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南充浩 オフィシャルブログ

UVカット素材の服を着るより日焼け止めをしっかり塗った方が効果的という話

2026年3月17日 素材 0

様々な機能素材が存在する中で、イマイチ効能が理解しにくい物もある。当方にとってはその中の一つにUVカット素材がある。UVとは紫外線、英語表記ではultravioletであり、それを遮断するのがUVカット素材である。

だが、わざわざUVカット素材で作られた服を着ずとも、普通の生地の厚さ(スケスケではないという意味)を持った衣服ならUVカットできている。それは日焼け具合を見れば一目瞭然だろう。

夏場に半袖で野外を移動すれば、生地をまとっていない腕の部分は日焼けするが、体は日焼けしない。肌は紫外線で日焼けするので、体が日焼けしていないことは紫外線を生地が遮断していることの証左といえる。

ただ、女性の場合だとシースルーみたいなスケスケ素材のブラウスを着用することもあるだろうから、その点においてはUVカットの効能は理解できるが、それでも肌を露出している部分(顔、首、腕、ボトムス丈によっては膝下など)は日焼けをする。いくら体にUVカット素材の服をまとっていても、生地で覆われていない部位は日焼けをするので、当方からすれば一体何の効能があるのか疑問しか感じない。

 

 

UVカット素材の解説についてはこのサイトが比較的良心的だ。自社もUVカット製品を販売している割にはデメリットや実情も伝えている。

UVカットは薄い生地でも効果がある? 気になる疑問や注意点について解説! – MARUFUKU の ブログ

例えば、以下の一節。

A2.透けない生地のほうがUVカット効果が期待できるといわれています。

一般的にUVカット効果のある衣類は、防透け性を備えた生地になっており、透けてみえる透過率の高い生地だと、加工してもUVカット効果が期待できないようです。

UVカットのアイテムを選ぶときも、透けるくらい薄い生地は避けたほうが無難でしょう。

 

とある。きちんと「透けない素材にはUVカット効果がある」と伝えている。

 

 

 

さて、先日、ユニクロが駅構内に今夏、UVカット商品を集めた小型店を出店するということが報道された。個人的には報道するほどの価値は無いと思っている話題だが。

駅構内7店舗が「黄色いユニクロ」に UVカット商品が揃いUV指数計も

メンズ向けの「ドライEXUVカットフルジップパーカ」(2990円)や「ポケッタブル UVカットパーカ/NANODESIGN」(3990円)、ウィメンズ向けの「ウルトラストレッチエアリズムUVカットフルジップパーカ」(2990円)や「UVカットクルーネックカーディガン」(2990円)、ベビー向けの「UVカットハット」(1990円)など、家族全員をカバーするアイテムをラインナップ。紫外線を約99%カットするUV400レンズとブルーライトを約25%低減させる機能つきのサングラス(2490円)や、太陽からの熱を軽減させる遮熱機能と遮光機能付きの「UVカットコンパクトアンブレラ遮熱」(2990円)なども用意する。

 

とのことで、この商品ラインナップも特に注目するほどの価値は無いと個人的には思っている。

 

 

 

だが、ユニクロがわざわざ特集するくらいにはUVカット素材に対する注目は世間一般から集まっている・集まりつつある、のではないかと感じられる。

その背景には何があるのかと考えてみると、近年猛暑が標準化している。当然、暑さ対策の機能性素材を求めるニーズは高まっている。当方も強く望んでいる。

しかし、実際に実用レベルで有効な暑さ対策素材は吸水速乾素材が圧倒的で、そこに接触冷感素材が追随するという形になっている。それ以外には暑さに有効な機能性素材はほとんど見当たらない。接触冷感素材にしても、ヒンヤリ感じるのは着用後の数十秒間だけという場合がほとんどで、効果が長時間持続する接触冷感素材はマス層に出回るほどには量産実用化されていない。

 

 

個人的には、理想の暑さ対策素材は、発熱素材とは逆バージョンの機能で、汗を吸って蒸発するときに繊維自体の熱が下がる「発冷素材」だと確信しているが、実用化された事例は当方の知る限りにおいて無い。だから、仕方なく代替品として吸水速乾素材服で我慢せざるを得ないのが実状と言える。

有効な機能性の実用化が停滞している実状に置いて、新機能へのニーズが実際の機能性は別として、UVカット素材に集まり始めており、敏感に察知したメーカーやブランドが積極的に打ち出し始めているというところではないか。

 

 

だが、先にも述べたように「普通の厚さの生地」ならUVカット機能が無くてもUVカットは実現できているし、UVカット服を着ても、そこからはみ出している顔や腕などの部位は普通に日焼けをしてしまう。だから一体何のためにそれを買わねばならないのかが当方には全く理解できない。吸水速乾素材服を着て、はみ出した部位には日焼け止めを塗るれば事足りる。

 

 

そんなUVカット素材だが、生地が完成してから加工を施した物と、元からUVカット繊維で作られた生地との2種類が存在する。後加工生地と機能糸生地、どちらの生地で作られた服なのかは店頭では見分けるすべはない。わざわざ「後加工でUVカット機能を付与しました」とか「UVカット機能糸で作られた生地です」などと説明書きの下げ札を付けた服など当方は見たことが無い。

この「後加工UVカット」は洗濯を繰り返すことで、加工が剥がれ落ちていずれ機能性が消失することがほぼ確実だとされている。

 

 

先の記事でも触れられている。

UVカットの生地は、洗濯をすると効果が薄れてしまうことがある点に注意が必要です。

たとえば、紫外線吸収加工された生地を洗濯し続けていると、数年で徐々に効果が薄れる恐れがあるといいます。

商品の販売にともない、「〇回の洗濯でも効果が落ちない」など、洗濯試験の結果が提示されていることがあります。

 

とのことである。メディアも部数とクリック数稼ぎに血眼になるのではなく、こういうデメリットもきちんと紹介すべきだろう。

UVカット素材を全否定する気は毛頭ないが、絶対に買わねばならないというほどの物ではなく、それよりも高機能の日焼け止めをたくさん買う方がよほど日焼け防止には効果的だといえる。

 

 

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