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南充浩 オフィシャルブログ

百貨店の衣料品正月バーゲンが盛り上がりにくくなった理由

2026年2月6日 トレンド 0

節分が終わり、立春を迎えたわけだが、今年の正月のバーゲンはどうだったのだろうか。

当方は人混みが嫌いで、なおかつ百貨店・ファッションビルに入店するブランドで買いたい服が無いので今年の正月は完全に正月初売りバーゲンに行かなかったので様子はわからない。

今年に限らず、コロナ前からすでに行かなくなっている。

 

 

人混みが嫌いだという理由もあるが、ユニクロやジーユーを始めとするSPA型ブランドで毎月値下がり品を買っているため、バーゲンまで待って値下がり品を買いたいという欲求が完全に無くなっているからだ。ユニクロ、ジーユーに限らずアンドエスティやアーバンリサーチなども毎月値下がり品がある。店頭に無くともネット通販には毎月値下がり品が並んでいる。

現に、アンドエスティは2月6日から、アーバンリサーチは2月5日から大規模タイムセールを開始している。この2社に限ってもこのような値下げ祭りがほぼ毎月開催されるので、わざわざ正月バーゲンまで値下がり衣料品を待つ必要が皆無になった。

 

 

季節の風物詩に参加しなくなると一抹の寂しさはあるものの、当方の生活は利便性が第一なので、今の生活パターンを変える気は毛頭ない。

百貨店協会の統計などはまた順次発表されるのでそれまで待つとして、興味深いコラムが掲載された。

《めてみみ》本当に欲しい物は | 繊研新聞

 

今年もバレンタイン商戦が活況だ。都心百貨店をのぞいてみると、チョコを買うのに120分待ち、180分待ちの店もあるほど。小さなショッピングバッグをいくつも持ち、買い回る女性も多い。別の百貨店でも「前年を大きく上回る立ち上がり」と話していた。

バレンタイン商戦だけではない。ある社長は「百貨店の強みを発揮できるクリスマスや年末年始商戦は、食品中心にかなり盛り上がった」と振り返った。物価高が続き、節約志向が高まっていると言われる。そんな中でも、こうした年中行事への消費が盛り上がるのは、節約とぜいたくを使い分ける「メリハリ消費」の一つに思える。

一方で盛り上がらなかったのが1月のセール。少しは回復するかと思いきや、多くの百貨店が前年割れ。かつて過半を占めていた1月のセール売上高構成比は年々低下してきた。ある婦人服担当者によれば「3割程度になる」。対して、コートを中心とする正価販売が前年実績を上回った。欲しい物は高くても買う傾向が続いている。

 

とのことで、数字は示されていないものの百貨店の正月バーゲンで衣料品は総じて動きが鈍かったようだ。百貨店で10数年衣料品を買っていない当方と百貨店バーゲンに来る客を同一視することは危険ではあるが、恐らく、夏冬のバーゲン時期まで待たずに他月で値下がり品を買う人が百貨店バーゲン客層でも増えたのではないだろうか。また、アウトレットモールで買う人も増えているのかもしれない。

一方で、百貨店食品は盛り上がっているようで、このコラムでは2月14日のバレンタイン商戦について言及している。ただ、今年のバレンタインデーは土曜日なので例年ほど会社で配る義理チョコ需要は少ないだろうから、その盛り上がりは意外だと感じる。

 

 

ちなみに当方はバレンタインデーの曜日にかかわらず、普段から誰とも接していないのでわざわざチョコレートもらうことが無い。そのため、どういう雰囲気で盛り上がっているのかはわからない。

とはいえ、年末年始はやはり食品が盛り上がったことは想像に難くない。クリスマス用の食材、お節料理、帰省用の手土産などなど、衣料品を買う動機は無くとも、食品を買う動機には溢れている。

 

ちなみに、2025年12月の全国百貨店売上速報によると、衣料品の売上高が1576億9750万円であるのに対して、食料品の売上高は2079億4400万円となっており、百貨店の分野の中でダントツ1位となっている。衣料品の売り上げ構成比は24・1%だが、食料品の売り上げ構成比は31・8%もある。

12月に関しては食料品こそが百貨店の看板商品だといえる。これは恐らく1月も同様ではないかと思われるが、発表を待ちたい。

 

 

さて、コラムに話を戻そう。コラムでは百貨店の衣料品正月バーゲンが不振だった理由を「欲しい物は高くても定価で買う」心理が理由だとしている。

たしかにそういう人もいるだろう。それにコラムは字数が決まっているからあれもこれも論ずることはできないから、その1点に集中して言及した可能性も極めて高い。

だが、それでも「毎月値下がり品が実店舗にもネット通販にも溢れている」という状況に大きく左右されているということは否定できないと当方は考えている。

また、もう一つの可能性としては、百貨店アパレルが冬物衣料品の仕込み量(生産量、仕入れ量)を売れ残りが出ない程度に抑えていることも大きいのではないだろうか。

 

正月バーゲンまで残っているかどうかわからないから、定価でも早めに買ってしまおうと考えた消費者も相当いるのではないか。ガンプラが品薄だから定価なら、店頭にある時に買っておきたいとして当方も含めたガンプラファンが積みプラを増やすのと同じ心理である。

供給量が需要量よりも少なければ価格は上がるというわけである。

 

このコラムは

立春が過ぎ春物商戦が始まる。この時期、需要が高まるのが入卒園式などのセレモニー服。年中行事の一つではあるが、消費者が「単なる生活必需品」と考えればメリハリの節約の方に向かいかねない。セレモニー服に限らず「本当に欲しい」と思わせる春物の提案が求められる。

 

と結ばれているが、セレモニー服に「本当に欲しい」というポジションはあまり無いのではないかと思える。子供たちの入卒対応なら、人生において数回しか使わない。それ以外に晴れがましい場に出る人なら話は別だろうが、そうでない人にとって子供たちの入卒用の服なんて「本当に欲しい」もクソも無いと思う。そこそこ安くてそこそこ見映えがすれば十分だろう。

百貨店、ファッションビルのアパレルブランドが値引き販売をなるべくしたくないのなら、フワっとした「本当に欲しい服」なんて概念を最重要視するよりも、需要量を見極めた上でキッチリと売り切れる供給量を手配するMD力を最重要視すべきだろうと思っている。

 

 

 

 

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