ライトオンは今年8月末まで構造改革に全集中するのではないかという話
2025年7月15日 決算 2
ライトオンの2025年8月期第3四半期決算が発表された。
赤字幅は縮小したが、大幅減収は続いている。
とはいえ、大幅減収は想定内というか計画通りといえ赤字幅は縮小できているのだから、見映えは悪い決算短信だが、ある程度は順調に推移していると評価できる。
ご存知の通り、ライトオンはワールドに買収された。そのTOBが成立したのが今年1月のことである。
ライトオンへのTOB成立 ワールドが社長派遣、再生支援 – 日本経済新聞
買収の発表があった時点からワールドによるライトオンへの働きかけはあったにせよ、正式にワールドがライトオンの経営に携わるようになったのは、今年1月以降ということになる。
第3四半期決算は5月末までの決算なので、ワールドが正式に経営し始めて4か月前後の時間しかたっていない。
4カ月で赤字幅を縮小できたのだから、一定以上の成果はあったと考えるべきだろう。
ライトオンの25年8月期第3四半期決算は
売上高 228億6800万円(対年同期比24・7%減)
営業損失 2億3000万円
経常損失 4億9100万円
当期損失 2億3500万円
となっており、20億円以上あった赤字額が大幅に縮小されている。
売上高は約25%減となっているが、決算短信にもあるように90店舗の不採算店を閉鎖(期末店舗数250店に)したことが最大の要因だと考えられる。ただし、残存店の店頭を見ていると、商品構成や品揃えは買収前とさして変わっていないように見えるので、「大ヒット商品」が見当たらないことによる販売力低下も原因だと思われる。
さて、同じころに売却されたマックハウスがこのところ矢継ぎ早に新政策を打ち出している。
以前にも書いたように、ビットコインによる暗号資産、話題のリカバリーウェアへの参入、という2つの政策である。今後、さらなる新政策を打ち出す可能性も非常に高いのではないかと見ている。
リカバリーウェアへの進出は、成功できるかどうかは別にして理解しやすい。なにせ、急成長中の分野である。いずれは飽和状態に達することは間違いないが、現時点ではまだそこに至っていないので、有望な新規分野と捉えて参入することは理にかなっている。
一方、ビットコインは博打的要素が強くハイリターンが期待できるかもしれないが、ハイリスクでもあるため、個人的にはあまり評価していない。ましてや業績不振が続いた状態で、非専門分野に参入するのは得策とは思えないと当方は考えてしまう。
ただ、同時期に買収されたマックハウスのアクションスピードが速いことに比べると、ライトオンは目に見えた動きは無い。品揃えもさして以前と変わっていない。陳列量は減ったように見えるのでその辺りの在庫圧縮だけは進んでいるのだろうと推察される。
短信では、ライトオンの構造改革について触れられている。
コスト構造改革の主な内容は以下のとおりです。
①不採算店舗の大規模な退店による収益性の向上。
②本部組織のスリム化と店舗人員最適化による人件費の削減。
③本部拠点の集約による賃借料及びその他の販売費及び一般管理費の削減。
④PB企画力の向上と生産背景見直しによる仕入原価率の低減。
⑤滞留在庫及び回転率の低い継続在庫の大幅圧縮による在庫水準の適正化。
とあり、現在はこの6点を進めていて、新政策はあえて着手していないのではないかと考えられる。
ちょうど、TOBが今年1月に成立しているので、決算期である8月末までの半年強をかけて、この6点を重点的に進め新政策は9月以降に着手・発表する(水面下では構想・準備していると思われる)のではないだろうか。
マックハウスと比べて、非常に慎重かつ手堅い堅実な方針だといえる。
今の世の中、飛び道具的な新政策が持て囃されがちだが、王道の方針に集中して凡事徹底を彷彿とさせるライトオンへの「ここまでの取り組み」を個人的には評価したい。
ライトオンの8月期決算の業績予想は
売上高 281億円
営業損失 15億円
経常損失 20億円
当期損失 18億円
となっており、これを達成できる可能性は高そうだ。
ただ、売上高がついに300億円を割り込んでしまっており、ピーク時の1000億円強から比べると3分の1未満にまで縮小してしまっている。
これに対して、一抹の寂寥感を感じてしまうのだが、ワールドからすると自社がコントロールできる適正規模になったと感じているのではないかとも思えてくる。
ワールドを始めとする大手百貨店総合アパレル各社は1000億円とか2000億円の売上高があるが、それは全ブランドを合わせての売上高であることはご存知の通りである。
各社は20以上のブランドを抱えており、1ブランドごとの売上高は最大でも200億~300億円くらいである。そのため、ワールドからすると1ブランドで500億円とか1000億円というビジネス規模はコントロールしたことが無い領域となる。旧ライトオンファンからすると280億円にまで縮小したといえるが、ワールドからすると自社がこれまでコントロールしてきたブランドの適正規模に落ち着いたともいえる。
また、近年の消費者購買行動から見て、ライトオンに限らず従来型のジーンズを基調としたカジュアルチェーン店は現状以上に再拡大させることは非常に難しいと考えられる。
今後、再拡大させると仮定すると、ライトオン本体を拡大させるのではなく、新屋号・新ブランド店を立ち上げることでライトオンという企業全体の売上高を増やすのではないかと想像している。
今年8月以降の発表に注目したい。何も無い可能性もあるが。
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スズ より: 2025/07/20(日) 2:05 PM
ライトオンに限らずですがPB構成比を上げることに躍起になって店がクソダサ粗悪品ばかりになるチェーン店が多いですね。
それお客様のためになってるの?働いてる人も楽しいの?と疑問を感じます。
利益率という数字だけかっこよくなって努力してる感マシマシ、肝心の売上高利益高が上がらないのは情勢のせいにするのが流行りなんでしょうか。
私もビットコイン投資とかバカじゃなかろうか?と前にコメントしましたが、先日またビットコインは最高額を更新しちゃってました。真面目にコツコツ改善するより、投機に手を出しちゃったほうが成功しちゃう世の中なのかもしれないっすね~。まぁ、一夜にしてお金無くなってる可能性もありますがw