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南充浩 オフィシャルブログ

その「こだわりの技法」は伝わってるの?

2015年6月10日 未分類 0

 製造加工業者と話す機会が多いので、それについての雑感を。

現在、衣料品においてはアジア製低価格品との差別化を図るための一つの手段として高価格な日本製を打ち出すブランドが増えた。

先日もコンバースジャパンがメルローズと共同で新ラインを作り、そこで日本製衣料・繊維製品を打ち出すとのことだった。アメリカブランドのコンバースが日本製衣料品を打ち出すことの意味があまりよくわからないが、まあ、「日本製」は何らかの販促効果があると考えられているのだろう。

で、この日本製だが、大概の場合は「こだわりの〇〇素材を伝統の技法で作り上げたナンタラカンタラ」というような文言で紹介される。そして大概が工場の作業風景なんかが画像として添付されている。

言わんとすること、伝えたいことはわかるが、正直にいうと昨今はそんなブランドが増えすぎてその打ち出しは個人的には食傷気味である。
筆者のような外野が食傷しようとどうしようと関係ないのだが、一般消費者に果たして伝わっているのかな?と疑問に感じ始めている。

もちろん、そういうことに興味を示す消費者もそれなりに存在するだろう。
しかし、そういうブランドばかりが増えているので、どれも似たり寄ったりに見えているのではないかとも思う。
個人的には「日本製」というと、とくに衣料品ではそういう打ち出しばかりなので、ちょっと勘弁してもらいたいというのが本音である。

おそらく、今の打ち出しは同質化しており、今後どれだけ力説しても空回りするのではないかと感じている。
ちょうどビンテージジーンズブームの末期と同じである。

あのときも、ナンタラ綿がどうしたとか、ナンタラ織機でどうのとか、そんなことばかりが打ち出されていたが、それに興味を示す消費者はごく一部のマニア層である。
マニア層向けのニッチ市場を狙っているブランドならまだしも、そこそこの中堅や大手がそこに迷い込んでしまっては売上高を維持することはできない。かくして消えて行ったビンテージジーンズブランドは数多くある。

物作りの現場を打ち出して消費者を啓蒙しようという姿勢は大事だが、そればかりでは消費者には伝わらないと思う。とくにマス層には。

創業248年の企業が「ボトムズ」で蘇った!
白糸酒造取締役 宮崎美帆さんに聞く【その1】
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20150608/284033/?P=1

飲食物と繊維製品では消費背景がまったく異なる。
これは大前提としてあるが、ここで取り上げられている事例は衣料品に当てはまる部分があるのではないか。

創業248年の白糸酒造が2013年からアニメ番組「装甲騎兵ボトムズ」とコラボした酒を販売してから、同社の売上高が増えたという事例である。

以前に話題になった「ザク豆腐」と似たような事例である。
これは「機動戦士ガンダム」とコラボをした豆腐屋だった。

豆腐も日本酒もどちらも日本伝統の食品である。
「伝統の〇〇技法で何たらかんたら」という打ち出しをしやすい商品である。
現に、豆腐でも日本酒でもこの手の打ち出しをしているメーカー、ブランドは掃いて捨てるほどある。
その中にはヒット商品もあるだろうし、まったく鳴かず飛ばずもあるだろう。
しかし、ヒット商品といってもその反響は「ザク豆腐」や「ボトムズの酒」に比べると遠く及ばないだろう。

衣料品や繊維製品も同じ部分があるのではないか。

日本製衣料=伝統の技法とこだわりの素材

そればかりだと面白みに欠けるのではないか。
最近そう思うようになってきた。それだけそういうPRが増えてきたからだということだろうし、それは喜ぶべきことではあるが、そろそろ次の段階の打ち出しが必要なのではないだろうか。

そういえば、少し前にシャツメーカーの山喜が、アイスクリームの「ガリガリくん」とコラボしたクールビズ用のワイシャツを打ち出した。
真面目一辺倒という印象の強い山喜がこんな面白い企画をするようになったのかと驚いた。

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ファッション業界人・ファッショニスタが求める「かっこよさ」はみじんもないが、筆者はこれは伝わりやすい良い企画だと感じる。
彼らが感じる「かっこよさ」を一般消費者は求めているのだろうかと疑問を感じる。
それこそ業界人がありがたがるようなプロデューサーとかデザイナーなんて実は一般消費者はそんなに知らないし興味もないのではないか。
そういうマニア層向けの商材ならそういうコラボは大いにありだろうが、マス層に向けた商材ではそれはあまり効果がないと考えた方がよさそうである。

結局、自社の商品をマニア層に売りたいのか、大衆に売りたいのかによって打ち出しは変わる。
ザク豆腐もボトムズの酒も「アニメ番組」を媒介として大衆に売るための方策を採ったとみられる。
マニア向けなら「伝統の〇〇技法が云々」という売り方で良かったわけである。

衣料品・繊維製品の場合、そういうターゲット層が明確化されているのだろうか?
筆者の目にはターゲット層があやふやなままで、とりあえずの「かっこよさ」とかとりあえずの「伝統技法」とかを打ち出しているに過ぎないように見えてしまう。

もし、そういう「日本製」をマス層に売りたいと考えているのなら、価格帯も含めて打ち出しそのものを見直す必要があるのではないか。

こだわりのナンタラ製法にちょっと食傷気味なので余計にそう感じる。

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