年ぶりの高値ということになる。
10月26日付の「繊維ニュース」によると、世界的な綿花高騰を受けてパキスタン国内の綿花も高騰しているという。以下に引用させていただく。
パキスタンで綿花が一段と高騰している。洪水被害で今季の綿花収穫量が予想を下回ることが確実なことに加え、世界的な綿花高騰を受けてパキスタン国内でも綿花価格が上昇。先高感と需給タイト感から23日には紡績や綿花商が大量の買いに動き、一時は1マウント(37.32キロ)7800ルピーをつけるなどパニック相場の様相を呈してきた。
とのことである。
世界的な綿花高騰と洪水被害での収穫量低下のダブルパンチでパキスタンの綿花が値上がりしている。
冒頭の紡績部長さんによると、つい最近まで、綿が足りない分はポリエステルを混ぜることで乗り切っていたが、ポリエステルも若干値上がりし始めたという。これはポリエステルの需要増によるところが大きいようだ。
特殊な素材を除いては基本的なポリエステルは綿よりも安く、価格が上昇しにくい。
綿が足りない場合はポリエステルを混ぜることで値段を抑えられる。
原料は不足し、高騰しているが、製品の値段は上がらない。前年据え置きか、下手をするとさらに下がる傾向にある。製品代には、縫製・加工工賃ほどの上乗せはないとはいうものの、生産業者はますます苦しくなる。
また、アパレルのバーゲンセールもこれまで以上に利益を削ることになる。
もっともその部長さんによると「来年の綿の値段は落ち着くかもしれない。なぜなら、綿の高騰を見て、中国が綿の栽培量を増やす可能性が高い。そうすれば、再び綿の値段は落ち着く」という。さてどうなることやら。