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南充浩 オフィシャルブログ

「完全自動化」は現在の技術では実現が難しいという話

2026年3月3日 ファッションテック 1

日常生活でいくつかのスーパーを使い分けているが、そろそろ自動レジの運用方法が固まって、消費者のマス層にも浸透してきたと感じる。

当方の場合、万代、西友、ライフ、イトーヨーカドーあたりが最もよく使う自動レジを備えたスーパーなのだが、もう支払いでまごついている老人を見かけなくなった。

ヨボヨボで大丈夫かいな?と思えるような老人でさえ、自動レジの支払いでもたつくことが滅多になくなっている。

 

 

大型スーパーだと完全自動レジと商品の読み取りをレジ係がやってくれて、その後の支払いだけを自動レジで行うという2パターンの支払い場所がある。万代の場合は、完全自動レジスペースはなく、レジ係が読み取ってくれて支払いを自動レジで行う支払い方法しかない。

完全自動レジコーナーだが、開始当初に比べて、今は常駐係員がかなり積極的に声かけをしてくれる仕組みになった。

「〇番レジが空きました」と素早く誘導してくれる。

通常は一人体制だが、繁忙期だと2人体制になることも珍しくない。

 

導入当初はここまで積極的な対応ではなく、わからないことがあって呼んだらやってきてくれるという感じだったが、恐らく効率が悪かったのだろう。さらにいえば万引きも多発したのではないかと推測されるが、常駐係員が積極的に声かけ、誘導をしてくれることでかなりスムーズに流れていると感じられるようになった。

何が言いたいのかというと、完全な全自動レジというのは既存の技術で実現することが難しく、結局は常駐係員という人の手が必要なことが明白となったわけである。もちろん、従来型のレジよりは人員削減出来ていると思うが、それでも数人の人員は必要だから大きな削減ではないといえる。

 

 

全自動の機械が何でもやってくれるというのは昔からの人類の夢ではあるが、完全な全自動はいまだに技術的にも確立されていない。

現在、多くのファミレスでは配膳ロボットが料理を運んでくれる。もちろんそれと並行して人間も運んでいる。この配膳ロボットは目的のテーブルまで自動移動するが、これは自動運転の技術の一つだろう。配膳ロボットが多数のファミレスで使用されているからと言って、自動車の自動運転の技術が完全に確立できたとはならない。むしろ、自動運転が完全実現できている自動車は少なくとも存在していない。

 

 

自動運転自動車ができればスーパーペーパードライバーである当方も自動車を購入して運転させてみたいと思っているが、自動運転自動車がマス化するころには当方は免許返納の年齢になっていることだろう。

自動運転が言われ始めたころから、「現実的には、決まったルートを往復するような自動車しか現段階の技術では実用化できない」と指摘する冷静な声もあったが、ファミレスの配膳ロボットはまさにこの技術が実用化されたことの実例である。

完全な自動運転自動車に関しては中国を持ち上げる報道も多いが、実際は遠隔操作で人間が管理している。

ついに到来した自動運転社会、「無人タクシー」行き交う中国で見え始めた「新課題」 |Seizo Trend

 

だが、システムが判断できずに立ち往生をしてしまうこともある。この場合、センターからリモート監視をしている監視員がリモート運転で車両を自動運転可能な状況に復帰をさせる。法令により、1人の監視員が担当できるのは最大3台までに制限されているが、バイドゥ関係者によると1人の監視員が20台程度のロボタクシーを担当しても安全はじゅうぶんに確保できるという。

 

とある。これは2024年8月の記事だが、1人の人間が20代のタクシーを管理している。完全自動運転の技術が確立されるにはまだまだ時間と実証実験の繰り返しが必要不可欠だろう。

 

 

自動化といえば先日、AmazonGOが廃止になった。

アマゾン、「フレッシュ」と「ゴー」を閉鎖へ-実店舗からの撤退続く – Bloomberg

レジ無しコンビニとして一時期はテック系イキリに持て囃されたAmazonGOである。これについては様々な解説報道があるが、正直、テック系のポジショントーク擁護が多く、どこに問題点があったのかわかりにくいと感じられた。

そんな中、最もわかりやすくアメリカ国内での問題点をまとめてくれていたのが、このYouTube動画である。

1、出店できる立地と建物条件が限られていた

2、店舗建物が統一されていないので、AI技術はその都度のカスタマイズが必要だった

3、店舗の裏方に多くの人員数が必要だった

と大きく3つが指摘されている。

 

 

当初の目標が3000店舗の出店だったのに対して、現状は14店舗だったのだから明らかに失敗だろう。もちろん、今回の挑戦でAmazonが新たなノウハウや知見を手に入れたことは言うまでもないが、それは現在のAmazonという巨大資本だから損切りできたわけで、スーパー万代あたりだったら倒産に追い込まれていたことだろう。

 

自動レジ、自動運転自動車、無くなるAmazonGO、と現在の自動化技術には人の手が必ず必要となっている。

Amazonのような大資本はいくらでも資金を投じて挑戦すれば良いが、中小企業は技術や効果的な運用方法が確立されてから導入すれば最も損が無い。中小企業が海の物とも山の物ともわからない最新技術を真っ先に導入する必要など無い。

サイゼリヤなんてずっと紙の伝票に数量と品番を記入して渡していたが、ようやくQRコードでの注文方法を導入したが、検討に検討を重ねた結果、その方法に落ち着いたのがつい数年前のことである。多くの中小企業はサイゼリヤ並みの慎重さでよいのではないかと思っている。

 

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 comment
  • とおりすがりのオッサン より: 2026/03/03(火) 11:43 AM

    自動運転とか我々が生きてる間には無理やろ~、と思ってましたが。日産がイギリスの何とかって会社の技術で作った自動運転車は、AIで判断する自動運転で市街地でも手放しで走行可能になってるそうです。

    この前、ジャーナリストに新橋、銀座、丸の内あたりの人も車もいっぱいの道を試乗させて、結構スムーズに自動運転されてて驚きました。こっち直進で向こうに右折しようとしてる車がいて横断歩道渡る歩行者もいる、行くか行かないか迷うような場面でもちゃんと判断したりできるようで技術の進歩は凄いなと思いました。

    なんでも、旧来の高精度地図に頼る方式だとコンピュータのパワーも電力も足りなくなって無理だったのがAIでまるっと解決らしいです。

    とはいえ、故障したり判断ミスしたりして事故った時の責任はドライバーに被ってくるはずで、そんなの売り出しちゃって大丈夫なの?とは思いますが(^_^;)

    あと、ジャーナリストの一人は、怖そうなオジサンが乗った路駐のアルファードの横を、サイドミラーすれすれで通っていくのが怖かったとも言ってましたw

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