時々刻々と変化するために天候・気温予報は的中させにくいという話
2025年12月25日 天候・気候 0
昔、当方が若い頃は「衣料品の売れ行きの原因を気温になすりつけるな」とよく叱られたものだった。
だが、実際、特にボリューム層・マス層向けのブランドは気温要因で売れ行きが大きく左右され、その傾向は年々強まっていると感じる。
もうこのご時世で「気温に左右されずに洋服を販売する」なんていうのは、コアなファン層しかいないニッチブランドくらいしか通用しないのではないかと思っている。
気温によって衣料品の売れ行きが左右される度合いが年々高まっている理由としては、
1、昔は「季節だから」という理由で暑さ・寒さを我慢する人の比率が高かった
2、夏が昔とは比べ物にならないほどに暑くて期間が長くなっている
という二点が大きいのではないかと思っている。
そんなわけで毎年の気象情報には注目しているのだが、それにしても気象予報を的中させることは難しいと感じる。もちろん、当方が予想するわけではなく、各報道を見比べて総合するわけだが、だいたい期初予想は外れる場合が多い。
これを見ていると、気象庁というプロ組織や各気象予報士というプロですら、的中させることが難しいということがわかる。恐らく、大気や海流の流れ、気圧などが時々刻々と変わるため、プロといえども3カ月先の気温傾向を予想することは難しいのだろうと思えてならない。
特に今冬の気温傾向の予想は時々刻々と変化しており、とりわけ予想が難しいのだろう。
最新の予報では、正月ごろから寒波が襲来することになっている。ハッキリ言って、数日前の予報とは大きく変わってしまった。
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26日・27日に寒波が来るという予報は、以前と変わらないものの、正月明けの気温予報が大きく変わっている。
28日からは気温が上昇して大掃除日和となり、1月1日と2日もそこまで寒くはならないが、Yahoo!天気予報の最新版を見てみると、大阪では4日から以降はずっと最高気温が10度未満となっている。
これは正月3が日明けから強烈で長期間の寒波が襲来するということになるだろう。
現時点では1月10日までの予報だが、大阪の最高気温は8度になっていて、4日から最低でも1週間は寒波が続くということになる。
まあ、年末大掃除も終わっているから寒波が長引いても個人的にはあまり問題は無いが、通勤・通学の人はかなり寒さを感じることになるだろうし、1月中頃から始まる大学入試への影響も心配になる。
この気温予想が実現したとすると、成人の日(1月12日)までの冬物衣料品の売れ行きは、値下げバーゲンと相まって相当に好調になると思われる。
当初の3カ月予報では、12月に寒波が来て1月、2月は比較的暖かくなり、春の訪れは早いとされてきたが今の気温予報では1月は冷え込む期間がかなり長くなると思われる。
寒波襲来が懸念された12月だが、実際は寒かった日が少なかった。
このようにつらつらと見て行くと、時々刻々と変化して、プロでも予想を的中させられにくい気温変化という事象に対して、衣料品の製造や商品計画をその都度俊敏に対応させるというのは至難の業といえる。
年末年始の気温予報ですら、ほんの数日前と今では全く変わってしまっている。
もちろん、今後、人工知能を活用して予想精度が高まることを願っているが、現時点ではそこまでの的中率ではない。技術と運用の進歩が待たれる。
冬を乗り越えても、春が来て、また夏が来る。
春の訪れは早いのか遅いのか、春の気温は高いのか低いのか。また、夏は猛暑なのか、それが長く続くのか。この辺りが新たな注目点になる。
25年の4月は恐らく記録的に気温が低かったと思われる。4月下旬ですら肌寒い日があったし、多くの人も覚えておられるだろうが関西万博の開幕日である4月13日は、大雨が降り続いてかつ非常に気温が低下した。私事ながら、4月28日には、突然来阪した大学時代の旧友を自宅に泊めた(もちろん、オッサン)のだが、この日も非常に寒かったことを鮮明に覚えている。
この低気温のため、4月の衣料品販売状況は軒並み苦戦となった。
だからと言って、26年4月が同様の低気温であるとは限らないのである。24年4月はそこまで低気温ではなかったから、先日、繊研新聞で報道されたように「4月の低気温に対応する」というのはかなり危険性が高い。
夏に関しては、暑いということは決まっているのだろうが、それがいつまで続くのかということが眼目になり、秋物の展開をも大きく左右する。
例年通り10月中旬くらいで終わってくれるのか、23年・24年のように11月も厳しい残暑が続くのか、である。
近年、昔のようにファッション性によるメガトレンドは生まれにくくなった。そのため、衣料品の売れ行きは気温と天候に左右される度合いが高まってきた。今後もファッション性によるメガトレンド、ビッグトレンドは生まれにくいと当方は思っているので、天候・気温情報の収集と分析は、一部の例外ブランドを除いて、商品計画の重要な項目の一つになり続けるだろう。