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南充浩 オフィシャルブログ

コロナ自粛明け以降も減収が止まらなかったマツオインターナショナル

2025年12月22日 経営破綻 0

経営破綻し、会社更生法を申請したマツオインターナショナルの続報があった。

債権者集会が開かれたということである。

マツオインターナショナル、松尾産業が債権者説明会 最大5億円の融資枠を確保 | 繊研新聞

冒頭、両社社長の松尾憲久氏は「この度は債権者の皆様に多大なご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした」と謝罪した。続けて「コロナ禍明けからマーケットの様相が一変し、変化への対応が遅れていた。いつかは元に戻るという甘い考えから、業績が戻らず、資金繰りに苦労するようになった。社長としての経営判断に甘さがあった」と申し立てに至った経緯を話した。

マツオインターナショナルの25年8月期の売上高は124億5000万円、営業損益は3億6000万円の赤字で、帳簿上で21億の債務超過だった。松尾産業の25年3月期の売上高は6億6000億円で、営業損益は879万円の赤字だった。申し立て時の両社の負債総額の合計は約110億円。

 

とのことで、ここで注目したいのが、直近である25年8月期の売上高である。124億5000万円とのことだが、先日発表された売上高よりもさらに低下している。

例えば、信用情報では24年8月期の売上高は136億4700万円となっている。

マツオインターナショナル株式会社 – 信用交換所

マツオインターナショナルが自社公式サイトで公開していた2022年8月期売上高は140億5000万円で371店舗だったが、売上高の変遷を見ると、コロナ禍明けも売上高の減少が止まっていないということがわかる。

 

改めて箇条書きにすると、

・2022年8月期売上高 140億5000万円

・2024年8月期売上高 136億4700万円

・2025年8月期売上高 124億5000万円

と推移している。

 

通常、コロナ禍自粛が完全に終了した2023年から一部の例外を除いて、多くの各業界で業績が急回復している。

アパレル・衣料品業界も全体的にはコロナ自粛以降に売上高は回復し続けている。にもかかわらず、マツオインターナショナルの場合はコロナ自粛が終わっても売上高は減少し続けていたという点においては、商況としてはジリ貧に追い込まれていたといえるだろう。

 

 

ましてや、2022年のウクライナ侵略以降すべての商品物価は上がっている。前年並みの売れ行きだったとしても売上高は数%くらいは自動的に増える。

そういう状況にありながら、コロナ自粛明け以降も売上高が減少し続けたというのは、単純に商品の需要そのものが減り続けていたと考える方が適切だろう。

もちろん、不採算店舗を22年8月期以降も閉鎖し続けてきただろうから、371店舗よりは減少しており、その分売上高も減少しただろう。とはいえ、100店舗とか150店舗も大幅に減らしたわけではないと思われるので、コロナ自粛明け以降も売上高の低下が止まらなかったのは、やはり商品が消費者からの支持を失っていたと考えるのが妥当だろう。

 

 

では、どの部分で商品が支持を失ったのかということになるが、

1、旧DCブランド的なデザインの商品が多く、そのデザインが支持されにくくなった

2、マツオが主戦場とするミセス・シルバー客だが、今のその世代は昔ながらのミセスブランドを選ばない

3、主販路である百貨店自体が一部の強力な店舗を除いて衣料品売上高が低迷している

4、インフレに対する生活防錆で衣料品への支出を節約するミセス・シルバー層が増えた

あたりになるのではないかと思う。

 

この4つについてはこのブログで何度も書いているので、あえて繰り返さないが、世間の今の50代~70代を見ていると、例え女性でもDCブランドっぽいデザインの服を着ている人は少ないと感じる。もっとシンプルで少し上質に見えるような服がその世代のマス層になっていて、例えていうなら価格帯は異なるがドゥクラッセみたいなテイストが主流だと感じる。

そうなると、マツオインターナショナルの各ブランドの商品の需要は低下せざるを得ない。コロナ自粛明けも減収基調が止まらなかったことはそれを証明している。

もっと小規模に、例えば30~60億円くらいにまで規模を縮小してニッチ市場向けとして割り切るのであれば、今のテイストの商品群で存続し続けられるのではないかと個人的には見ている。

 

 

さて、会社更生法の申請なので営業は当面続くが、気になる箇所が記事中にある。

保全管理人に選出された中森亘弁護士からは、会社更生手続きのスケジュールなどの説明があった。「当面、資金面で問題はない。今後も事業を続けていくために、変わらず取引を続けていただきたい」と強調した。三井住友銀行との間で、最大5億円の融資枠設定契約を結んでいる。

12月10日にスポンサー支援に関する基本合意書を締結した名証上場のバルコス(鳥取県倉吉市)からの支援内容は、現時点で未確定だ。バルコスは、最終合意書の締結は26年1月予定と公表している。

 

第1報では、バルコスの支援がありそうだとのことだったが、現時点では詳細な内容は未定とある。来年1月(要するに来月)に合意するという見通しなので、その際に支援内容も発表されることになるだろう。ただ、現時点で支援内容は未定とあるから、支援が無くなる可能性というのも、現時点では決して低くない。

実際に、経営破綻企業に対して、当初は支援見通しが報じられていたものの、直前で支援が撤回されたという事例がいくつかある。勝負は下駄を履いてみるまでわからない、と昔から言う。勝負は試合終了までどうなるのかわからないし、契約は調印して締結するまでわからない。

 

 

 

 

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