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南充浩 オフィシャルブログ

ライトオンから郊外路面店のノウハウをワールドが入手するのは難しいのではないか

2026年3月11日 企業研究 0

毎日、株価をチェックしているがこの記事を読んで、ライトオンの上場が廃止されたことを改めて思い出した。

〈1年で110店撤退〉市場を去ったライトオン、”大量閉店”の先で生き残れるか…売り上げはピークの7割減、ワールド傘下で大ナタ | ニュース・リポート | 東洋経済オンライン

2000年代に一時代を築いたジーンズ専門店が、ひっそりと株式市場から姿を消した。

アパレル大手のワールドは3月1日、ライトオンを株式交換により完全子会社化した。これに伴い、ライトオンは2月26日付で上場廃止となった。

 

ジーンズカジュアルチェーン店という一つのビジネスモデルが完全に終わったことを象徴していると感じられる。

ジーンズカジュアルチェーン店1位のライトオンが完全子会社化で上場廃止、2位のマックハウスも買収された。ツートップが従来の姿を維持できなくなったことを示している。

 

 

 

ジーンズカジュアルチェーン店という衰退ビジネスモデルをどうしてわざわざワールドが買ったのか、当方はイマイチ腑に落ちていなかったが、この記事にはこう指摘してある。

 

郊外路面店に展開するブランドが手薄だったワールドは24年10月、ライトオンのブランド知名度の高さなどに可能性を見出し、日本政策投資銀行と共同出資するW&Dインベストメントデザインを通じてライトオンへの株式公開買い付け(TOB)の実施を発表。事業再生に向けた支援を進め、「当初の想定よりも速いペースで着実に成果」(ワールド)がみられたため、このほど完全子会社化に踏み切った。

 

とのことで、郊外路面店のノウハウが無いワールドはそれを目当てに買ったというのである。実はこれと同様の指摘をコメント欄でもいただいていたので、納得である。

 

 

どうして、当方がこの視点を思いつかなかったかというと、近年のライトオンに「郊外型路面店」というイメージがまるでなかったからである。

実際、大阪府内の近年のライトオンはどれも大型ショッピングモール内にテナント出店している。ライトオンのロードサイド店なんて関西では20年くらい前に見たっきりで、それ以降はイオンモールなどのショッピングセンター内テナント出店か、あべのキューズモールやヨドバシカメラのような都心大型ショッピングセンター内のテナントしかない。

アメリカ村の路面店も一時期出店していたが、いわゆる「ロードサイド路面店」とは立地も売り場面積も異なる。

 

 

そんなわけで、2010年代以降のライトオンに「郊外型路面店」というイメージはすっかり無くなっていた。2010年代だとまだマックハウスの方が郊外型路面店が多かった記憶がある。

もともと関西には地盤が無かったライトオンだから、後発組としてはロードサイド路面店への出店は当初から少なかったと考えらえる。

 

 

しかし、店舗検索機能を使ってみると、もともとの地盤である関東でも現在はショッピングセンター内テナント出店の方が多く、郊外型路面店は数えるほどしかない。

ちなみにマックハウスもロードサイド路面店は減少しているようで、ショッピングセンター内テナント出店の方が現在では主流になっている。

 

 

また、ライトオン、マックハウスに限らずジーンズカジュアルチェーン店のロードサイド路面店は全般的に減少し続けていると感じられ、以前からの繁盛店はそのまま残っているが、新規出店は最近ではほとんど見かけなくなり、ショッピングセンター内テナント出店が主流になっている。

飲食だとロードサイド路面店は今でもそれなりに多い。では衣料品のロードサイド路面店はどうなっているのかというと、カジュアル分野ではジーンズカジュアルチェーン店がほぼ消えた代わりに、しまむら(アベイル含む)、ワークマンあたりが主流になっているという印象がある。それとユニクロが一部残存しているという感じである。

 

 

このように見ると、地方・郊外ロードサイド商圏でもジーンズカジュアルチェーン店の需要は減少しており、しまむら、ワークマン、ユニクロに客を奪われていると考えられる。

低価格志向も背景にはあるのだろうが、いずれの店にも「ジーンズ」はある。特に女性は「ジーンズのブランド名」には男性ほどのこだわりは無いから、しまむら、ユニクロのPBでも構わないという判断になりやすいのだろう。また、近年はスキニーブーム以降はストレッチを始めとする機能性が重視される傾向が強かったから、ストレッチ+撥水などの機能性のあるワークマンのジーンズで構わないという男性も増えたのではないだろうか。

 

 

 

ワールドのライトオン買収の狙いは理解できたものの、ライトオンの郊外ロードサイド路面店が激減している現状を考えると、ノウハウを手に入れるということは難しいのではないかと思える。該当する店舗があまりにも減ってしまっている。

また、ライトオンという店の再生後の立ち位置もなかなか難しい。(マックハウスも)

何せ、従来型のブランドジーンズを基調としたカジュアル店というのは、さほどに需要が無くなっている。「ジーンズ」のマストレンドは復活したが、ジーンズカジュアルチェーン店で買わねばならないと考えている消費者は少なくなった。ユニクロ、ジーユーで買ってもいいし、ブランド直営店で買ってもいい。何ならセレクトショップのPBジーンズを買ってもいい。

 

 

かと言って、「ジーンズ基調」というコンセプトを廃止してしまうと、そこら辺にあまたある単なるカジュアルチェーン店になってしまい埋没してしまいかねない。ライトオンにせよマックハウスにせよ、どのようなショップにすれば再生できるのかは、かなりの難問である。もちろん、当方にも正解はわからない。かなり難しい作業が続くことになるだろう。

 

 

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