かつての「コスパブランド」の割安感が無くなり、その下をくぐる企業やブランドが登場しているという話
2025年11月26日 お買い得品 1
かつて圧倒的な価格競争力を武器に市場を席巻した新興企業や新興ブランドが成長して大手企業になり、価格競争力は幾分か低くなったもののブランドステイタスを手に入れた結果、新たな挑戦者が価格競争力を武器に勢力を伸ばす。その繰り返しがだいたい20~30年周期で起きているのではないかとそんな感慨を抱いてしまう今日この頃である。
前回、ユニクロとジーユーのメンズボクサーブリーフの価格が値上げされ、さらに値下げ幅も少なくなって「割安感」が無くなったと書いた。一方、デイリーファッションパレットは2枚649円、2枚605円という価格競争力を持ったボクサーブリーフを販売している。
耐久性はどうなのかはわからないので、評価はできないが、価格面だけでいうとパレットに流れる消費者は一定数量存在するだろうと思われる。
かくいうユニクロの肌着も20年前はグンゼやアズなどの量販向け肌着メーカーの下をくぐる圧倒的な価格競争力を持って顧客を奪って行ったという歴史がある。
外衣にしてもそうだ。先日、このブログでワークマンカラーズの「万能パンツ」を取り上げた。いわゆるオフィス勤務向けのスラックスタイプのメンズカジュアルズボンで、明らかにユニクロの「感動パンツ」「ウォームストレッチパンツ」「ウォームスマートパンツ」あたりの廉価版という商品である。
万能パンツが1900円(税込み)であるのに対して、感動パンツは3990円(税込み)、ウォームパンツ2種は4990円(税込み)と倍以上の販売価格となっている。
早速、万能パンツを穿いて過ごしたが、別に何の問題も無かった。強いて挙げれば、当方の股下が77センチほどなので出来たら数センチ裾上げをしたいと思うが、その裾上げ方法がワークマンの店舗とサイトでは分かりづらいのでそこは改善の余地があると感じる。
一方、ユニクロの感動パンツは股下が73センチ、76センチ、85センチの3種類が存在していて、73センチか76センチを選べば当方は裾上げの必要が無いという点においては利便性が高いといえる。
とはいえ、このレングスを何種類か用意するという販売方法はかつても業界では存在していたが、特定のレングスのみが売れ残りやすいという欠点があるため、いつの間にか業界では下火になった販売方法であり、それを今更復活させたユニクロは果たして画期的な解決方法を考案できたのだろうか。それとも苦し紛れに展開しただけなのだろうか。この辺りはいずれ結果が明らかにしてくれることになるだろうと思う。
そもそも、ユニクロのスーツ類やジャケスラスタイルは、青山商事やAoki、はるやま、コナカなどの大手紳士服量販店チェーンの下をくぐる商材として登場し、普及してきたという経緯がある。
その大手紳士服量販店チェーン各社もバブル期前後に「メンズスーツの価格破壊」が賞賛されて企業規模を全国に拡大したという歴史がある。
百貨店紳士服や小規模テーラーなどの下をくぐる価格で成長した大手チェーン各社が、今度はユニクロに下をくぐられたというわけである。
そして今度はユニクロが部分的にではあるがワークマンやその他企業にスーツ類やジャケスラスタイルで下をくぐる価格に追随されているという構図となっている。
どこまで売れるのかは甚だ不透明ながらも、青山商事が発表した低価格新商品「みんなのスーツ」もその一端だと捉えられるべきだろう。
青山商事、全世代向け「みんなのスーツ」を発表 1万2980円で気軽に着用 | 繊研新聞
新シリーズは「すべての人に、似合うスーツ」をコンセプトに企画した。税込み1万2980円という手ごろな価格帯で、どのようなシーンでも気軽に着用でき、良質できちんと見えするスーツとなる。オフィスや通勤などビジネスシーンはもちろん、学生の入学・卒業式や成人式、就職活動など幅広いシーンで着用できる。販売は郊外路面を中心とした「洋服の青山」と都市型の「スーツスクエア」の両方で同じ商品を扱う。
とのことで、この販売価格は感動ジャケット+感動パンツとだいたい同じくらいの値段で、ユニクロのストレッチウールジャケット+ストレッチウールパンツよりも15000円くらい安い。
これは衣料品の分野だけではなく、飲食店や食品なども同様だといえる。
飲食店でいえばかつて圧倒的なコスパを誇っていた鳥貴族がいつの間にか「390円均一」に値上がりしていた。2010年代後半以降徐々に値上がりし続けて390円に到達したのだが、これの下をくぐる居酒屋チェーンが全国的に拡大している。食べ物の値段は鳥貴族とさほど変わらなかったり、それよりも高かったりするが酒の値段が圧倒的に鳥貴族よりも安い。
コロナ禍の影響ですっかり昼飲みハッピーアワーも世間に定着したが、ハッピーアワーが終了して定価に戻っても今の鳥貴族よりも酒の値段は安い。
「勝男」「どんがめ」「新時代」「八銭」あたりが大阪市内、一部東京都内に増殖しているし、大阪市内では「ぎふや」も増殖中である。
以前にも書いたかもしれないが、大阪・梅田にはDDハウスという飲食ビルがある。バブル期にはイキったイタ飯屋とか合コン用居酒屋ばかりが入居していたが、バブル崩壊後いずれも撤退してしまい、たまたま2023年に久しぶりに立ち寄ったら、鳥貴族、どんがめ、串カツ田中などの低価格居酒屋集積ビルに変貌しており、ビル全体に客が戻ってきている。

食品も同様で、西友がトライアルに買収されたが、早速西友の食品売り場にもトライアルのPB商品が並ぶようになった。2022年のウクライナ侵略によって小麦価格も上がり(米の値上がりよりはマシだが)、小麦食品も軒並み値上がりしたにもかかわらず、トライアルのPB食パンは定価88円で販売されており、当方の知る範囲においてはスーパー各社の食パンの定価販売の最安値ではないかと思われる。コロナ前はスーパー玉出で販売されていた93円食パンが最安値だったと思われる。

このように、それまで価格競争力で成長してきたスーパー玉出やスーパー万代のさらに下をくぐる価格の食品が見られるようになってきている。逆に企業として一定規模に成長した玉出や万代の価格競争力は以前に比べるとやや落ちていると感じられる。
「歴史は繰り返される」とよくいわれるが、この価格競争力のサイクルも定期的に繰り返されるものなのだろうか。平均寿命まで当方は残り25年となった。残り25年間で推移をヌルっと見続けてみたいと思っている。
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ファイブフォックス イトキン
30年位前婦人服売上上位だったが 現在あまり店舗を見かけないし 印象も薄くなっている 年商1000億以下の会社が殆どだった
当時 2番手以後だった ハニーズや田中興産がしぶとく残っているのは何故なのだろう?
現在 アパレル上位の会社を脅かす勢いの企業はあるのだろうか?
タカハシ サンキではなさそうだ