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南充浩 オフィシャルブログ

縮小し続けるスーパーの衣料品売上高と「リアルト」の参入と

2026年3月24日 企業研究 0

一見したレベルだと衣料品は商品も店作りも低価格帯からセレクトショップまでかなり平準化していると感じている。

20年くらい前までは、スーパーの低価格衣料品とブランドの衣料品は、デザインソースは同じだと思われるものの、生地の質感や色合い、表面感、商品のシルエットやパターンなどが全然違っていた。これは恐らく、製造を請け負っていた商社やOEM企業、工場などが全く違っていたため、あのブランドのアレをコピーしたと思われるのに全然違うひどい物に仕上がることが多かったと思われる。

それが最近では、かなり平準化されるようになっていて、変な先入観さえ持たなければ見分けられない商品が低価格ゾーンにも増えたと感じる。

 

 

 

そういう意味では、今回報道されたトライアルの「リアルト」もその一例だといえる。

まるで「低価格版ユニクロ」。普段着特化のトライアルPB衣料は成功するか | Business Insider Japan

総合スーパーのトライアルによるPB(プライベートブランド)衣料が好調だ。

PB衣料自体は長年展開していたトライアルだが、2025年7月に実現した西友との経営統合を機に、西友三軒茶屋店に試験出店したところ、売場効率が従来比で最大200%向上した。今後、西友の他の店舗にもPB衣料を拡大していく。

総合スーパーにおける衣料品は、専門店との競争や在庫リスク、ブランド力の弱さといった課題が重なり、成功事例は限られる。PB比率の引き上げを掲げるトライアルホールディングスにとって、打ち手となるのか

 

とのことで、出足好調ということなのだが、店舗数が少ないので現時点で好不調を論ずるのは早計に過ぎるといえる。

まだ、大阪では出品されていないので現物を見ることができていないが、商品写真を見る限りにおいては、極めて匿名性の高いベーシックカジュアルだといえる。

あとは実際の生地の触感だったり、着た時のシルエットだったり、が評価基準になる。

 

 

 

 

低価格でユニクロっぽいベーシックさがある(あくまでも画像だけの印象)ため、それなりに消費者からは支持されるだろうから、大阪界隈に出品された際にはぜひとも見に行こうと思っている。

ただ「ポストユニクロ」みたいな大規模になれるかというと疑問しかない。

現在のトライアルの衣料品売上高はさほど大きくない。それもきちんと書いているのでこの記事は評価に値する。

 

 

 

 

トライアルは中期経営計画で、2029年6月期までに流通小売事業におけるPB比率を25%まで引き上げる方針を掲げる。現状は18.4%(2025年6月期)で、アパレルもその一翼を担う位置づけだ。

トライアルにおいても、アパレルはまだ小さい。流通小売事業の約75%を食品が占める中、衣料品の売上高は222億円規模(2025年6月期)、構成比は2.8%にとどまる。このうちPB比率も開示されていない。

 

とのことで、全部門のPB比率が18%程度なので、それを単純に衣料品に当てはめると衣料品のPB比率は40億円程度ということになる。

ユニクロの国内売上高は1兆円を越えているので、全く比較対象にならないほどの小規模でしかない。そもそもトライアルの衣料品売上高は222億円しかない。

 

 

 

低価格カジュアルでいえば、しまむら、ジーユー、ワークマンがあり、レディース特化だとハニーズもある。価格帯でいえば、ワークマン、一部ジーユー商品と重なるが、ワークマン、ジーユーよりもトライアルのリアルトを優先的に選ぶ人はそんなに多くないだろう。

ただ、ユニクロ、しまむら、ジーユー、ワークマンの各店舗よりも自宅の近くにトライアルが出来た場合はその限りではなく、めんどくさいから近くのトライアルで買おうという人は出てくるだろう。

 

 

個人的にリアルトは売上高100億円に達すればよいところではないかと思う。

そして、リアルトの商品の出来栄えやデザインがどうのこうのいう前に、スーパーの衣料品がどれほど求められているのかという根本的な問題がある。

日本チェーンストア協会が発表している2025年(1~12月)の衣料品売上高は5974億9900万円(前年比1・8%減)となっていて、6000億円台を割り込んでいる。商品価格のインフレ率を考慮すると、前年比に対する実際の落ち込みはもっと大きいだろう。

日本チェーンストア協会には現在46社が加盟しているので、1社あたりの衣料品売上高がどれほど小さいかということがわかるだろう。

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明らかに「スーパーで服を買おう」と考えている人は減っているといえ、現在のスーパーの衣料品メイン客が老人層であることを考えると、老人層が年々減るにつれ衣料品売上高はさらに下がる可能性が高いと考えられる。だから、イオンのトップバリュコレクションにしろ、トライアルのリアルトにしろ、30~40代のファミリー層を改めて狙っているわけである。

先ほども書いたが、ユニクロやワークマンなどよりもスーパーの方が近くにあるから、という理由で衣料品を買う層は確実に存在し続けるだろうから、衣料品売上高がゼロになることは考えにくい。ちなみにスーパーの衣料品の売り上げ構成比はわずか4・6%に過ぎず、これが劇的に伸びる未来は想像しにくい。

 

 

今後も当分の間は、ユニクロ、しまむら、ジーユー、ワークマンなどの大手チェーン店がカジュアル衣料品市場を寡占し続ける状態が続くだろう。

 

 

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