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南充浩 オフィシャルブログ

対象者に向けての発信が重要

2016年6月8日 SNSについて 0

先日、大塚呉服店を経営する大塚直人さんのインスタグラムのフォロワーが5000人を突破したという知らせがあった。

自分の発信を見てもらいたいと思うならやるべき事
http://tsukachan330.hatenablog.com/entry/2016/05/26/231405

アパレルブランドでも5000人のフォロワーを持つところは限られているし、有名人でもない個人のフォロワーとしても多い。
ましてや呉服関係であることを考えるとかなりすごいフォロワー数だといえるのではないか。

ちなみに筆者も試しに昨年4月からインスタグラムをやってみたが、現在のフォロワーは390人くらいである。
なかなか難しいものだなあと思っていたら、つい一昨日くらいに、インスタグラムを「非表示」にしていることに気が付いた。はて?なぜずっと非公開のままでやっていたのか?ちょっと我ながら謎である。
去年、いったいどういうつもりで非公開にしたのか?

それはさておき、このブログではインスタグラムだけではなく、SNS全般でフォロワーを増やすためのコツが紹介されている。
「SNSなんて」という声を聴くこともあるが、実際、現在の人気ブランドはこぞって何らかのSNSで情報を発信しているのだから、やらなければさらに消費者に忘れられていくことは言うまでもない。

そうそう、あるPR業者が先日こんなことを言っていた。
「オンワード樫山のブランドの知名度が圧倒的に若い層の間で低い」と。

たしかにウェブ上で流れてくるニュースも少ないし、SNS上でもオンワードブランドからの発信はほとんど見かけない。23区や組曲というブランド名は40代以上には、SNSで発信せずとも浸透しているだろうが、10代、20代、30代前半には発信を続けられなければ知られないままである。
あと20年もすれば今の20代は40代に、今の30代は50代になる。そのときに彼女らが23区や組曲を選ぶかどうか。
おそらく選ばないだろう。
若いころから親しみがないブランドを、年を取ったからといっていきなり手に取るはずもない。

これはオンワードだけではなく、イトキンやらファイブフォックスやらの大手アパレルにも共通していることで、今やらなければ10年後、20年後はさらに知名度を落とすことになる。
まあ、他人事だからどうでも良いのだが。

それはさておき

大塚さんのブログではコツを3つに分けて伝えている。

1、「伝えたい人」以外に

  どんなに笑われたり意見されても

  どうでもいいと思うようにしました

2、テーマは一つに絞ります

  違うものは別アカウントを取ってそっちでやります

3、1枚1枚時間を掛けすぎない

となっている。

そして

自分の好きなテーマを絞って

伝えたい人を想定して

毎日必ず継続する

とまとめておられる。

興味のある人は本文を読んでもらいたい。

この中で一番重要だと個人的に思うのは①である。
これはインスタグラムに限らず、ブログでもツイッターでもフェイスブックでも同じではないか。

繊維の製造・加工業者でSNSはおろか、ホームページ(正しくはウェブサイト)すら持っていない業者があまりにも多いが、ウェブサイト開設を勧めるとだいたい何割かはこう反論する。

「隣の〇〇に笑われる」と。
〇〇には機屋や染工場や縫製工場などが入る。
そう、同業他社の目を気にしているのである。

例えば、アパレルやデザイナーに向けて発信すれば、勢い、基本的なことになってしまうだろう。
「経糸と緯糸を一本ずつ交差させて織った生地を平織と呼びます」とか「経糸3本と緯糸1本で織った生地を綾織と呼びます」なんていう具合である。

同業の機屋からすれば「当たり前やん」ということになるが、同業の機屋は発信対象ではない。
同業者が読むのは勝手だが、読んでほしい相手ではない。
対象外の相手からの反応を気にして発信をしないことは極めて無意味である。

自社の知名度は上がらないし、かといって同業他社が儲かるわけでもない。
産地全体が活性化するわけでもなく、情報を知りたい人が知識が増えるわけでもない。
誰も得をしない。

だいたい同業他社に向けて商売をしているのだろうか?
同業他社が取引相手だろうか?

大部分の業者は違うだろう。

だったら同業他社の反応なんて気にしないで発信すべきではないか。
その気遣いは全くの無意味である。

インスタグラムに限らず、この点を考慮して発信に取り組んでみてはどうか。
よほどの有名企業でない限り、発信をしないことには世の中には知られていない。
知られていないのは存在しないのも同じであり、知られていない企業やブランドは存在していないのも同然である。知られていないから業者や消費者から選ばれるわけもない。




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