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南充浩 オフィシャルブログ

ニトリの新規参入とワークマンの大増産で飽和状態に達しそうなリカバリーウェア分野

2026年2月13日 トレンド 0

衣料品業界では、近年はマス向けの大ヒット商品が生まれにくくなっている。

そんな中、リカバリーウェアはマス向けヒット商品といえるだろう。特にリカバリーウェアを数量的に牽引しているのは上下セット3800円という低価格「メディヒール」を擁するワークマンといえる。

 

他社のリカバリーウェアよりも圧倒的に安い価格が支持されている。

1万円台・2万円台のリカバリーウェアには次々と新規参入があるが、低価格帯はこれまで、メディヒールと、一般医療機器の名称は使っていない「靴のヒラキ」くらいしか商材がなかった。

しかし、この低価格帯にも新規参入が始まった。

 

ニトリである。

ニトリもリカバリーウェアを発売、1490円から – ITmedia NEWS

 

ニトリ(札幌市北区)は2月9日、低価格のリカバリーウェア「Nミラクシリーズ」を発表した。1月下旬から全国のニトリ、一部を除く島忠・ホームズ店鋪、ネットストアで販売を始めたという。価格は1490円から。

半袖Tシャツを1490円で販売するほか、長袖Tシャツ1990円、ルームパンツ1990円など、いずれも2000円以下の値付け。ニトリは「リカバリーウェアが気になるが、価格が高くてなかなか気軽に試せない」というユーザーの声に応えて、低価格帯の商品を開発したと説明している。

 

とのことである。

価格帯はほぼワークマンのメディヒールに合わせているが、半袖Tシャツはワークマンよりも200円ほど高く、長袖Tシャツは90円高い。

ほぼ同格だが、個人的には少しでも安いワークマンを買うだろう。

 

 

一方、ワークマンも「メディヒール」の大増産を打ち出している。

ワークマン、マス化製品軸に拡大 200億円規模の商品を育成 | 繊研新聞

 

独自開発素材を使ったリカバリーウェア「メディヒール」は、1~8月で1095万点、164億円、通年で2100万点、350億円を販売する計画。リカバリーウェア市場で販売点数、金額とも年内に1位の座を狙い、アンバサダーとしてタレントの武井壮さんに続き、今春から元レスリング選手の吉田沙保里さんを起用し販促を強める。

 

とのことで、春夏で1000万点・通年で2100万点と、昨年秋に投入した数量の10倍という大増産を発表している。

 

 

リカバリーウェアという分野が23年に始まってもうすぐ3年になろうとしているが、今回のニトリ参入とワークマンの大増産とによって、分野そのものが飽和状態に早晩達する可能性が極めて高まった。

 

 

これまで、リカバリーウェアが話題性を維持できていたのは、

1、寝間着や肌着にしては高価格

2、品薄状態

という2点が続いたことが大きい。

 

ワークマンが登場するまでは1万円台~2万円台のブランドが多く、安くてもAokiや宝島社の8000~9000円台だった。

ハッキリ言って寝間着としては高額に過ぎる。1万円台の服なんて、ユニクロのダウンジャケット類と同等の価格である。寝間着ごときにそんな金額をおいそれと費やす人は少ない。

効能が無い単なる寝間着で良ければ、当方ならその辺りの店で投げ売られている上下980円のスエットで十分である。

 

だから一気にマス層には広がりにくかったと考えられる。

 

 

そこに登場したのがワークマンのメディヒールだが、ワークマンとて昨年秋に200万点を投入するまでは毎シーズン20万点ほどの投入数量に抑制してきた。

20万点というと大した数量だが、国内1000店舗を超えるワークマンからすれば1店舗あたりの投入量はさほど多くない。また、転売ヤーも跳梁跋扈したため、ワークマンでも品薄状態が昨年秋まで続いていた。

そのため、マス層に広がりにくい状態が続いていた。

 

 

昨秋の200万点も早々に完売してしまったが、今年、10倍となる2100万点を投入することから、ほとんどの欲しい人に年末までには行き渡るようになると思われる。

行き渡ってしまえば、リピーター需要しか無くなる。

 

 

リカバリーウェアは、一般医療機器と謳われているものの、その効能は数量化されておらず、また体感にも個人差が大きいため、今年年末までに「試しに」ワークマンを買った人が全員リピーターになるとは限らない。だいたい20数%の人は効き目を感じないと公表されている。

効き目が感じられないとすれば、いくら低価格とはいえ、寝間着ごときに3800円を支払う人はそう多くない。当方と同様に上下セット1000円くらいのスエットで十分という人は多いだろう。

ニトリの記事にもこんな一節がある。

なお、リカバリーウェアは効果に個人差がある他、PMDA(医薬品医療総合機構)への届け出を行うだけで製造できる「一般医療機器」という言葉をマーケティングに利用することを疑問視する声もある。

 

ことほど左様に曖昧な商品といえ、行き渡った結果、効き目が感じられないという人が多数発生すれば、一気にリカバリーウェア市場そのものが崩壊する可能性も決して低くないだろう。

 

ニトリの投入量は明かされていないが、恐らくは最低でも数十万点になるだろうし、ワークマンは来年度も2000万点くらいは投入するだろうから、商品が行き渡った来年以降は、一気に不良在庫過多に陥る危険性が相当に高い。

これからのリカバリーウェアは市場が飽和点に達することを前提に各社が出口戦略を想定する時期に突入したといえる。出口戦略無しにイケイケドンドンで進むブランドは経営難に陥る可能性が極めて高い。

 

 

 

 

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