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南充浩 オフィシャルブログ

定番服を着ているのが最も効率的だと感じ始めた話

2026年3月16日 トレンド 0

自分が若い頃、どんなにトレンドが移り変わっても頑として服装の傾向を変えなかった年配者が少なからずいたという記憶がある。

だいたい自分が40代くらいまでの話で、その当時の20~30歳くらい上の世代の人はそういう傾向があったと記憶している。

当時はその世代の人の気持ちは全く理解できなかったが、最近は何となく理解できるようになってきた。

 

 

現在、マスブランドでズボンを買うと、だいたいがワイドシルエット(バレルレッグ、ワイドテイパード含む)で股上が普通から深めくらいの商品ばかりになっている。

これはこれで穿いていて楽なので当方の手持ちのズボンもすっかりワイド系が増えた。これに対して、現在のところ当方には何の不満も無い。ワイドシルエットだと夏場でもズボンの筒の中で空気が動くのでスキニーよりもよほど涼しいという利点もある。

今年56歳を迎えようという老年の当方にとって、このワイドシルエットトレンドに対して「飽きた」とか「そろそろ変えてほしい」とかそんな願望は一切無い。

しかし、ファッションのトレンドなんて期間の長短はあれどいずれ移り変わるものである。もう数年前から「ワイドが終わる」と言われ続けているし、また何なら「ローライズに注目」という記事も掲載されている。

 

 

ローライズデニムが復活 今季は“大人顔”で着こなす【2026年春夏トレンド】

この記事の詳細な内容は正直どうでもいい。当方の興味の対象外である。

 

 

股上が普通から深めがマストレンドになってもう5年以上経過している。定着していると言っても過言ではないだろう。

そうすると、先端層の人やトレンドで商売をしている人はそろそろ変えよう・変えたいと思うのだろう。だから、このような記事が掲載され始める。

股上が深くなったら必然的に次は浅くなるのは当然である。変えるとするならそうするほかない。洋服の変化なんて意外とバリエーションは狭い。

 

 

しかし、当方くらいの老年になるとこの記事をチラ見して、目新しさが無いなあと感じてしまう。なぜなら、ローライズはもうすでに20年前に経験してしまっている。

何ならまだ20年前のローライズジーンズを何本かタンスの奥にしまい込んでいる。だったら、あれらを引っ張り出そうかということになる。

 

 

要は20年前に一度経験しているので、当方くらいの老人になるとローライズに何の新鮮味も感じないわけである。また他の記事では「スキニー復活の兆し」という内容を見ることもあるが、それとて何の新鮮味も無い。スキニーがマス化していたのはもう10年前になるが、今の若い人ならそれなりに新鮮かもしれないが、中高年層にとって10年前のことなどまるで昨日のことのようで、今「スキニー復活」と言われても、つい昨日まで流行っていたのがまた出てくるという感想になる。

 

 

 

年を取ることで、このような知覚になってしまったので、当方は「新しいファッショントレンド」にはまあまあ無関心になってしまっているわけである。

逆に当方と同年代とかそれよりも上の世代でいまだに「次のファッショントレンドは」と必死になっている人たちの心理は全く理解できない状態にある。

 

 

そうなると、定番的な服を着ているのが最も効率的ということになる。

小さすぎずルーズ過ぎず、太すぎず細すぎず、浅すぎず深すぎず、という流行とはあまり関係が低い定番的な衣料品を揃えるのが最も賢明で効率的ではないかと思えてくる。

当方もいまだに20年前に買ったリーバイス502を残しているのだが、穿くズボンに困ったらこれを穿いておけば十分ではないかと思ってしまっている。

 

ここまで来た時に、はたと昔の中高年世代がトレンドに左右されずいつも同じようなテイストの服を着続けていた心理が理解できると思い始めてきた。

「世間的に定番とされている服」を着続けていると、トレンドとして褒められることはないが、トレンドに応じて洋服を買い替えなくて済むという高い効率性がある。

20年前のリーバイス502は最先端ではないが、どんなトレンドの時でもそれを穿いていて「めっちゃおかしいで」とは言われない安全パイだといえる。

 

 

こういう感覚になってしまうと、新しいトレンド服を試してみたいと思うことも減ってきた。何よりも繰り返しになるが「新しいトレンド」とされている物のほとんどは、2010年代までに出現して経験済の物ばかりである。よほど洋服が趣味という人でないと老年になってまで最新トレンド服に強い興味を持ち続けることはできないだろう。

まあ、興味を維持できなくなっているということはそれだけ精神的にも当方が老化してきたということの証左ではある。

最近ではトレンドファッション同様に、食にもあまり興味が無くなってきたし、読書やガンプラへの興味も薄れてきているのを自覚している。

 

それと蛇足だが、2015年以降のマストレンドの多様化・分散化・多極化を見ていると、ローライズが復活してもスキニーが復活しても、かつてのように人気が集中することは無いだろう。ワイド系もハイライズ系も一定数は残り続けて、消費者がその日の気分によって着用し分けるというのが、現実的な未来予想図になるだろう。

 

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