ユニクロのテイラードジャケットで営業先に行くことの何が問題なのかわからなかったという話
2025年10月6日 商品比較 0
「ユニクロ」という名前を出すと、ウェブページのクリック数が如実に伸びるという現象がある。
そのため、ウェブメディアでは「ユニクロ」記事が量産されることになってしまう。そんな中、こんな記事が掲載された。
「ユニクロのジャケット」で営業先に行くのはNG? 迷った人に欠けている視点 | 今さら聞けないビジネスファッションの作法 | 東洋経済オンライン
どうだろうか、当方は何が問題なのか全くわからなかった。
問題だと感じられた方はおられるだろうか?
記事の要点は以下である。
発売当初のコットンライクな生地にくらべ、スーツライクな感動ジャケットは「肩の印象がしっかり」しているため、お相手の服装によっては商談OK。これが私の結論ですが、「ビシッとしたスーツ着用の方と対峙するには、印象が浮いてしまう」リスクも否めません。
とのことだが、個人的な感想でいえば最早いちゃもんに近いと感じる。
通常型のテイラードスーツ、テイラードジャケットを着用していた場合、よほどのフォーマルな場、例えば記念式典だとか冠婚葬祭の場だとか、そういうこと以外にほとんど問題にならない。
素材が、なんて指摘もあるが、よほどに服飾に詳しい人以外、対面に座った人間の着用している服の素材までを一見しただけで判別できない。
記事内でも指摘されているように、ユニクロの感動ジャケットに限らず、一見しただけではそれが合繊なのかウールなのか、ウール混なのかは判別できにくくなっている。
それは生地製造の技術が進歩し続けているからであり、実際に触ってみないと、当方も判別できにくいことが多々ある。
また、高額ブランドでもトラベルスーツ、トラベルジャケットなどの名称で、いわゆる合繊ストレッチ素材を使用した商品をすでに販売している。じゃあ、それを着て商談することは大問題になるのか?という話にもなる。
先ほどの記事には
その理由は、型紙に起因します。
という一節がある。これはこれで主張しては正しいが、ユニクロよりも高価なブランドなのに型紙(パターン)がイマイチと評されている紳士服メーカーもある。
それは問題にならないのか?
恐らく、この記事が掲載されたのは、冒頭で述べたように「ユニクロ」と銘打つことで如実にクリック数が増えやすいという背景があると考えられる。
ユニクロの感動スーツ、感動ジャケットが問題になるなら、AOKIのパジャマスーツはどうなるのだろう?ワークマンのアクティブワークスーツはどうなるのだろう?という話になる。
ちなみにAOKIのパジャマスーツも好調を続けており、累計で75万枚を販売したとのことである。
AOKI「パジャマスーツ」が累計75万着を突破 プレミアムラインの販売開始 | 繊研新聞
たしか、発売はコロナ禍が始まってすぐのことだと記憶しているから5年間で75万枚売れたということになる。平均すると年間15万枚の販売である。この手の商品としては破格の好調といえる。
当初はノーカラージャケットのみの販売だった。昨今のオフィス回帰等によるニーズに合わせ、襟付きのテーラードジャケットに変更。よりきちんとしたアイテムを多数揃える。
とのことで、商品画像を見ると記事にもあるように「きちんと」見える。もちろん、高級スーツには見えないが、普通の商談なら十分だろう。問題になるなら、それは相手がよほど服飾に詳しいか、よほど富裕層出身なのか、ということになる。
この記事が企画され、掲載された背景にクリック数稼ぎという背景があることは先ほども書いた通りだが、それ以外にもやはりメディアには「ユニクロのような低価格品で良いのか?」という心理が根強く残っているからではないのかと思われる。
たしかに90年代後半にユニクロブームが起きた際には、かなりの低価格ゾーンだったわけだが、今ではジーユーのセットアップもあれば、AOKIのパジャマスーツもある。ワークマンのアクティブワークスーツもある。さらにいえば、ユニクロの感動スーツは登場当時よりも値上がりしている。これら以外にも低価格スーツ、低価格セットアップは数多く誕生し、販売されている。
AOKIのパジャマスーツなんて「ジャケット税込み1万290円、パンツ9889円」とあるから、上下セットで2万円強もするから決して「安物」とは言えなくなってしまっている。
9月からNEWSPICKSというサイトで「認定エキスパート」としてコメントを書かせていただいているのだが、このユニクロ記事にも多数の人がコメントをされていた。
正直なところ昔のNEWSPICKSのコメントというのは、結構イシキタカイ系の人が多かったという印象があってうんざりしたので、ここ5年間くらいはサイトを見もしなかったが、今回久しぶりに各者のコメントを拝読したところ、当方と同様に「一体何が問題なの?」という論調が多く見られたので、雰囲気が随分と変わったので安心した次第である。
感動スーツの背中とか胸にデカデカと「ユニクロ」とか「感動スーツ」とかのロゴが書かれてあれば話は別だが、あくまでもベーシックな色柄のスーツ、ジャケットであるならば、ことさらに問題として定期する方が奇異な印象を与える。結局はメディアが「クリック数稼ぎ」を行い、「ブランド名だけで」判別しているに過ぎないということになる。