MENU

南充浩 オフィシャルブログ

ユニクロが今秋冬打ち出す「セーター強化」策

2025年9月22日 ユニクロ 0

関西では、ようやく猛暑が終わった。

9月18日ごろから大気に「夏独特の熱気」ははらんだものの、猛暑日ではなくなり一息ついたところ、20日夜中に雷を伴った豪雨が降って、「夏独特の熱気」が完全に無くなった。

最高気温は30度くらいだが、湿度が低くてカラッとしている「秋の暑さ」である。快適さが格段に高まった。

そうなると、やっと秋冬物衣料品でも眺めようかという気になる。

最高気温が30度前後では当分の間は当方は半袖で過ごすが、1か月後くらいには秋冬が着用できるくらいまでに最高気温が低下するだろうから、それに備えて秋冬物の物色を開始した。

 

 

天候長期予報では今秋冬は、10月も厳しい残暑(9月の残暑は当たり前)で台風は多め?、ラニーニャ傾向で冬は厳しい寒さか?、となっている。

この予報が的中するのであれば、秋物衣料はともかくとして、12月以降に冬物衣料の消化は捗るのではないかと思われる。

冬の寒さが昨年に引き続いて厳しいとなると、ダウンと中綿入りアウターはかなり好調に動くだろう。逆にウールコートはどうだろうか。中綿入りとか特別な保温機能が加味されていない限り動きは鈍いのではないかと思う。そういえば、少し前の繊研新聞に尾州のコート用ウール素材が苦戦しているという記事が掲載されていた。

尾州産地、25年度上半期生産は苦戦 紡毛コート地が回復せず | 繊研新聞

 

 

冬物衣料の代表といえばコートと並んでセーターだろうと当方は思っている。寒さが厳しいとなるとセーターの売れ行きはある程度好調ではないかと思われる。

しかし、近年は暖冬の影響もあってセーターの動きは鈍い年が多かった。セーター好きの当方ですら、暑くてウールのセーターを着ていられなかったという年が何年もあった。

以前から書いているように、セーターを販売しているブランド数、セーターを販売しているブランドでもその取扱い型数は年々減少し続けている。

特にウール100%セーターは近年のウール原料の価格高騰の煽りと国内需要低下を受けて、販売している低価格ブランドが激減した。当方が把握している限りではユニクロと無印良品くらいしか存在していない。

 

 

高価格帯のすぐ真下くらいに位置する有力セレクトショップ各社も店頭で眺める限りはウールセーターの取り扱い型数は減っている傾向に見える。

当方の顔見知りにはセーターに特化している製造加工業者も少なからずいるのだが、いわゆる「正統派セーター」の商売は苦戦傾向が続いている。

暖冬傾向の日本では高価格帯であってもウール・獣毛セーターは売れにくいという決断から、冬の気候が厳しい欧米での販売を主力にシフトしたCTプラージュのようなブランドもある。

 

 

そんな中、ユニクロが今秋冬に「セーター強化」を打ち出した。

《解説》ユニクロ、セーター拡販の勝算は? トレンドの変化に商機 | 繊研新聞

ユニクロはセーターを日本で拡販する。夏の長期化と残暑に暖冬と、セーターの販売には適さないと思われる気候が続くが、グローバルMD部の中野正海ウィメンズ部長は「トレンドは変化している。ライフウェアとしての手頃さや機能性を訴求することで、もっと販売を増やすことは可能」と見る。

とのことで、具体的な品ぞろえについては

ユニクロ 40型、100色を揃えてセーター拡販 イージーケア性も訴求 | 繊研新聞

と伝えられている。

 

 

ユニクロがここに来てセーター強化を打ち出した理由は当方にはわからない。トレンド変化とのことだが、トレンド最先端にいない当方には全く体感が無い。

ただ、近年のユニクロの秋冬物の打ち出しを見ていると、フリース、保温肌着、軽量ダウン、防風パンツ、中綿入りアウター、と順番にやってきた経緯から、新たに強化できるアイテムがセーターくらいしか残っていないといえる。

 

当方が感じるセーターのデメリットは4つある

1、洗濯に気を使う(使わねばならないと思われている)

2、ウール・獣毛素材は虫食いされやすい

3、引っかけると布帛に比べると穴が開きやすく、その穴は広がり続ける

4、保温力が高い商品が多くて暖冬だと暑くて着られない

である。

3は生地の構造上の問題だから解決が難しい。よほど「新たな編み方」でも考案しない限り解決は不可能である。

また、2についても解決はほぼ無理だろう。(特殊加工が開発されてそれを施せば解決の可能性は高まる)

 

今回のユニクロの施策はウール・獣毛品番を除くと、1の洗濯性を高めることに主眼を置いていると考えられる。それをウール・獣毛ではなく、ポリエステルや他の化合繊を使うことで解決を図っているといえる。

化合繊セーター、特にアクリルセーターについてはあまりよくないイメージを持っている中高年層も多いことだろう。当方もアクリル100%のセーターには何となく抵抗を感じる。

とはいえ、ユニクロがイージーケア性でセーターの販促を強化しようとしたことは大衆層にはある程度理解しやすいのではないかとも思っている。

 

 

セーター関連の製造加工業者の多くは、近年の需要低下に対して「本物」「本格的」を打ち出して消費者にアピールすることが多かったと当方には感じられる。

しかし、本格的なウール・獣毛セーターであればあるほど洗濯には気を使わざるを得ない。おまけに虫食いの危険性が高まる。さらに暖冬にも適していない。

セーター離れをしていた人たちは、洗濯性に対して忌避していた部分が多いと思われることから、一連のアピールはむしろ逆効果だったのではないかとしか思えない。

一方、セーター好きからすれば、アピールされずとも常にセーターを購買・着用するわけだから、アピールは無意味となる。

 

 

しかし、セーターにも着用メリットはある。

クルーネックのスエットシャツに比べると、同じデザインでもセーターを着用した方が上品に見える。特に中高年層はクルーネックのスエットシャツ(いわゆるトレーナー)が顔の老化で似合いにくくなっていて、単なる寝間着にしか見えない人も少なくない。

セーターなら同じデザインでも上品に見えるし、寝間着にも見えない。当方も含めて姿かたちが老化した中高年層こそ、セーターの方が似合いやすい。

 

 

はてさて、今回のユニクロが打ち出すセーター強化は、中高年層に刺さるのだろうか?それが最大の鍵になるのではないかと思う。

 

 

 

この記事をSNSでシェア

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ