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南充浩 オフィシャルブログ

オールバーズ不振の理由はセールスポイントがサステナブルしかないから

2026年2月3日 企業研究 0

2010年代半ば過ぎ頃にメディアと一部イシキタカイ系の間で話題に上っていた米国発のサステナブルブランドが、すっかりと勢いを無くし、露出が減っている。

 

その一つがスニーカーのオールバーズである。2020年代に入ってからは赤字経営のニュースしか流れてこない。「透明性ガー(笑)」で話題となったエバーレーンも経営難という記事を何度か見たきりで、その後の続報は日本語メディアでは見かけていない。アメリカのメディアでは報じられているのかもしれないが、当方はアメリカ報道までカバーしていないしする気も無い。日本には進出していないはずなので、エバーレーンがどうなろうと当方にも他の日本国内消費者にも影響は皆無に等しいから、報道する価値も無いのかもしれない。

 

 

さて、そんなオールバーズだが、相変わらず苦戦が続いており、ついに米国内の実店舗を全店閉鎖することになった。

苦戦中の「オールバーズ」、米国内の全店舗を閉店 アウトレットや卸は継続 – WWDJAPAN

 

サンフランシスコ発のフットウエアメーカー、オールバーズ(ALLBIRDS)は1月28日、米国内の全ての直営店(アウトレットを除く)を2月28日までに閉鎖することを発表した。今後はECと卸に注力する。なお、米国内のアウトレット2店とロンドンの直営店2店は「資本効率性の高い成長を優先しつつ、ブランドのメーンタッチポイントを維持する」ため営業を続けるという。

(中略)

22年12月期をピークに売上高は減少。事業再建を目指し、23年5月にはズウィリンガー共同CEOが単独CEOとなり、ブラウン共同CEOはチーフ・イノベーション・オフィサーに就任。24年3月には、ズウィリンガーCEOが同職を離れて特別顧問となり、ヴァーナチオ最高執行責任者(当時)がCEOに昇格した。相次ぐCEO交代、リストラなどを経て、D2Cモデルから国・地域ごとにパートナー企業と提携する事業モデルに転換を試みているものの、直近の25年7~9月期(第3四半期)の売上高は前年同期比23.3%減の3298万ドル(約51億円)と厳しい状況が続いている。

 

とのことである。

 

これまでの経緯と記事内容の推移から見ると、ハッキリ言ってジリ貧状態にあるといえる。ロンドンの直営2店舗は残すようだが、個人的には近い将来閉店に追い込まれるのではないかと見ている。

サステナブルを掲げていながら、米国内のアウトレット店は継続するというのだから笑えてくる。要は売れ残り在庫が多いから値下げ販売店は不可欠ということになる。

不良在庫を作らない、増やさないというのがオールバーズも含めたサステナブルブランドwではなかったのか。方針と現実がまるで乖離している。

 

もうすぐ25年12月期の決算も発表され、報道されるだろうが、第3四半期で売上高が23%減の51億円となっているから、通期を推測するとおよそ68億~70億円程度にしか到達しないだろうと思われる。

この当方の推測は、単純に51億を3で割って4倍した数字なので外れる可能性も高いが、今のペースで行くと、売上高80億円は確実に割り込むことになりそうだ、

 

 

ネット通販と卸は継続するとのことだが、アウトレット店が不可欠であることを見ればわかるが、恐らく売れ残り品や返品が相当数発生し続けているのだろうと思われる。

オールバーズは2016年創業で22年の業績がピークで、つるべ落としに経営を悪化させ続けている。25年12月期は70億円内外の売上高に落ち着くのではないかと思われるが、その要因は何だろうか。

 

 

個人的には、セールスポイントが「サステナブル」しか無い点ではないかと思っている。主力商品のスニーカーに関して言えば、デザイン性はベーシックで平凡である。突出した機能性があるわけでもない。しかも価格は高い。(日本販売価格で2万円前後)

となると、これ以上大衆に広がる要素が無い。もちろん、日本人たる当方とアメリカ人の消費者心理は完全に同じではないだろうが、アメリカ人の多くもそのように判断しているからこの業績なのではないだろうか。

 

最近、オンやホカのスニーカーは高いが注目されている。先日、トレーナーさんから勧められてオンのスニーカーを買ったという人の話を聞くことがあったが、クッション性と軽さが今までのナイキやアディダスのスニーカーとは比べ物にならないそうである。だから、2万円くらいするが買う人が増えているのだろう。

オールバーズにそこまでの機能性はあるのか?残念ながら当方はそんな評価を聞いたことが無い。

 

となると、型落ち品番で値下がりしているナイキのエアクッション入りスニーカーとか、アディダス、リーボックなどのスニーカーを買った方が財布に優しい上に足にかかる負荷はさして変わらないということになる。

よほどのイシキタカイ系でないとそんなスニーカーはわざわざ買わない。

デザイン性で見ても、大手ブランドのスニーカーの方がオールバーズよりも凝っている場合が多い。

 

一方、いまだに70億円くらいは買ってくれるイシキタカイ系は米国を中心に存在しているわけだから、オールバーズはその既存顧客向けの商品提供とサービス提供に特化してみてはどうか。今の商品と価格設定でマス層に拡販することはかなり難しい。

 

それにしても、2024年にゴールドウインが国内独占販売契約を結んだが、ハッキリ言って、ピークアウトした上にマスに広がりにくいブランドとなぜ今更契約したのか疑問しか感じなかった。

実際、開始して1年半以上が経過しているが、目立った国内での事績は聞こえてこない。決算絶好調が続くゴールドウインといえども、オールバーズを拡販することは不可能に近いと個人的には見ている。

今回はゴールドウインの目利きが失敗したのではないだろうか。

 

 

 

 

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