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南充浩 オフィシャルブログ

飲食店・百均・ロピアの導入は正解だったのではないかという話

2026年2月19日 百貨店 0

閉店した地方百貨店のその後の報道には興味を持っている。

名鉄百貨店一宮店の閉店後の記事が報道されていた。

愛知県一宮市中心市街地 百貨店閉店も活気取り戻す 新施設、商店街にも新店 | 繊研新聞

24年に駅ターミナルの名鉄百貨店一宮店が閉店、さらに衰退が懸念されたが、25年12月、跡地に新施設「イチ*ビル」が開業。中心商店街や周辺施設が取り組んできた改装や施策も後押しとなり、一宮は変化の時を迎えている。

 

とある。

めでたくテナント型商業施設として昨年12月に開業したとのことだが、見出しの「活気取り戻す」はちょっと盛りすぎだろうと思う。なぜなら、まだ開業から3ヶ月しかたっていないからだ。賑わっているとしてもオープン景気ということもある。実際に活気を取り戻せたと判断できるのは、2~3年経過してからになるだろう。

 

 

さて、新しくオープンした商業施設「イチビル」だが、フロアガイドを見てみると6階はまだ閉鎖状態にある。(2025年2月19日現在)テナント誘致に難航しているのだろうか。

それ以外のフロアを見てみると、飲食店と雑貨店、百均のダイソー、食品スーパーのロピアと、極めて日常使いの店が多く、衣料品店は少ない。7階は教室や証券会社となっている。

フロアマップ | イチ*ビル公式サイト 名鉄一宮直結

特に1階はほぼ飲食店になっている。衣料品店自体も相当少なく、さらに「百貨店ブランド」っぽいのはほぼ無い。辛うじて3階に「オンワードクローゼットセレクト」があるくらいだろうか。あとは中部地区のセレクトショップ「ジュニアー」が入店している。

 

 

衣料品店を極力減らして、飲食店、百均、食品スーパー「ロピア」を導入した店舗構成は今の時代を反映していると感じる。テナントの選択としてはほぼベストではないだろうか。

そもそも名鉄百貨店一宮店は駅直結のビルだった。そして名古屋まで電車で15分という近さで、名古屋への通勤・通学客が多かった。記事でも

一宮市は愛知県西部に位置し、人口は約37万人、県内4番目の人口を誇る。毛織物を中心とする繊維産業で栄え、近年は名古屋まで電車で15分の利便性から名古屋のベッドタウンとして住宅開発が進んでいる。

 

と指摘している。

実際に何度か、名古屋、一宮、岐阜と出張した経験で言えば、一宮と名古屋の間の電車での行き来は極めて楽である。仮に自分が一宮に住んだら名古屋に通勤するのは極めて楽だろうと感じる。

今回のイチビルのテナントラインナップは通勤通学の行き帰りに利用しやすいものに特化していると感じる。

特にスーパーの「ロピア」の存在は、わざわざ名古屋で食料品を買わずに済むので非常に利便性が高いと感じられるのではないだろうか。

 

 

逆に百貨店ブランドや著名セレクトショップの服が買いたい人は、電車で15分の名古屋へ行けば済む話だし、低価格カジュアルが欲しければ一宮周辺のショッピングモールに行けば済む話である。

一宮駅直結のビルに洋服中心の百貨店が存在しなければならない理由がとっくの昔に無くなっていたといえる。

 

 

開発にあたり名古屋鉄道が力を入れたのは「一宮の顔としての機能をもう一度取り戻すための商圏設定」だ。同市の「名古屋と岐阜の間にある画期的なベッドタウン」という特性を踏まえ、百貨店時代に足元3キロだった商圏は、5~8キロ圏内に拡大。日常的に駅を利用する足元の地域住人に加え、パワーファミリー層や購買需要のある単身世帯までターゲットに据えた。「都心まで行かなくても、雑貨、食品が地元の駅前で揃う」利便性を追求した。

 

とあるが、この開発コンセプトは正しいといえる。さらにいえば、人口37万人の市なので商売としては十分に成り立つポテンシャルもある。ただ、もっと早くに百貨店を廃止して今の路線に切り替えていても良かったのではないかとも思う。例えば、2015年くらいに切り替えていても良かったのではないかと思う。

 

 

 

今回のイチビルのテナント構成は、人口37万人のベッドタウンで駅直結という立地を最大限生かしたものだと現時点では考えられる。

大都市のベッドタウンで駅近隣、駅直結という立地の他の地方百貨店にとっては大いに参考になる事例ではないかと思われる。

 

 

本当に「活気を取り戻せた」のかは3年後くらいまで判断が待たれところだが、今後、百貨店維持派やファッション衣料品店維持派の持論はますます支持されにくくなるのではないかと思われる。

地方百貨店のリニューアルプランや閉店後の建て替えプランについては、今回のイチビルのようなテナント構成や品揃えをする商業施設が主流になると思われる。

飲食店、百均、食品スーパーがメインであとは、エンタメや地域食材を絡ませるのが得策ではないかと思う。

 

 

何度も書いているが、マス層のファッション衣料品への支出優先順位は明らかに低下している。それが近年の飲食、エンタメの好調ぶりに反映されている。ファッション衣料品への支出を最優先にしているコア層は減り続けていて、一昔前のコアなサブカルファンと同様な「オタク」的存在になっていると当方には感じられてならない。

 

 

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