「本物」への過剰なこだわりはイノベーションを生まない
2015年6月24日 未分類 0
先日、バッタ屋の店頭に立っていたとき、60代と思しき女性(俗にいう大阪のオバハン)がストレッチパンツを購入した。
ポリエステル主体の組成の生地でモカ茶色である。
で、その女性が
「ニイチャン(筆者は見るからにオッサンだが、大阪のオバハンは大概のオッサンにもこう呼びかける)、聞いてえな。こないだ他店でジーパン買って穿いたら、上に着てたシャツの裾とかに真っ青に色移りしてん!そんな商品どない思う?」
と先日、他店で購入したジーンズから色移りしたことに大層お怒りだった。
インディゴ染料で染められた糸で織ったデニム生地は、移染する。
ワンウォッシュくらいの濃紺のデニム生地を洗濯機で洗えば、水は真っ青になる。
これは常識である。
だから販売の際にはかならずそういう説明をせねばならない。
そういう意味ではデニム生地はめんどくさい生地である。
イージーケアとは言いにくい。
どんな店でその女性が購入したのかしらないが、おそらく販売員が「色移りする可能性がありますよ」という説明をしなかったのだろう。
やっぱりそういう説明は大事である。
一方、生地の展示会では、折からのデニムトレンドを背景に、「デニム調」生地の提案が多い。
ただし、インディゴ染料で染めているものばかりではない。
どちらかというとそれは少数派である。
生地の展示会で提案されている「デニム調」生地は、インディゴ以外の染料で濃紺から薄ブルーに染められているものが多い。
担当者にその理由を尋ねたところ「さまざまな理由はあるけど、移染しない・しにくいという理由もあります」とのことだった。
現在はジーンズというアイテムが年配層にまで愛用されるようになったが、まだこのような移染に激怒する人というのも相当数存在する。
となると、反応染料で紺色に染めた色移りしにくいデニム調生地を使ったジーンズという商品を考えても良いのではないか。
その際「洗濯で色移りしにくいイージーケアジーンズ」みたいな打ち出しにするなら効果があるのではないか。
日本のジーンズメーカー、デニム生地メーカーから久しく斬新な商材が生まれていないのは、いわゆる「本物」にこだわり過ぎているからではないか。
「本物」の存在は重要ではあるが、不便な「本物」よりも便利な「偽物」を好む消費者も少なくない。
各メーカーが、「うちの売上高はずっと5億円のままで構いません」というなら「本物」にこだわった商品を作り続ければ良い。しかし、そうではなくて「うちは拡大再生産を続けて、売上高を伸ばし続けたいです」というなら、そういう利便性のある「偽物」商品の開発も必要ではないか。
「本物」にこだわり過ぎるのはかえって足を引っ張るのではないか。
即完売!亀の子束子が生んだすごいスポンジ
抗菌とデザインにかける執念
http://toyokeizai.net/articles/-/73987
この記事を読むとさらにその思いを強くする。
歴史ある亀の子束子のメーカーが、機能的なスポンジを開発したという内容である。
これが繊維・衣料品メーカー的思考なら、束子にこだわって、今までよりもさらに素材と製法にこだわった「究極の本物」の束子を開発してしまうところであろう。
「創業当時に使われていたこだわりの〇〇という材料を、これまた創業当時のこだわりの〇〇という製法で仕上げました。その究極の本物の束子をどうぞ。その代わり価格はバカ高いです」
なんてことをやらかしそうである。
しかし、亀の子束子は定番として継続しつつ、新商品としてスポンジを開発したのである。
老舗にしてこの柔軟な姿勢は敬服せざるを得ない。
ビンテージだ、本物だ、伝統の技法だ、に過度にこだわっているうちは国内ジーンズブランドが再浮上することは難しいだろう。
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